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参議院選挙で理学療法士の代表が敗戦すると理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の未来はどうなるのか?
ご存じの通り,今週末は参議院選挙です.
私もすでに期日前投票を済ませました(2名とも応援したいですが現実的に見て勝てる確率の高い方に投票しました).
今回も理学療法士の2名の候補が出馬というだけあって票が割れてしまうのではないかといった不安があります.
今回の選挙で理学療法士の候補が敗戦してしまうと,2024年度の診療報酬・介護報酬改定は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとって過去最悪の改訂になる可能性があります.
絶対に勝たなければなりません.
2024年度診療報酬・介護報酬改訂におけるリハビリテーション関連の改訂予想
現在,2024年度診療報酬・介護報酬改訂で予測されているのが以下の3点です.
①疾患別リハビリテーション料の廃止
②訪問看護ステーションの看護師配置6割
③訪問リハビリテーション対象者は要介護3以上に限定
どれも恐ろしい改訂です.
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の収益にも関わるところであり,②や③などは場合によっては職を失うことになるでしょう.
①疾患別リハビリテーション料の統一
まずは疾患別リハビリテーション料の統一です.
この話は実は2022年診療報酬改定の段階で議論に挙がっており,一時は疾患別リハビリテーション料が廃止され,一律で170点になるなんて話がありました.
今で行けば心大血管は200点を超えておりますし,脳血管疾患リハビリテーション料については245点と170点とは大きな差があります.
仮に疾患別リハビリテーション料が廃止され,一律で170点なんて話になると経営的に大きな打撃を食らう病院が多いでしょう.
170点というのはあくまで疾患別リハビリテーション料が廃止されて一律に統一された場合の最低の場合ということですが,こういった場合には過去の例を見ても低い方の点数に統一される可能性が高いです.
脳血管疾患リハビリテーション料の点数が170点になれば1人の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士当たり年間で300万以上の赤字になります.
病院のよっては給料カットなんて話もでかねません.
また理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は収益を上げられないから必要無いと考える経営者も増えそうですので,そもそも理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の勤務先が減ってしまう可能性もあります.
これは大きな問題です.
②訪問看護ステーションにおける看護師配置を6割に
これも以前から議論のある部分です.
令和3年度介護報酬改定に向けて厚生労働省で行われた議論では,訪問看護ステーションにおける看護師配置を6割以上にといった話が挙がっておりました.
日本理学療法士協会の試算では制度改正によって介護保険利用者だけでも約8万人の方がサービスを受けることができなくなり,理学療法士・作業療法士・言語聴覚士は約5千人が雇用を失うと見込まれます.
看護師の人員配置基準が仮に6割以上となれば全体の15.6%にあたる約1860事業所が何らかの対策を迫られることになるわけですね.
既に次回の改定に向けて動いている事業所も多いですが,前回の介護報酬改定では見送られた看護師とリハビリテーション専門職の人員配置についても次の同時改定でばっさりやられる可能性は高いです.
行政からずれば看護師6割配置案で訪問看護におけるリハビリテーション専門職増大に歯止めを掛けたいところですし,看護協会もこの案には強く賛同しております.
というか元々は看護協会から出た話だった気がします.
介護保険分野についても多くの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が職を失うことになってしまいます.
③訪問リハビリテーションの対象者を要介護3以上とする
最後に訪問リハビリテーションの対象者です.
これについても以前から話がありますが,対象者が要介護3以上の重度者に限定されてしまう可能性が高いです.
これは厚生労働省が出している要介護度別のリハビリテーションアプローチの指針です.
要支援1・2:予防的リハビリ,介護が必要にならないために
要介護1・2:自立支援型リハビリ,ADL,IADLの自立を図る
要介護3・4・5:介護負担軽減型リハビリ,介護者の負担を軽減
これを見てもわかるのは要支援1・2や要介護1・2は通いの場や通所サービスの短期的な介入へ,訪問リハビリテーションは要介護3以上の方へといった方針が見てとれます.
こうなると訪問リハビリテーションの対象者はかなり減ってしまうことになりますので,やはり多くの理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が職を失うことになってしまいます.
選挙での落選が意味するところ
仮に今回出馬している2名の理学療法士が選挙で落選してしまったらどうなるのでしょうか?
リハビリテーション専門職として診療報酬・介護報酬に関して意見することができなくなってしまいます.
そのため①~③のような最悪の改定が待っています.
5000人以上の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が職を失うことになってしまいますし,診療報酬が下がれば必然的に理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の平均年収も下がってしまうでしょう.
今回は週末の参議院選挙で理学療法士の候補が敗戦してしまうと,2024年度の診療報酬・介護報酬改定は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士にとって過去最悪の改訂になる可能性があるといったお話でした.
何としても勝たなくてはなりません.
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の皆様も自分の将来を守るために必ず選挙へ行ってください.