Ratings of Perceived Exertion (RPE)・Borg scale(ボルグスケール)とは?

理学療法評価
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目次

 RPE・Borg scale(ボルグスケール)とは? 

RPEというとあまりなじみが無いかもしれませんが,Borg scale(ボルグスケール)は皆様も運動療法の中で使用することが多いと思います.

RPEは主観的運動強度または自覚的運動強度とも呼ばれますが,クライアントの運動時の主観的な運動の強さを表すものです.

 

 リハビリにおけるRPE・Borg scale(ボルグスケール)とは? 

Borg scale(ボルグスケール)を開発したBorgによると,運動負荷試験などの身体作業強度に対する感覚的な自覚強度は,心拍数や酸素摂取量と同様に重要な指標であることを指摘し,多段階の運動強度に関する尺度を開発しております.

この尺度は後に修正され,現在の 6~20までの15段階のRPEに修正されているわけです.

日本においてもこのBorg scale(ボルグスケール)の日本語訳が作成され,主観的運動強度の評価方法として広く使用されております.

RPEには0~10段階の尺度も報告されているのですが,クライアントの有する疾病によって使い分けられている印象を受けます.6~15の15段階のスケールの大きな特徴は,数値の10倍がおおよそ心拍数となるため,心疾忠などを対象にした研究で用いられることが多いです.

一方で0~10の10段階のスケールはVisual Analogue Scaleとして,主に呼吸気疾患を対象に使用されていることが多いです.

また運動処方においては,15段階スケールにおける13~15は血中の乳酸蓄積域値に相当し,10段階スケールにおける4~5が血中乳酸蓄積閾値に相当するといわれております.

このRPE・Borg scale(ボルグスケール)の大きな特徴は,特別の機器を必要としない評価の簡便さと15段階スケールは数値の10倍がおよその心拍数にあり臨床的にも非常に有用性が高いと考えられます.

 

 

 RPE・Borg scale(ボルグスケール)の信頼性・妥当性は? 

現在のところ,RPEの検者内信頼性・検者間信頼性に関しては報告がありません.

妥当性については,scaleの開発段階で,15段階スケールと他の3種類のスケールにおける妥当性が検討されておりますが,15段階スケールにおける心拍数との相関関係が最も高く,酸素摂取量との高い相関関係が報告されております.

つまり主観的な強度ではあるものの,客観的な運動強度を反映する心拍数や酸素摂取量とも関連性が強く,妥当性は高いと考えられます.

 

 RPE・Borg scale(ボルグスケール)による評価のポイント 

RPE・Borg scale(ボルグスケール)とは,身体作業強度に対する精神・心理的な感覚的自覚強度であります.

臨床上でも,呼吸や心拍といった中枢性の疲労感はないものの,下肢の疲労によって運動を中止するクライアントも少なくありません.

RPEを使用する際には疲労感が中枢性の疲労なのか下肢筋群の疲労なのかを分けて聴取することも可能であり,運動負荷試験の終了理由の判別には有効な情報となります.

実際には疲労感が呼吸循環器系の機能低下によって生じたものなのか,下肢の疲労感によって生じたものなのかを分けて考えることが非常に重要となります.

RPE・Borg scale(ボルグスケール)の大きな欠点は,あくまでも評価が主観的なものであるといった点です.

したがって運動に対する興味や関心に加えて,その日のモチベーションや,疼痛などによっても心理的影響を受けるので結果の解釈には注意が必要となります.

臨床上は,実際には心拍数が120拍を超えているにもかかわらず,RPEを聴取すると7と回答するような症例もいるわけです.

今回はRPE・Borg scaleについてご紹介いたしました.

 

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