運動連鎖を重要視しすぎて患部を診ない理学療法士・作業療法士が危険

運動療法・物理療法
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運動連鎖を重要視しすぎて患部を診ない理学療法士・作業療法士が危険

運動連鎖という概念が一般的となり,理学療法士・作業療法士の中でも患部からではなく姿勢や動作を分析し,運動連鎖を考慮した上で,遠隔からアプローチを行うことが奏功するケースは少なくありません.

例えば膝関節痛の原因が胸椎の可動性低下だったなんてこともあり得なくはないわけです.

ただ運動連鎖を重要視しすぎて患部を全く評価しないとこれは非常に危険です.

今回は運動連鎖を重要視しすぎて患部を診ない理学療法士・作業療法士が危険だといった件について考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運動連鎖の重要性

例えば股関節と足関節の中間関節である膝関節なんかは多くが原因ではなく結果になっている場合は確かに多いですし,足部のアーチの崩れが膝関節のマルアライメントに繋がってなんてことは日常茶飯事です.

これが膝関節と足部の関係性であればわかりやすいのですが,例えば頸椎に問題があるから膝関節に疼痛が出ていますなんていっていつも後頭下筋群のリリースばっかりやっている理学療法士・作業療法士がいますが,これって本当に頸椎のアライメントと膝関節痛の関連性を運動連鎖の観点から説明できるのかどうか怪しいものです.

こういった理学療法士・作業療法士に限って,まずは頸椎なんて考えで,患部である膝関節を全く評価することなく頸椎ばっかり触ってるなんてことがあり得るので非常に怖いです.

最近では嚥下障害に対して,嚥下機能を評価することなく肩関節からアプローチしてる言語聴覚士まで出現しているというから恐ろしいですね.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まずは患部を,局所をきちんと評価してから全身を診る視点が重要

確かに運動連鎖の観点から全体像を把握するといった視点は非常に重要ですが,局所(患部)をきちんと評価できなければ,そもそも疼痛の原因が遠隔部位からのものかどうかも明確にならないと思います.

講習会なんかで有名講師が膝関節痛の原因はforward head postureだなんて話を聞くと,それだけ信じて頸部ばっかり触ってるわけですが…

まずは疼痛の出現している膝関節をきちんと評価した上で,股関節⇒仙腸関節⇒腰椎⇒胸椎⇒頸椎と順を追って評価を行って上で,最終的にforward head postureが膝関節のマルアライメントや力学的ストレスの増加と関連していると考えられればもちろん頸椎へのアプローチは意味があるわけですが,何でもかんでも後頭下筋群のリリースというのはいただけません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

医師やクライアントに説明できますか?

そもそも主治医がリハビリテーション室に回診にやってきたらなぜ後頭下筋群のリリースを行っているのかを,論理的に説明できるでしょうか?

主治医からすれば膝関節痛を軽減するために理学療法の指示を出したのに,なぜ首の後ろをマッサージしてるんだろうと感じるでしょう.

この際に医師にもわかるように論理的に説明ができるかどうかが重要です.

またクライアントも不審に思う可能性は高いでしょうね.

仮に後頭下筋群のリリースによって膝関節痛が解消されれば,クライアントの納得も得られるでしょうが,膝関節を全く見てもらえず首の後ろがかりを触られてされて,結果として膝関節痛が改善しなければ,この理学療法士は何なんだと思うのが普通でしょう.

もちろんきちんとした説明がなされればクライアントも納得できるかもしれませんが…

運動連鎖を考慮した遠隔アプローチというのは結果が出ればよいですが,結果が出なければクライアントにとっては納得が得られないアプローチに終わってしまうことが多いでしょう.

仮に局所である膝関節痛に改善が得られなくとも,膝関節をしっかりと評価してアプローチを行っていればクライアントにも納得してもらいやすくなるでしょう.

 

今回は運動連鎖を重要視しすぎて患部を診ない理学療法士・作業療法士が危険だといった件について考えてみたいと思います.

上述したように運動連鎖の観点から全体像を把握するといった視点は非常に重要ですが,局所の評価をしっかりした上で全身を診る視点が重要ですね.

また運動連鎖の観点から他職種やクライアントにもわかるようになぜ遠隔部位の介入が必要なのかを説明できることも重要でしょうね.

 

 

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