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TwitterでPT・OT「担当者ガチャ」のワードが炎上している件
Twitterをされている方はご存知かもしれませんが,Twitterを使用している理学療法士・作業療法士の間で2020年を迎えてから「担当者ガチャ」というワードでさまざまなツイートがなされております.
今回は「担当者ガチャ」について考えてみたいと思います.
担当者ガチャとは?
元々,担当者ガチャという言葉は回復期リハビリテーション病棟へ入院中に大変な思いをされた当事者の方が発せられた言葉のようです.
ご存知のように理学療法士・作業療法士はマンツーマンでクライアントに理学療法・作業療法サービスを提供します.
また担当する理学療法士・作業療法士は指名制ではなく,たまたまクライアントを担当させていただくといったパターンが多いと思います.
管理者が担当理学療法士・作業療法士の振り分けを行っている病院・施設も多いと思いますが,結局のところクライアントからすればゲームセンターやスマホゲームのガチャを引いているようなものだといった議論がなされているわけです.
要はクライアントからすれば,アタリの理学療法士・作業療法士に担当してもらえる場合もあれば,ハズレの理学療法士・作業療法士に担当されてしまう場合もあるという話です.
以前からこういった指名制に関する話題は多く議論がなされておりましたが,この理学療法士・作業療法士の指名制の問題を,ものすごくうまく表現したワードが今回の「担当者ガチャ」というワードなわけです.
また今回は大学で教育を務められている療法士や老舗ブログ運営をされている療法士がこの「担当者ガチャ」を広める発端となるツイートをされたということでTwitterが炎上している状況なわけです.
ハズレと言われないような最低限の質の担保が必要
今回,特に注目されているのは回復期リハビリテーション病棟における担当理学療法士・作業療法士が誰になるのかといった点です.
回復期リハビリテーション病棟では1日あたり2~3時間の理学療法・作業療法サービスを提供していることが多いと思いますので,時間が長い分,担当者の力量によってクライアントの回復に与える影響が大きいといった特徴があると思います.
実際には急性期医療機関でも担当者ガチャ要素はゼロではないと思いますし,医療の質ということで考えれば既に救急車に乗った段階でどこに運ばれるかといった病院ガチャをひいているようなものです.
回復期リハビリテーション病院そのものはクライアントが選択できるわけですが,評判の良い回復期リハビリテーション病院を選択しても,担当者ガチャによっては運ゲーになってしまうわけです.
こう考えると,病院側には最低限の質を担保する努力が必要だと考えられます.
学習意欲の高いスタッフを教育することも重要ですが,担当者ガチャを考えると学習意欲の低いスタッフをいかに教育して,最低水準を向上させるかが重要だと考えられます.
個人としてもクライアントに担当者ガチャで外れたと言われないように研鑚を続ける必要がありますね.
場合によっては理学療法士・作業療法士担当者変更も必要
私の施設でも年に数回は理学療法士・作業療法士の担当者を変更せざるを得ない場面というのがありますが,場合によってはクライアントからの意見を収集した上で担当者を変更できるようなシステム(ガチャでいうところのリセマラ)も必要かもしれませんね.
ただゲームと違ってクライアントのリハビリテーションの過程というのはリセットできるものではありませんので,管理者の速めの対応が必要でしょう.
さらに回復期リハビリテーション病院では複数の理学療法士・作業療法士が関わることが可能だと思われますので,経験豊富な理学療法士・作業療法士と新人の理学療法士・作業療法士を組み合わせて,フォローさせるといったような体制づくりも必須でしょうね.
いずれにしても管理者は,担当者ガチャがクライアントにとって不利益にならないような対策を講じる必要があるでしょう.
担当者ガチャは理学療法士・作業療法士に限ったことではない
ただ考えてみると担当者ガチャっていうのは理学療法士・作業療法士が勤務するリハビリテーション業界に限ったことではありません.
美容院に行けば担当する美容師さんが決まりますよね?
これって結局のところ担当者ガチャと一緒でしょ?
1000円カットなんかは毎回担当者ガチャをひくってことになると思います.
少なからず「今日はこの人で良かった」とか「あー,この人に当たってしまった」と思うのが人間というものでしょう.
タクシーの運転手だってそうですし,ホテルの受付だってそうですし,コールセンターの担当者だってそうです.
われわれは気付かないうちに毎日,担当者ガチャを引いてますよね?
サービスを受ける側の立場になればわかることですが,どのサービスを受けるにしても担当者ガチャの要素というのは排除することが難しいわけです.
私自身は担当者ガチャを否定する立場にはありませんが,組織としてクライアントがハズレと感じないサービスを提供できるような努力をしていくことがわれわれ理学療法士・作業療法士の使命ではないでしょうか?
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