理学療法士はスクリューホームムーブメント(screw home movement)にこだわりすぎ?

変形性膝関節症
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理学療法士はスクリューホームムーブメント(screw home movement)にこだわりすぎ?

スクリューホームムーブメント(screw home movement)といえば理学療法士・作業療法士であれば知らない人はいないと思います.

もちろん解剖学・運動学的に考えれば非常に重要な運動なわけですが,何でもかんでもスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失が原因とするのはいかがなものでしょうか?

今回は,理学療法士はスクリューホームムーブメント(screw home movement)を消失にこだわりすぎであるといったお話です.

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スクリューホームムーブメント(screw home movement)とは?

釈迦に説法になりますが,スクリューホームムーブメント(screw home movement)というのは,膝関節伸展最終域での下腿が外旋する現象を指します.

したがってスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失というのはようは,この膝関節伸展臍周囲期における下腿外旋運動の消失を指すわけです.

 

 

 

 

 

 

 

 

スクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失は変形性膝関節症例に多い?

理学療法士・作業療法士がスクリューホームムーブメント(screw home movement)に関して話をする場合には,対象が変形性膝関節症例のことが多いです.

確かに変形性膝関節症例ではスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失を経験することが多いのも実際です.

ただ実際のところは全ての症例でスクリューホームムーブメント(screw home movement)トが消失しているわけではありませんし,重要なのはスクリューホームムーブメント(screw home movement)が消失していても疼痛が出現していない方も多くいらっしゃいます.

一方でスクリューホームムーブメント(screw home movement)がしっかり機能していても疼痛が出現している方も多くいらっしゃいます.

ただ膝関節伸展モーメントの増大が,変形性膝関節症の病態を進行させるといった点を考慮すると,スクリューホームムーブメント(screw home movement)を獲得して膝関節最終伸展を獲得するというのは理にかなっているかもしれません.

 

 

 

 

 

 

 

変形性膝関節症例でスクリューホームムーブメント(screw home movement)が消失する理由

それではなぜ変形性膝関節症例でスクリューホームムーブメント(screw home movement)が消失するのでしょうか?

一番の原因は内反変形です.

内反変形によって内側型の変形性膝関節症例では下腿が外旋位を呈しますので,下腿が常時外旋していることが多く,膝関節最終伸展域で外旋する可動性がない場合が多いです.

また変形性膝関節症例の場合には,骨盤の後傾によって股関節が外旋することで結果として相対的に立位で下腿が外旋しないといったパターンもよく見られますね.

 

 

 

 

 

 

 

スクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失を改善するためには?

ではスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失を改善するためにはどうすればよいでしょうか?

正直なところ内反変形が高度な場合には,下腿の外旋アライメントを修正することは不可能に近いでしょう.

初期の変形性膝関節症例では,大腿骨の回旋が下腿の外旋の原因となっていることも少なくありません.

このような場合には,理学療法で下腿の外旋を改善することが可能かもしれません.

そう考えると初期における変形性膝関節症例のスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失を改善するためには,股関節の評価が非常に重要だと考えられます.

 

 

 

 

 

 

 

 

スクリューホームムーブメント(screw home movement)が消失は問題?

上述したように理学療法士・作業療法士が変形性膝関節症例を評価するうえでは,スクリューホームムーブメント(screw home movement)に着目することは非常に重要です.

ただ注意が必要なのはスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失が本質的な問題でない場合も少なくないということです.

本当にスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失が原因で疼痛が生じているとか,膝関節伸展可動域制限が生じて問題になっているとか,日常生活に影響が及んでいれば改善の余地がありますが,ただスクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失しているからとか,正常と比較して可動域が少ないから,左右差があるからとかいった理由で介入ターゲットにする理学療法士・作業療法士が多いのも実際です.

末期の変形性膝関節症例の場合には,スクリューホームムーブメント(screw home movement)の消失がどうとかいってもどうにもならないことが多いですからね.

 

今回は理学療法士がスクリューホームムーブメント(screw home movement)を消失にこだわりすぎであるといったお話でした.

スクリューホームムーブメント(screw home movement)に限ったことだけではありませんが,症例の本質的な問題が何なのかをきちんと見極める必要がありますよね.

理学療法士界隈でスクリューホームムーブメント(screw home movement)が流行したのは間違いなくあのカリスマ理学療法士の影響が大きいでしょうね.

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