2022年4月に関節可動域表示ならびに測定法が改訂される

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2022年4月に関節可動域表示ならびに測定法が改訂される

理学療法士・作業療法士であれば関節可動域測定を行わない日はないと言っても過言ではないかもしれません.

関節可動域測定は理学療法士・作業療法士が行う検査・測定の中でも非常に機会の多い検査・測定の1つです.

今回は2022年4月に改訂される関節可動域表示ならびに測定法について考えてみたいと思います.

Plastic Wrist Goniometer 20cm | OPC Health

 

 

 

 

 

 

 

27年ぶりの改訂

先日,日本リハ医学会,整形外科学会,日本足の外科学会から2022年4月に改訂される「関節可動域表示ならびに測定法」が発表されております.

今回の関節可動域表示ならびに測定法の改定は実に27年ぶりの改定となります.

1995年2月以来27年ぶりの改定となるので,改定前の関節可動域表示ならびに測定法を知らない理学療法士・作業療法士がほとんどでしょう.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の改訂における経緯

今回の改定では特に「内がえし inversion/外がえし eversion」と「回外 supination/回内 pronation」の定義が国際的な定義と異なっていたため,文献の翻訳や引用をする際にしばしば用語の混乱を生じる原因となっているとといったところがポイントです.

具体的には1995 年改訂の関節可動域表示ならびに測定法では,「内がえし inversion/外がえし eversion」を 3 平面での複合運動,「回外 supination/回内 pronation」を前額面での運動と定義されておりましたが,英語圏及び英語文献では「内がえし inversion /外がえし eversion」を前額面での運動,「回外 supination/回内 pronation」を横断面と矢状面および前額面の 3 平面での複合運動とするものがほとんどでした.

そこでこの点を含むいくつかの問題点に対し,日本整形外科学会からの要請を受けて,日本足の外科学会用語委員会が「足関節・足部・趾の運動に関する新たな用語案」を作成し,日本足の外科学会が承認したというわけです.

これが日本整形外科学会に答申され,その承認を経て日本リハビリテーション医学会に検討が依頼されました.

その後,日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会,日本足の外科学会の 3 学会によるワーキンググループで内容をさらに検討し,その最終案に対して,日本整形外科学会,日本リハビリテーション医学会の各学会でパブリックコメントを募集し,寄せられた会員の意見をもとに修正を行い,2021 年 7 月にワーキンググループで最終合意に達しました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の改訂での主な変更点

1.足関節・足部における「外がえしと内がえし」および「回外と回内」の定義

外がえしと内がえし

足関節・足部に関する前額面の運動で足底が外方を向く動きを外がえし,足底が内方を向く動きを内がえしとする

回外と回内

底屈,内転,内がえしからなる複合運動を回外,背屈,外転,外がえしからなる複合運動を回内とする.

母趾・趾に関しては,前額面における運動で母趾・趾の軸を中心にして趾腹が内方を向く動きを回外,趾腹が外方を向く動きを回内とする.

 

2.足関節・足部に関する矢状面の運動の用語背屈と底屈

足背への動きを背屈,足底への動きを底屈とし,屈曲と伸展は使用しないこととする.

ただし母趾・趾に関しては,足底への動きが屈曲,足背への動きが伸展とする.

 

3.足関節・足部の内転・外転運動の基本軸と移動軸基本軸

第2中足骨長軸とする

 

今回は2022年4月に改訂される関節可動域表示ならびに測定法について考えてみました.

マイナーチェンジといえばマイナーチェンジですが,確かに足関節の屈曲とか伸展ってそもそも用語として使うことはありませんもんね.

また内がえし,外がえしといった用語と回内・回外といった用語は紛らわしい部分がありましたので,今回の改定でこのあたりが整理されて良かったですね.

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