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変形性股関節症

脚長差に対するインソールの使用は腰痛の軽減に有効なのか?

今回は脚長差に対するインソールの使用は腰痛の軽減に有効なのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 運動学的な変化についてはまだ十分に明らかにされていないものの現在のところ脚長差に対するインソールの使用は腰痛を軽減する可能性がありますね. ただ研究の数も少ないので今後脚長差に対するインソール使用に関する新しい知見が俟たれるところです.
介護予防

骨粗鬆症に対する片脚ジャンプ介入

骨粗鬆症に対する片脚ジャンプ介入 骨粗鬆症の予防は理学療法士・作業療法士にとっても重要な課題の1つであります. しかしながら運動療法による骨粗鬆症の予防・改善というのは限界があるのも実際です. 骨粗鬆症の予防においては骨に大きな刺激を加える必要があり,ハイインパクトトレーニングと呼ばれるトレーニングの有効性が報告されてきております. 今回は骨粗鬆症に対する片脚ジャンプ介入による骨密度改善効果について検討した論文をご紹介させていただきます. 今回ご紹介する論文 Randomized Controlled Trial J Bone Miner Res. 2015 Sep;30(9):1709-16. doi: 10.1002/jbmr.2499. The Influence of High-Impact Exercise on Cortical and Trabecular Bone Mineral Content and 3D Distribution Across the Proximal Femur in Older Men: A Randomized Controlled Unilateral Intervention Sarah J Allison 1, Kenneth E S Poole 2, Graham M Treece 3, Andrew H Gee 3, Carol Tonkin 2, Winston J Rennie 4, Jonathan P Folland 1, Gregory D Summers 5, Katherine Brooke-Wavell 1 Affiliations expand PMID: 25753495 DOI: 10.1002/jbmr.2499 今回ご紹介する論文は2015年に掲載された論文です. 研究の目的 Regular exercisers have lower fracture risk, despite modest effects of exercise on bone mineral content (BMC). Exercise may produce localized cortical and trabecular bone changes that affect bone strength independently of BMC. We previously demonstrated that brief, daily unilateral hopping exercises increased femoral neck BMC in the exercise leg versus the control leg of older men. This study evaluated the effects of these exercises on cortical and trabecular bone and its 3D distribution across the proximal femur, using clinical CT. 骨塩量(BMC)に対する運動の効果は緩やかであるにもかかわらず,定期的に運動している人は骨折リスクが低いことが知られております. そのため運動はBMCとは無関係に骨強度に影響を及ぼす皮質および海綿骨の局所的な変化をもたらす可能性があります. 著者らは過去に高齢男性において短時間の片側ホッピング運動を毎日行うことで,大腿骨頸部骨塩量が運動脚と対照脚で増加することを報告しております. この研究ではCTを用いて,皮質骨と海綿骨、および大腿骨近位部全体の3次元分布に対するこれらの運動の効果を評価することを目的としております. 研究の方法 Fifty healthy men had pelvic CT scans before and after the exercise intervention. We used hip QCT analysis to quantify BMC in traditional regions of interest and estimate biomechanical variables. Cortical bone mapping localized cortical mass surface density and endocortical trabecular density changes across each proximal femur, which involved registration to a canonical proximal femur model. Following statistical parametric mapping, we visualized and quantified statistically significant changes of variables over time in both legs, and significant differences between legs. 健常男性50例に対して運動介入前後に骨盤CT撮影を実施しております. 股関節QCT分析を用いて,従来の関心領域におけるBMCを定量化し,生体力学的変数を推定しております. 皮質骨マッピングにより各大腿骨近位部にわたる皮質質量の表面密度と皮質内海綿密度の変化を局在化し,大腿骨近位部の正準モデルに登録しております. 統計的パラメトリックマッピングの後,両脚における統計的に有意な変数の経時的変化,および両脚間の有意差を可視化および定量化しております. 研究の結果 Thirty-four men aged mean (SD) 70 (4) years exercised for 12-months, attending 92% of prescribed sessions. In traditional regions of interest, cortical and trabecular BMC increased over time in both legs. Cortical BMC at the trochanter increased more in the exercise than control leg, whereas femoral neck buckling ratio declined more in the exercise than control leg. Across the entire proximal femur, cortical mass surface density increased significantly with exercise (2.7%; p < 0.001), with larger changes (> 6%) at anterior and posterior aspects of the femoral neck and anterior shaft. Endocortical trabecular density also increased (6.4%; p < 0.001), with localized changes of > 12% at the anterior femoral neck, trochanter, and inferior femoral head. 平均(SD)70(4)歳の男性34例が12ヵ月間運動し,規定セッションの92%に参加しております. 従来の関心領域では皮質骨骨塩量と海綿骨骨塩量は両脚で経時的に増加しております. 大腿骨転子部の皮質骨骨塩量は対照脚よりも運動脚の方が増加し,大腿骨頚部の曲げモーメントは対照脚よりも運動脚の方が減少しました. 大腿骨近位部全体にわたり皮質塊表面密度は運動により有意に増加し(2.7%;p<0.001),大腿骨頚部および前軸の前方および後方でより大きな変化(6%以上)がみられました. 皮質内海綿密度も増加し(6.4%;p<0.001),大腿骨頚部前面,転子部,大腿骨頭下面で12%以上の局所的な変化がみられました. 研究の結論 Odd impact exercise increased cortical mass surface density and endocortical trabecular density, at regions that may be important to structural integrity. These exercise-induced changes were localized rather than being evenly distributed across the proximal femur. 衝撃運動は構造的完全性に重要であると思われる部位において,皮質骨表面密度と皮質内海綿骨密度を増加させました. これらの運動誘発性変化は,大腿骨近位部全体に均等に分布しているのではなく局所的でありました. 今回は骨粗鬆症に対する片脚ジャンプ介入による骨密度改善効果について検討した論文をご紹介させていただきました. これは非常に有意義な結果ですね. 高齢者を対象としてこういったはいインパクトトレーニングを導入することは難しいかもしれませんが,若年者の骨粗鬆症予防においてはこういったジャンプやホッピングを用いた骨粗鬆症に対する介入が有効かもしれませんね.
足関節周囲外傷

足関節捻挫の予防的な介入に関するシステマティックレビュー論文

今回は足関節捻挫の予防的な介入を考えるうえで参考になるシステマティックレビュー論文をご紹介させていただきました. 今回の結果から考えるとまずはプロプリオセプティブトレーニングが第一選択となりそうですね. 装具については対象者の不安感に応じて使用するというのが現実的でしょうね.
変形性膝関節症

変形性関節症例における2足1段での段差昇降の弊害

今回は変形性関節症例における2足1段での段差昇降の弊害を考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 当たり前といえばあたり間の結果ですが,2足1段での昇降が対側の股関節・膝関節・足関節にとって過負荷となる可能性がありますね. こういった結果を見ると何も考えずに健側から昇段して患側から降段するパターンを指導するのは問題でしょうね. 対側の機能も考慮した上での日常生活指導が必要ですね.
書籍紹介

書籍紹介-関節可動域 (PT・OTの為の臨床現場に活かすROMの実践書)-

今回は運動と医学の出版社から出版された関節可動域 (PT・OTの為の臨床現場に活かすROMの実践書)をご紹介させていただきました. これは理学療法士・作業療法士必携の一冊になりそうです. 皆様もぜひ購入を検討されてください.
変形性股関節症

THAはサルコペニアの改善に有効?

今回はTHAはサルコペニアの改善に有効なのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. この結果から考えるとTHA後には術側以外の筋量は徐々に増加するということになります. ただこの結果から考えると術側下肢に関しては術後も筋量が増加していないということになりますので,術後も荷重偏位や術側下肢の不使用が強調された動作パターンが改善していない可能性も考えられます.
腰部

コルセットは腰痛軽減に本当に有効なのか?

今回はコルセットは腰痛軽減に有効なのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 今回の結果から考えるとコルセットの使用は腰痛の軽減に有効だということですね. 腰痛の原因もさまざまですので腰痛の原因を考えたうえでコルセットの使用が適切かどうかを考える必要がありますね.
変形性股関節症

体重の増減は変形性股関節症の進行と関連しない

今回は体重の増減は変形性股関節症の進行と関連しない可能性を示唆する研究論文をご紹介させていただきました. これは興味深い結果ですね. 予想通りといえば予想通りなのですが変形性股関節症においては変形性膝関節症ほどは体重減少が関節症の進行予防につながらない可能性がありますね. また筋量の減少に伴う体重減少というのも気になります. 症例にもよりますが変形性股関節症例に対して闇雲に減少指導をするのはまずいかもしれませんね.
肩関節

棘上筋を効果的に活動させるにはどの肢位が良い?

今回の結果から考えると棘上筋を効果的に活動させるためには肩関節30度外転,30度水平屈曲,肩関節外旋位が良いということになりますね. この結果は理学療法評価はもちろんですが,棘上筋をターゲットとした運動療法にも活用できる結果ですね.
働き方

理学療法士・作業療法士台風の勤務の日あるある

今回は理学療法士・作業療法士台風の勤務の日あるあるについてご紹介させていただきました. 訪問リハビリテーションなんかは台風の日は命がけですよね. 仕事はもちろん大切ですが,台風の日は理学療法士・作業療法士の皆様も自身の身を守ることも考えて行動しましょう.
変形性膝関節症

ランニングは変形性膝関節症の原因になる?

今回はランニングは変形性膝関節症を増悪させるのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 現在のエビデンスから言えばランニング量を増やすことが変形性膝関節症を発症させるかどうかはわからないということになりますね. 今後さらなる報告が期待されますね.
介護予防

超高齢者(90歳代)の歩行速度の標準は?

今回は超高齢者(90歳代)の歩行速度の標準を考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 今回の結果から考えると0.58m/sが1つの基準になりそうですね. また歩行補助具を使用しない場合には0.66m/s,歩行補助具を使用する場合には0.38m/sが1つの基準になるでしょう. 90歳代の男女のデータというのは過去にもほとんどありませんので本当に貴重なデータですね.
人工膝関節全置換術

人工膝関節全置換術例における膝蓋下脂肪体の切除による悪影響とは?

今回は人工膝関節全置換術例における膝蓋下脂肪体の切除による悪影響を考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 膝蓋下脂肪体の切除を行っているTKA例では膝蓋骨低位とそれに伴う弊害に留意する必要がありそうですね.
人工股関節全置換術

脊椎圧迫骨折の既往のあるTHA例は術後機能改善が不良?

今回は脊椎圧迫骨折の既往のあるTHA例は術後機能改善が不良である可能性を示唆する研究論文をご紹介させていただきました. 今回の結果から考えるとTHA例においては脊椎圧迫骨折の存在を確認し,脊椎機能を評価することが重要であると考えられます. 股関節機能を代償するための脊椎機能の評価といった視点が重要になるでしょう.
書籍紹介

2023年8月以降発刊の理学療法関連書籍5選

今回は2023年8月以降に発刊の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきました. 今月も良書が多く発刊されております. 理学療法士・作業療法士の皆様もこの機会に新たな学びに挑戦してみてはいかがでしょうか?
介護予防

地域在住高齢者の転倒予防には筋力よりも筋パワーの改善が重要?

今回は地域在住高齢者の転倒予防には筋力よりも筋パワーの改善が重要である可能性を示唆する研究論文をご紹介させていただきました. 今回の結果から考えると筋力よりも筋パワーが転倒と関連するということになりますね. そういった意味ではSTSのような筋パワーの評価が筋力の評価よりも広く用いられるのは妥当なところかもしれません. STSの方が測定も簡単ですしね.
脳卒中

脳卒中症例に対する後ろ歩き練習は有効なの?

今回は脳卒中症例に対する後ろ歩き練習の効果を考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 今回の結果から考えると前向き歩行練習と後ろ向き歩行練習では改善する機能が異なるということですね. 麻痺肢の機能改善に焦点を当てるのであれば前向き歩行練習,非麻痺肢の機能改善に焦点を当てるのであれば後ろ向き歩行練習ということになるでしょうか.
運動療法・物理療法

脱水が筋力トレーニングに与える影響ってあるの?

今回は脱水が筋力トレーニングに与える影響を考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 脱水はリスク管理の側面から危険であることはもちろんですが,トレーニング効果にも影響を与えるということですね. 水分摂取をしっかりと促したうえでトレーニングを行う必要がありますね.
運動療法・物理療法

離床時間が4分増えれば0.12日入院期間が短縮

今回は離床時間を何分伸ばせばどのくらい入院期間が短縮できるのかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 非常に興味深い結果ですね. 数分でも離床時間を延長することが入院期間の短縮につながる可能性があると考えると理学療法士・作業療法士の介入にも価値があることが改めて実感できますね.
人工股関節全置換術

人工股関節全置換術(THA)後の鼠径部痛の原因として多い腸腰筋腱障害

今回は人工股関節全置換術(THA)後の鼠径部痛の原因として多い腸腰筋腱障害に関する論文をご紹介させていただきました. 当然ですが軟部組織のみならず骨形態やインプラントの特徴が腸腰筋腱障害の一因になるということですね.
介護予防

運動は本当に転倒予防に効果的なのか?

今回は運動は本当に転倒予防に効果的なのかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. 非常に興味深い結果ですね. 運動介入により転倒発生はもとより転倒に伴う傷害発生を予防できるというのは有益ですね. 特に骨折などの重大事故を回避できるというのは大きいですね. われわれ理学療法士・作業療法士にとっても心強い結果ですね.
働き方

クレームを受けた時の理学療法士・作業療法士の対応

今回はクレームを受けた時の理学療法士・作業療法士の対応について考えてみました. できればクレーム応対はしたくないですが,クレーム応対において最も重要なのは初期対応です. 初期対応の際にいかにクライアントに誠意を感じてもらえる態度や身振りが行えるかが重要です. 日頃から意識しておくと突然のクレーム対応もうまく乗り切れるでしょう.
足関節周囲外傷

アキレス腱断裂症例では足関節底屈位での底屈筋力評価が重要

今回はアキレス腱断裂症例では足関節底屈位での底屈筋力評価が重要であるといったお話でした. 今回の結果から考えるとアキレス腱断裂症例では足関節底屈位で底屈筋力評価およびトレーニングを実施する必要がありますね.
人工股関節全置換術

THA例に外来理学療法は不要?セルフエクササイズの指導で十分?

今回はTHA例に外来理学療法は不要なのかどうかを考えるうえで参考になる論文をご紹介させていただきました. この結果から考えるとすべてのTHA例に外来理学療法が必要ということはなくセルフエクササイズの指導で十分な症例が大部分だということになりますね. 理学療法のアイデンティティを示せなければ今後ますます理学療法士の職域が狭くなってしまいそうですね.
脳卒中

脳卒中片麻痺症例に対するブリッジ運動の効果はいかに?

今回は脳卒中片麻痺症例に対するブリッジ運動の効果を明らかにした研究論文をご紹介させていただきました. この結果から考えると脳卒中片麻痺症例の起立・着座運動の改善を目的としてブリッジ運動の指導を行うのは有益であるといえますね.
肩関節

前鋸筋の筋力トレーニングとして効果的な方法が明らかに

今回は前鋸筋の筋力トレーニングとして効果的な方法が明らかにした研究論文をご紹介させていただきました. これは非常に重要な知見ですね. 前鋸筋のトレーニングを行う場合には,肩甲骨プロトラクションに加えて上腕を外旋させることがポイントになりそうですね.
人工股関節全置換術

変形性股関節症例に対する運動療法の効果を明らかにした最新論文

変形性股関節症に対する運動療法は疼痛や機能改善に対して有効だということですね. これはわれわれ理学療法士・作業療法士にとって心強い結果ですね. ただ効果推定値が小さいのも事実ですので,これをどう受け止めるかが重要でしょうね.
運動療法・物理療法

頸部に携帯型マッサージガンを使用して椎骨動脈乖離?

今回は頸部に携帯型マッサージガンを使用して椎骨動脈乖離を引き起こした症例に関する報告をご紹介させていただきました. 携帯型マッサージガンそのものが悪いということではないと思いますが,結局のところ使い方ですよね. 理学療法士・作業療法士も頸部へ介入する際には椎骨動脈乖離を引き起こす可能性について考慮する必要があるでしょう.
働き方

理学療法士・作業療法士が訪問看護ステーションで勤務するメリット・デメリット

理学療法士・作業療法士の勤務先も様々ですが,理学療法士・作業療法士の勤務先の1つとして近年増加しているのが訪問看護ステーションです. 理学療法士・作業療法士が訪問看護ステーションで勤務するうえではどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか? 今回は理学療法士・作業療法士が訪問看護ステーションで勤務するメリット・デメリットについて考えてみたいと思います.
変形性股関節症

小殿筋機能が変形性股関節症例の歩行能力と関連

今回は変形性股関節症例の小殿筋機能と歩行能力との関連性を明らかにした研究論文をご紹介させていただきました. 小殿筋機能の重要性がうかがえる結果ですね. また中殿筋も独立変数として投入している中で小殿筋機能が抽出されたというのがポイントですね. 今後は小殿筋機能改善のために有効な運動療法に関する報告が期待されますね.
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