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理学療法士・作業療法士が心臓リハ専門施設で働くには?
理学療法士や作業療法士が働く場としては,総合病院や整形外科クリニック,通所施設,訪問リハビリテーション事業所などさまざまな職場があります.
20年以上前までは心疾患の方に理学療法士が関わることは非常に少なかったわけですが,身体活動が心疾患を抱えるクライアントの心機能やQOLにもたらす影響が明らかにされ,ここ十数年で心臓リハビリテーションは急速に普及しております.
中には心臓リハビリテーション指導士を取得して,心臓リハビリテーション専門の理学療法士になりたいといった志を持たれた理学療法士の方も多いと思います.
今回は理学療法士・作業療法士が心臓リハ専門施設で働くにはどうすればよいのかを考えてみたいと思います.
循環器専門病院における理学療法士・作業療法士の役割
整形外科疾患や脳卒中などの中枢神経疾患の患者さんを治療の対象とする病院では,それぞれで理学療法士・作業療法士の役割も異なるものとなります.
同様に心臓リハビリテーションを専門とする医療機関でも理学療法士に求められることは,他の病院とは異なります.
例えば循環器専門の病院に入院している患者さんは,「体を起こす」「歩く」といった日常生活を制限されるような状態であることが多いです.
また心臓リハビリテーションの対象となる方の多くが,症状を緩和させるような薬物療法や手術療法を受けています.
さらに心臓などの循環器系に問題があり手術や入院を経験している場合,大半のケースの人が入院後早期には安静を強いられます.
その後,医師の管理のもと慎重に少しずつ活動量を増やしていくことになります.
理学療法士は医師の指示に合わせた活動量の拡大や運動の指導を行い,運動中の患者さんの状態を確認し医師と連絡を取りながら患者さんが行う活動や運動を調整していく必要があります.
また退院後の生活で心臓に負担がかからないようなに日常生活指導を行うこともあり増す.
以上のように,循環器専門の病院に勤める理学療法士には,運動の指導や生活における指導を行うことでクライアントの社会復帰を支援するという役割が求められます.
理学療法士が循環器専門の病院へ転職するメリット
心臓リハビリテーションに力を入れている循環器専門の病院では,整形外科病院や総合病院などとは理学療法士に求められる役割が異なります.
そのため循環器専門の病院でしか学べないことが多くあります.
当然ながら循環器専門病院では循環器疾患に関することについて詳しく学ぶことができます.
特に昨今は運動器疾患の方であっても循環器関連の合併症をお持ちの方も多いので,循環器疾患の知識を学ぶことで,循環器疾患のクライアントのみならず,さまざまな症例に応用することができます.
心臓リハビリテーションというのは,決してニッチな領域ではなく,むしろ理学療法士が関わる全ての分野におけるベースとなることだと考えることができます.
理学療法士が循環器専門の病院へ転職する際の注意点
理学療法士が循環器専門の病院で働く場合には,いくつか注意しなければいけないこともあります.
まずは心臓リハビリテーションを行う上では幅広い知識が必要となります.
理学療法士が担当するクライアントのほとんどは心疾患のみならず他の内科疾患を併発しており,心臓などの循環器系だけの問題で入院している人は少ないです.
特に生活習慣の乱れが原因で起こりやすい糖尿病などの「生活習慣病」を患っている人が多くいます.
つまり循環器専門の病院であっても,理学療法士として働く上では循環器系に関する知識だけでは不十分だと考えられます.
例えば糖尿病を併発している人には,心臓に関するリハビリのみでは十分な効果が得られにくいため,糖尿病の影響も考慮する必要があります.
また理学療法士に求められるのがリスク管理です.
当然ながら運動器疾患を有するクライアントに比較すれば,運動に伴うリスクが高い方が多いため,リスク管理に関する知識も広範囲に必要となります.
このように理学療法士が循環器専門の病院に転職する場合は,想像しているより幅広い知識が必要になることを知っておいてください.
カルテに記載してある心リハで使われる略語がわからない
循環器専門の病院において,心臓疾患の患者さんに対してリハビリを行う場合,「心臓リハビリテーション指導士」の資格を取る理学療法士もいます.
そうはいってもほとんどの理学療法士はそのような資格を持たない状態で就職・転職するため,心臓リハビリの際に使用される略語の多くを理解できないことが多いです.
循環器専門の病院に限ったことではありませんが,医者からの処方には略語を使って書いてあるものがほとんどです.
代表的な心臓リハビリテーションに関する略語として,「EF」や「RC」「VF」などが挙げられますが,聞きなれない単語も多いと思います.
そのため理学療法士として循環器専門の病院に転職・就職する人の中には,最初に医者からの処方に書かれている略語を理解するのに苦労することが多いです.
特に検査結果などに関する言葉は,理学療法を行う上でも大切になりますので必ず把握しておく必要があります.
心リハでは高いコミュニケーション能力が求められる
心臓疾患の患者さんに対して理学療法を行う場合には,理学療法士はさまざまな職種の人との連携が必要になります.
整形外科のクリニックであれば,クライアントの事に関しては,医師と理学療法士の連携だけで済むことがほとんどです.
もちろん看護師とのやり取りが必要になる場合もありますが,そこまで多くありません.
一方で循環器専門の病院であれば,医師や看護師だけでなく,薬剤師,栄養士,臨床検査技師など,さまざま職種の人と連携を取る必要があります.
これは循環器疾患の患者さんに対するリハビリは,状態が安定し入院や通院が終わったから安心できるというものではなく、その後の予防までを徹底して行なわなければいけないためです.
循環器疾患の患者さんにおける多くは、生活習慣に問題があって病気が発症しています.
つまり退院や通院が終了した後も,患者さんの習慣を変えないと再発してしまいます.
骨折などの外傷で一時的に機能が低下したのとはわけがちがうわけです.
このように循環器疾患の患者さんに対してリハビリを行う場合は,さまざまな職種の人と関わる機会が増えます.
その時に適切なコミュニケーションが取れることも,クライアントのリハビリがスムーズに進むかを大きく左右するポイントです.そのため理学療法士は幅広い知識とコミュニケーション能力を身に付けておく必要があります.
さまざまな職種の人と専門家として適切に意見交換をすることができれば,クライアントの社会復帰をよりスムーズにサポートすることができるようになります.
今回述べたように,理学療法士が心リハ専門の病院へ転職することで、さまざまな分野の基礎となる循環器系に関することを深く学べるというメリットがあります.
また循環器専門の病院に勤める理学療法士に対しては,特に幅広い内科的疾患や循環器専門で使用される用語の理解,リスク管理能力,コミュニケーション能力などが求められます.
理学療法士として循環器専門の病院に転職する際には、こうしたメリットと注意点があることを理解した上で転職先として選択することが重要です.
循環器専門病院で働きたいけど
循環器専門病院で心臓リハビリテーションに力を入れている施設は徐々に増えてきておりますが,まだまだ整形外科クリニック等と比較すれば理学療法士を雇用している病院が少ないのも現状です.
循環器専門病院で働きたいけど,なかなか自分に合った職場を探すことが難しいといった場合には,転職サイトを利用することをお勧めします.
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もちろん,登録は無料です.
ここでは私が過去に利用したことのある転職サイトをいくつかご紹介させていただきます.
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