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理学療法士・作業療法士がクライアントを会話にのせる方法
理学療法士・作業療法士であれば誰しもがクライアントとのコミュニケーションに悩んだ経験があると思います.
こちらから働き掛けてもなかなか話に乗ってくれないクライアントにはどう対処すればよいのでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士がクライアントを会話にのせる方法について考えてみたいと思います.
会話とは?
まず会話とは何なのでしょうか?
会話とは,2人あるいはそれ以上の人がお互いに話をしたり聞いたりすることであり,野球のキャッチボールにも例えられます.
キャッチボールは投げられたボールを相手が受け取ることが期待されており,相手に投げるボールのやり取りを楽しむ遊びですが,会話もまたお互いに投げる両者のやり収りを期待し合いながら,必要な情報交換を行ったり,楽しんだりする相互の行為です.
会話は言語によるやり取りだけでなく非言語による情報を含んでおり,気持ちのやり取りも含むコミュニケーション活動です.
理学療法士・作業療法士に限らず,人間関係を構築していくうえで必要不可欠なものです.
人との会話が弾むか弾まないかは,自分と相手との人間関係その場の状況,心身の状態会,話の得手・不得手,会話の内容,環境など,実にさまざまな要因が関連します.
理学療法士・作業療法士が会話を弾ませられない際のアプローチ法
会話の相手がどのような人であっても,医療者として,スタッフとして,私たちはクライアントと会話をする必要があります.
クライアントが乗り気でない会話であっても,必要に応じて情報を得るために会話をしなければならないこともあります.
そんなとき,始めはぎこちない会話であっても.少しずつクライアントが会話にのってくるように働きかける方法があります.
ここでは,理学療法士・作業療法士がクライアントを会話にのせる方法の1つであるリーディングについてご紹介いたします.
リーディングとは?
リーディングという言葉には,クライアントをリードする・導くといった意味が含まれます.
クライアントと話をするとき,クライアントが同じ土俵の上に乗っていない状況でいくら話をしても,会話は空振りに終わってしまいかねません.
そんなとき,まずペーシングをして相手に合わせ,相手のペースで会話を進めながら徐々にこちらのペースにリードして,クライアントを会話にのせていく方法が有効です.
あなた自身,最初は元気がなかったのに,誰かと話をしているうちにいつの間にかクライアントの元気をもらっていたという経験はありませんか?
リーディングする内容にはペーシング,話のスピード,声の大小,感情などがあります.
具体的には,話し始めは相手の話のスピードや声の大きさ,感’情に同調しますが,徐々に理学療法士・作業療法士のペースにリードして,話のスピードを速くしたり,声を大きくしていったり,感情を平常にしたりして,相手が会話ができる状態になるようにリードします.
リーディングの注意点
クライアントによってはリードされることが難しい場合もあります.
リーディングが万能ではないことも頭に入れておきましょう.
とくにあまりにも露骨にペーシングをすると,クライアントが操られていると感じ,リードされることに抵抗感を示すこともあります.
リーディングを成功させるためには,ペーシングをする際に過剰になりすぎないよう気をつけることが重要です.
今回は理学療法士・作業療法士がクライアントを会話にのせる方法について考えてみました.
理学療法士・作業療法士が普段こういったコミュニケーション手段を意識することは少ないかもしれませんが,少し意識してクライアントと接してみると変化が感じられます.
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