なぜ太りやすい人と太りにくい人がいるのか?

運動療法・物理療法
スポンサーリンク
スポンサーリンク

目次

なぜ太りやすい人と太りにくい人がいるのか?

理学療法士・作業療法士の皆さんの周りにもいませんか?

いつも食べているのに太ってない人,食べていないと言ってるのに太っている人(これは真意はわかりませんが…)っていますよね.

そんなの運動でどれだけエネルギーを消費しているかどうかでしょって思われるかもしれませんが,実はそれだけじゃないんですよ.

今回は理学療法士の視点でなぜ太りやすい人と太りにくい人がいるのかについて考えてみたいと思います.

person standing on white digital bathroom scale

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太りやすい人・太りにくい人がいるのはなぜか?その①

エルンスト.クレッチマーやウイリアム・シェルドンが唱えたように,初期の発生過程で分類される3つ胚葉(外胚葉中胚葉,内胚葉)のどれが優位になるかによって型と性格が類似してくるという心理学の分野の見解があります.

これはプラスマイナスの栄養学を超える人間理解の1つであったと言えます.

つまりわれわれの体型や性格というのには型があってもともと決まってるんだといった説です.

これはいまいち納得できませんが,まったくのウソでもないと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太りやすい人・太りにくい人がいるのはなぜか?その②

他の説として交感神経・副交感神経活動に依存するといった説があります.

米国ルイジアナ州立大のジョージ・プレイ教授が提唱するモナリザ仮説ですね.

この考え方では,肥満というのは交感神経活動の低下によるもので,太りやすい体質,あるいは逆に「痩せの大食い」の存在を説明できるとし考えたわけです.

確かに交感神経活動の低下は,身体活動性の低下と消化管機能の冗進(副交感神経優位)をもたらしますので,シンプルで説得力のある学説とも言えなくはないと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太りやすい人・太りにくい人がいるのはなぜか?その③

理学療法士であればこの3つ目の説が最も理解しやすいと思います.

われわれが肥満とか減量を考える際にはエネルギー消費・摂取のバランスを考えることが重要です.

まずは肥満度を示す体格指数BMI (body mass index) と体脂肪率について,基本的なところを整理したいと思います.

 

身長160cm(1.6m),体重60kgの同じ身長・体重の2人がいるとします.

両者のBMIは60kg÷(1.6m×1.6m)=23.4であり当然同じです.

BMIは, 18.5未満が痩せ過ぎ, 25以上が肥満気味, 30を超えると肥満で,標準体重(適正体重)が22 (最も健康度が高い)とされますので,2人ともに適正な体重と考えて良いでしょう.

しかしそれぞれ体脂肪率がAさんは10%, Bさんは30%だとすると,脂肪を除く体重,いわゆる除脂肪体重(FFMあるいはLBMと呼ばれる)はどうでしょうか?

 

Aさん:60kg-60kg×0.1=54kg

Bさん:60kg-60kg×0.3=42kg

 

実に除脂肪体重には12kgの差があることになります.

 

基礎代謝量(RDEE)をマツカードルらの算出式(RDEE(kcal/日)=370+21.6×FMM(kg))を用いて計算してみます.

 

Aさん:370+21.6×54kg=1536kcal/日

Bさん:370+21.6×42kg=1277kcal/日

 

驚くべきことにAさんとBさんには毎日259kcalの消費エネルギー量の差が生じるということになります.

脂肪1gを9kcalとするならば,1日あたり約30gの脂肪が必要であり,つまりAさんはじっとしているだけでただでさえ少ない体脂肪がさらに消費されていくことになります.

Bさんとの脂肪消費の差は, 1カ月で900g, 1年で10.8kgの脂肪量にも相当します.

こう考えるとBMIは同じでもFFMが異なる意味を理解しておくことが重要です根.

理学療法士であればこの考え方が一番しっくりいきますね.

 

今回は理学療法士の視点でなぜ太りやすい人と太りにくい人がいるのかについて考えてみました.

改めて理学療法士にとって基礎代謝や除脂肪体重の概念の理解って大切ですね.

コメント

タイトルとURLをコピーしました