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いまだに集団で重複算定している病院があるなんて…
今の若い理学療法士・作業療法士の方々はご存じないかもしれませんが,昔は医療保険におけるリハビリテーション料の中にも集団療法といった枠組みがありました.
これはこれで良い側面もありましたし,理学療法士・作業療法士が少ない時代には集団が無ければ成り立たない組織が多かったのも実際だと思います.
ただこの時代にまだ集団で理学療法・作業療法を行って重複算定している病院があるようです.
今回は集団で重複算定している病院が危険すぎる件について考えてみたいと思います.
重複算定ってどんなもの?
重複算定って何を意味するのでしょうか?
現行の疾患別リハビリテーション料は基本的にマンツーマンでクライアントに対応することが義務付けられております.
20分以上の時間,資格を持った理学療法士・作業療法士がクライアントに対応した場合に疾患別リハビリテーション料を算定できるわけです.
重複算定というのは1時間の間に,3人のクライアントに対して集団で理学療法または作業療法を行って,3単位×3人分の9単位を算定するといったパターンです.
誰が考えても詐欺ですし,違法だということはわかるのですが,収益のためにリハビリテーション部門の方針として長福算定を行っている医療機関があるというから驚きです.
実施時間はどうしているの?
重複算定の場合に問題になるのが実施時間の記録です.
仮に13時~14時に3人のクライアントに対して集団で対応した場合には以下のようにごまかして実施時間の記録を行っているケースが多いです.
クライアントA:13時~14時
クライアントB:14時~15時
クライアントC:15時~16時
完全な虚偽記載をして重複算定をしているわけです.
これは監査で見つかれば一発でアウトの案件です.
現行で集団での対応が認められている場合もあります.
心臓リハビリテーションなんかがその代表です.
監査の時には?
こういった医療機関が策略的なのは厚生労働省等による監査が行われる日には集団対応を1日実施しません.
クライアントからすれば何で今日はマンツーマン対応なのと不思議に思うでしょうが,監査の日だけはマンツーマンで対応し,監査の目をごまかすといった方略を取っているわけです.
こんなの職員が内部告発すれば一発でアウトですが,若い職員の中には疾患別リハビリテーション料の算定は基本的にマンツーマンといった原則すら知らない理学療法士・作業療法士も多いので,若い理学療法士・作業療法士には罪の意識すらないわけですね.
今回は集団で疾患別リハビリテーション料を重複算定しているブラック病院について考えてみました.
皆様の職場はいかがでしょうか?
仮に自分の職場が長福算定をしていることに気づいたのであれば,職場を変わることを含めて考えた方が良いでしょうね.
今どき重複算定をしている医療機関なんてブラックすぎます…
いつ監査で指摘を受けて返還命令が出るかわかりませんし,返還命令が出て病院の収益が減少すれば理学療法士・作業療法士の給与や賞与も減額される可能性は高いわけです.
いまだにこんな職場があるということ自体が信じられませんが,SNS等をみているとまだまだ楽をして稼いでいる医療機関がけっこうあるんだなと驚きしかありません.
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