実は日本理学療法士協会の組織率（有資格者の入会割合）は比較的高い

実は日本理学療法士協会の組織率（有資格者の入会割合）は比較的高い

最近はSNS上でも日本理学療法士協会を辞めたいとか，辞めたとかそういった話が多いのですが，皆様は理学療法士の日本理学療法士協会への入会割合って高いと思いますか？それとも低いと思いますか？

実は他の職種と比較しても理学療法士の日本理学療法士協会への入会率ってけっこう高いんですよね．

今回は日本理学療法士協会の組織率（有資格者の入会割合）は比較的高いといったお話です．

今回は多職種との組織率を比較するために他職種の組織率をみていきたいと思います．

 

 

 

 

 

 

看護師

公益社団法人日本看護協会は，保健師・助産師・看護師・准看護師の看護職能団体です．

2020年（令和2年）度の会員数は約76万人で，看護職の組織率は約5割程度です．

看護師って女性が多く，既に働いていない人も多いわけですから，当然と言えば当然の結果かもしれませんね．

ただ76万人という母数の大きさに驚きを隠せません…

 

 

 

 

 

 

 

医師

現在の日本の医師数は約30 万3 千人です．

このうち日本医師会の会員は約16万6千人で組織率は55％程度となっております．

その内訳は，開業医約8 万4千人，勤務医約8万2千人となっております．

このデータから見ると医師会に加入していない約13 万人の多くは勤務医と考えられております．

 

 

 

 

 

 

 

薬剤師

日本薬剤師会は公益法人として自由加入制をとっており，全国約30万1千人（平成28年12月31日現在）の厚生労働省届出薬剤師の約35％，約10万4千人の会員数を擁しております．

薬剤師の場合には3人に1人ですから，すごく組織率が低いといった印象ですね．

 

 

 

 

 

 

 

社会福祉士

日本社会福祉士会は日本で最大の社会福祉系の職能団体です．

この日本社会福祉士会はこの10年で10％も加入率が低下している状況です．

組織率は20%と，社会福祉士有資格者の約10人に2人しか加入していないという状況です．

日本医師会や日本看護師協会の約2人に１人が入会している状況を考えると非常に組織率が低いことが分かります．

 

 

 

 

 

 

 

作業療法士

日本作業療法士協会の2019 年度の確定会員数は 60,024 名となっております．

有資格者数は94,240名ですので，63.7％の組織率となっております．

おおよそ10人に6～7名が入会しているといった状況です．

 

 

 

 

 

 

 

言語聴覚士

日本言語聴覚士協会の正会員数は18,000名です．

有資格者数が32,863名ですので日本言語聴覚士協会の組織率は54.7％です．

つまり10人の言語聴覚士のうち，およそ5～6名が入会している計算となります．

 

 

 

 

 

 

 

理学療法士

さて気になる日本理学療法士協会組織率ですが，2016年のデータで約80%となっております．

他の職能団体に比較すれば非常に高いことが分かります．

ただ注目すべきポイントもあります．

実は2000年には日本理学療法士協会の組織率は90%をこえている状況でした．

約15年間で10%も組織率が低下したということになります．ちなみにH28年度データ79.4%

ここ数年も徐々に組織率が低下していることが分かります．

 

 

 

 

 

 

 

なぜ日本理学療法士協会の組織率が高いのか？

それではなぜ日本理学療法士協会の組織率が高いのでしょうか？

日本理学療法士協会が職能団体として堅実にその役割を果たしてきたからと言いたいところですが，おそらくそうではないでしょうね．

理学療法士界隈では伝統的に日本理学療法士協会に所属するのが当たり前と考えられてきました．

養成校によっては卒然教育の中で日本理学療法士協会への入会を勧める養成校もあります．

また男女比で考えると看護師・社会福祉士・作業療法士・言語聴覚士に比較して男性割合が高いのも組織率の高さに影響しているでしょうね．

女性の場合，産休や育休で退会というケースも少なくありませんので…

 

今回は日本理学療法士協会の組織率（有資格者の入会割合）は比較的高いといったお話でした．

他職種に比較しても群を抜いて組織率が高いわけですから，一致団結して次の選挙では勝利を収めたいですね．