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免荷式歩行器POPOが生産中止に?
近年,リハビリテーション分野では歩行トレーニングを支援するロボットや機器の開発,病院などの臨床現場への導入が進んでおります.
HALなんかはその代表ですし,もう少し安価なところでここ数年使用が増えていたのが免荷式歩行器POPOです.
理学療法士・作業療法士であれば職場で免荷式歩行器POPOを使用されているといった方も少なくないと思います.
ただ残念ながらこの免荷式歩行器POPOが生産中止となってしまうといった話が出回っておりました.
免荷式歩行器POPOとは?
免荷式歩行器のPOPOは,免荷式リフトを備えており,ハーネスを骨盤と大腿部分に装着しベルト部分に取り付けることで,身体を吊り上げ,下肢に加わる荷重量を免荷できる歩行器型の装置です.
POPOの利点はとしては,HAL何かに比較すると装着・操作が簡単であるといった点です.
また体重100kgまで対応可能で転倒を防止する安全性に優れており,通路幅が80cmあれば歩行できるので,コンパクトで使用場所を選ばないという点も魅力です.
特に世界初のサスペンションアームが売りで,左右独立懸架のサスペンションで0~40kg免荷の自然な歩行ができます.
BWSTTのような大がかりな機器でもありませんし,免荷をサスペンションアームで行える点で臨床でも使用しやすい機器であることは間違いありません.
天井から吊るすタイプの場合には,天井の構造によってはそもそも歩行支援機器が導入できないといった場合も少なくないわけです.
中枢神経系疾患のみならず運動器疾患にも有用
従来の歩行支援機器というと脊髄損傷例や脳卒中片麻痺例など中枢神経疾患に適応されることをコンセプトとした支援機器が多かったのですが,このPOPOは運動器疾患の症例にも多く使用が報告されております.
骨折後の荷重痛がある症例や,転倒危険が高い症例に対しては特に効果的でした.
理学療法士・作業療法士の力だけで免荷を図るのって限界がありますので,POPOを使用すれば理学療法士・作業療法士の身体的負担を軽減させた上で,荷重歩行を進めることができます.
導入にかかる費用も比較的安価
また免荷式歩行器POPOの場合には導入費用が安価といった点も臨床上で導入しやすいところでした.
免荷式歩行器POPOの導入に必要な費用ですが,おおよそ70万円前後です.
同じ免荷式の歩行支援機器であるBWSTTの導入費用が200万円以上であることを考えれば,非常に安価であると考えられます.
免荷式歩行器といえばサイバーダインのロボットスーツHALと免荷機能付歩行器(オールインワン)を併用するといった方法も存在しますが,
ロボットスーツHAL+オールインワンの場合には,オールインワンのみの導入は難しいようですし,HALの導入となるとかなりの費用がかかってしまいますので,現実的ではありません.
現実にはなかなか導入できない
これだけ優れた機器で導入費用も安価でその費用対効果も高いと考えられますが,実際にはなかなか導入までの道は険しいですよね.
リハビリテーション部門の場合には機器を導入してサービスを提供したとしてもほとんどの場合,診療報酬上の評価というのは変わりません.
一部歩行支援機器が診療報酬上も評価されるようになってきておりますが,加算も雀の涙ほどです.
今は特にコロナ禍で設備投資に回せる経営的余裕を作ることが難しい医療機関がほとんどだと思います.
歩行支援機器を軽視する理学療法士・作業療法士も多い
また理学療法士・作業療法士って徒手でどうにかしたいなんて考えの方が多いので,歩行支援機器自体を軽視している方も少なくありませ.
ただ理学療法士・作業療法士の手だけで何とかなる時代ってとっくに終わっていると思いますので,こういった機器をいかに導入してクライアントに最良のサービスを提供できるかを考えることは,部門としても非常に重要だと思います.
今回は免荷式歩行器POPOが生産中止となってしまうといううわさについてご紹介させていただきました.
生産中止という話も出ておりましたが,どうも生産中止にはならないようで良かったです.
そてもコスパの高い機器ですので皆様の施設でも導入を考えてはいかがでしょうか?
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