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週刊文春の新型コロナウイルスクラスター感染を起こした大阪市リハビリテーション病院の記事がひどい
先日もお伝えいたしましたが大阪市のリハビリテーション病院で新型コロナウイルスの院内クラスター感染が起こりました.
最終的に感染者は130人に上り,全国各地のリハビリテーション病院も強い恐怖感を覚えました.
SNSではこの大阪市のリハビリテーション病院がどの程度感染対策をしていてこのようなクラスター感染に至ったのかを把握したいといった声が多く聞かれましたが,当時の病院の状況が2020年5月4日の週刊文春の記事で明らかにされました.
この記事に関しては現役看護師,元病院スタッフらの取材によって明らかになったもののようです.
もちろん週刊誌の記事ですのでどこまで信じるかは難しいところですが…
リハビリテーション病院に勤務する理学療法士・作業療法士が感染対策に活かせる部分もあるのではないかと思います.
今回は週刊文春の新型コロナウイルスクラスター感染を起こした大阪市リハビリテーション病院の記事がひどい件についてご紹介させていただきます.
感染の始まりは看護師ではなかった?
報道では看護師の感染がスタートであったと報じられておりましたが,この記事の中ではそれ以前に院内に熱発患者がおり,他院への転院後に新型コロナウイルスに感染していたことが分かったようです.
これが本当だとすればまずここが大きな問題ですね.
大阪市のリハビリテーション病院における感染対策は?
感染予防マニュアルや感染者が出た際の対応策などが全く無かったようです.
使用するロッカーもスタッフ間の仕切りは無く,PCR検査陰性者に関しては最初に感染が分かった看護師との濃厚接触者であっても出勤が命じられていたようです.
その上,夜勤も元々看護師2人体制のところを看護師1人とリハビリスタッフ1人の体制で勤務させていたようです.
つまり理学療法士か作業療法士が夜勤をさせられていたことになります.
これが本当だとすればすごい悪徳グループだといわざるをえません.
そもそも診療報酬の基準にも違反していることになります.
感染廃棄物に関しても適切に管理がなされていなかったようです.
この病院自体は医療法人生和会が買収して回復期リハビリテーション病院を立ち上げてからまだ数ヶ月しか経過していなかったようです.
全国に倒産寸前の病院を買収して立て直している医療法人がいくつかありますが,元々の母体の病院からスタッフを派遣して,最少人数でやりくりしているところが多いと聞きます.
感染対策マニュアルももともときちんと整備がなされていなかった可能性も考えられます.
リハビリテーション病院って救急総合病院と違って感染管理の認定看護師がいるわけでもありませんし,こういうところ弱いですもんね.
さらにはこの記事の中にはマスク不足からスタッフはマスクを装着せず,理学療法士・作業療法士が密の状態で食事をとっている写真まで掲載されております.
記事ではリハビリテーションの内容についても言及
ここは理学療法士・作業療法士としては一番つつかれたくなかった部分だと思います…
真意は明らかではありませんが,カルテを書く時間を治療時間に含めているとか,過度なリハビリを強いている,高齢の方に院内を10周散歩させたりして,無理なリハビリで症状が悪化し,転院する患者もいたなどと記載されております.
このあたりはクライアントの状態もわからないので何とも言えませんが,ここまで言及されると同グループのリハビリテーション病院への風評被害も大きそうですね.
クラスター感染は起こるべくして起こった?
この記事をどこまで信じるかですが,この記事が全て本当であれば大阪市のリハビリテーション病院は感染対策が不十分なために130人もの感染者を出してしまったと考えるのが妥当でしょう.
最近の報道を見ているとどんなに対策をしていても起こるときは起こるのかなと感じてはおりますが,対策を講じてクラスター感染が起こったのと対策を講じずにクラスター感染が起こったのとでは意味合いが大きく異なります.
週刊誌の記事ですのでどこまでが本当かわかりませんが,リハビリテーション部門の感染管理を行う上では非常に参考になる内容ではないかと感じました.
コメント
個人的には個室で密室、近距離でマスクを外してリハビリを行うSTの訓練が問題だと思います。
先日、患者さまから窓を開けずにリハビリをして集中できなかったと指摘がありました。