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クライアントが転倒したときに理学療法士・作業療法士はどう対応すべきか?
理学療法士・作業療法士がリハビリテーションを行っている際にクライアントが転倒してしまうことってあると思います.
可能であれば未然に転倒を防ぎたいところですが,長く仕事をしていればクライアントの転倒に出くわしてしまうことって誰しもあるはずです.
転倒してしまったのは致し方ありませんが,重要なのは転倒後の対応です.
今回はクライアントが転倒したときに理学療法士・作業療法士はどう対応すべきかについて考えてみたいと思います.
クライアントに外傷がないかをチェック
まずはクライアントの身体をしっかりと観察して外傷がないかをチェックしましょう.
クライアントが転倒してしまうと理学療法士・作業療法士もパニックになってしまいがちですが,まずは外傷がないかを確認したうえで医師に報告する必要があります.
バイタルサインを測定しましょう
バイタルサインはクライアントの生命徴候を教えてくれます.
転倒をきっかけにパニックになって過呼吸になられる方もいらっしゃいますし,場合によっては血圧低下による失神で転倒してしまう方もいらっしゃいます.
まずは血圧,脈拍,経皮的酸素飽和度などの基本的なバイタルサインをチェックしましょう.
バイタルサインをチェックしたうえでしっかりとアセスメントできるかどうかが転倒後の対応としては非常に重要です.
意識レベルを確認
クライアントの普段の意識レベルと比較して変化が無いかを確認しましょう.
場合によっては転倒のきっかけが脳血管障害の発症なんてケースもあります.
意識レベルを確認して医師や看護師にきちんと報告できるかどうかも重要です.
特に転倒直後には理学療法士・作業療法士にしか意識レベルを確認できない時間がありますので,その時間に意識レベルが低下していたのであれば頭部CTを撮影するなどの対応も必要となります.
意識レベルを確実にチェックしておきましょう.
疼痛の有無・部位
転倒した際にはクライアントに疼痛の有無を確認しましょう.
クライアントが疼痛を訴えていたら疼痛の部位を確認したうえでしっかりと疼痛を訴える部位を観察しましょう.
外観上は異変が感じられなくても骨折している場合もありますので注意深く観察することが重要です.
医師へ報告
転倒した際の状況を医師に報告しましょう.
医師の診察にあたっては転倒時の情報が非常に重要となります.
疼痛の部位や意識レベル,バイタルサインの情報をしっかりと整理して報告できると良いでしょう.
医師は理学療法士・作業療法士からの情報をもとに新たな検査が必要かどうかを判断します.
そのため理学療法士・作業療法士の情報が非常に重要となります.
継続的に観察しよう
転倒直後に症状が出ていなくても時間経過とともに症状が出現する場合もあります.
病棟看護師とも協力して継続的に観察をすることが重要となります.
慢性硬膜下血腫のように後日,症状が出現するなんてケースもありますので注意深く観察を続けましょう.
今回はクライアントが転倒したときに理学療法士・作業療法士はどう対応すべきかについて考えてみました.
どんなに理学療法士・作業療法士が適切なリスクマネジメントを行っていたとしても,クライアントが転倒してしまうことってあると思います.
重要なのは事後の対応です.
クライアントが転倒した際には焦らずに冷静に対応できるとよいですね.