腰痛の85%が非特異的腰痛というのは嘘だった?

腰部
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腰痛の85%が非特異的腰痛というのは嘘だった?

腰痛といえば理学療法士・作業療法士が対象とするクライアントが合併することの多い訴えの1つです.

最近,腰痛の85%が非特異的腰痛であるといった話が独り歩きしている感があります.

非特異的腰痛というのは医師の診察や画像検査等で原因が特定できない腰痛を指しますが,85%が非特異的腰痛って聞くと腰痛の原因はほとんどわからないということになります.

これって本当でしょうか?

今回は本邦における非特異的腰痛の割合を明らかにした研究論文をご紹介させていただきます.

Lower Back Pain: Symptoms, Causes, Risk Factors & Complications

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

PLoS One. 2016 Aug 22;11(8):e0160454. doi: 10.1371/journal.pone.0160454. eCollection 2016.

Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study

Hidenori Suzuki 1, Tsukasa Kanchiku 1, Yasuaki Imajo 1, Yuichiro Yoshida 1, Norihiro Nishida 1, Toshihiko Taguchi 1

Affiliations expand

PMID: 27548658 PMCID: PMC4993356 DOI: 10.1371/journal.pone.0160454

今回ご紹介する論文は2016年に掲載された少し前の論文です.

 

 

 

 

 

 

 

研究デザイン

Study design: Cross sectional data from the Yamaguchi low back pain study conducted in Yamaguchi prefecture, Japan, was used for this analysis.

研究デザインは山口県で実施された山口県腰痛研究の横断研究データを用いて解析されております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の方法

Methods: A total of 320 patients were recruited from walk-in orthopedic clinics in Yamaguchi Prefecture, Japan. Patients visited the clinics primarily for low back pain (LBP) and sought treatment between April and May 2015. A self-questionnaire was completed by patients, while radiographic testing and neurological and physical examination was performed by the orthopedist in each hospital. The cause and characters of LBP was determined following examination of the data, regional anesthesia and block injection.

山口県で実施された山口県腰痛研究の横断研究データを用いて解析が行われております.

山口県の整形外科医院から320例の患者をリクルートしております.

対象は主に腰痛のために整形外科を受診し, 2015年4月~5月の間に治療を行っております.

対象者は自己問診票に記入し,各病院の整形外科医によるX線検査と神経・身体検査を実施しております.

そのデータをもとに検査・局所麻酔・ブロック注射を行い,腰痛の原因と特性を明らかにしております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

Results: ‘Specific LBP’ was diagnosed in 250 (78%) patients and non-diagnosable, ‘non-specific LBP’ in 70 (22%) patients. The VAS scores of patients were: LBP, 5.8±0.18; leg pain, 2.9±0.18 and the intensity of leg numbness was 1.9±0.16. Item scores for SF-8 were: general health, 46.6±0.40; physical function, 43.5±0.51; physical limitations, 42.8±0.53; body pain, 42.1±0.52; vitality, 48.4±0.37; social function, 46.9±0.53; emotional problems, 48.9±0.43; mental health, 46.9±0.43.

結果ですが特異的腰痛と診断されたのは250例(78%)にも上りました.

また非特異的腰痛と診断されたのは70例(22%)でありました.

対象者のVASスコアは以下の通りでありました.

腰痛は5.8±0.18,下肢痛は2.9±0.18,下肢しびれの強さは1.9±0.16でありました.

SF-8の項目スコアは,一般的健康感46.6±0.40,身体機能43.5±0.51,身体的制約42.8±0.53,疼痛42.1±0.52,活力48.4±0.37,社会機能46.9±0.53,情緒的問題48.9±0.43,精神的健康46.9±0.43でありました.

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

Conclusions: The incidence of non-specific LBP in Japan was lower than previous reports from western countries, presumably because of variation in the diagnosis of LBP between different health care systems. In Japan, 78% of cases were classified as ‘specific LBP’ by orthopedists. Identification of the definitive cause of LBP should help to improve the quality of LBP treatment.

本邦における非特異的腰痛の発生率は欧米諸国の報告に比べて低い結果でありました.

これは医療制度の違いによる腰痛の診断の違いによるものと考えられます.

日本では78%の症例が整形外科医によって特異的腰痛の診断が可能でした.

腰痛の原因を特定することは腰痛治療の質を向上させることにつながると考えられます.

 

今回は本邦における非特異的腰痛の割合を明らかにした研究論文をご紹介させていただきました.

驚くべき結果ですね.

非特異的腰痛はたったの22%です.

結局は特異的腰痛に分類されるか,非特異的腰痛に分類されるかは医師の力量によるところが多いのも実際です.

このデータを見る限り,非特異的腰痛が85%という数字をそのまま鵜呑みにすると問題があるかもしれませんね.

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