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理学療法士・作業療法士も知っておきたい残業代の計算方法
働き方改革法案が施行され,理学療法士・作業療法士の職場でも残業を強いられることが少なくなってきているはずです.
一方で毎日残業を強いられている理学療法士・作業療法士も多いのが現状もあると思います.
理学療法士・作業療法士は残業代がどのように計算されているか知らない方が多いかもしれませんが,社会人としては知っておくべき知識です.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい残業代の計算方法についてご紹介させていただきます.
理学療法士・作業療法士の残業
理学療法士はほかの民間企業の職種と比較すると残業は少ないほうですが,それでも残業はあるものです.
問題なのは,果たしてその残業代の計算が本当に正しく行われているかといった点です.
残業代の計算も所詮は人の仕事ですので,実は計算が誤っていることもあるかもしれません.
ただ理学療法士・作業療法士といのは残業代の計算に関する知識が無い方がほとんどだと思いますので,知らないままに計算が誤っているということもあり得ます.
残業代の種類
まず残業代には法定外残業と法定内残業の2種類があります.
法定外残業というのは,労働基準法で定められた労働時間(原則は1日8時間,1週間で40時間)を超えて行われた労働のことを指します.
一方で法定内残業というのは,会社が定めた所定時間を超え,労働基準法で定められた労働時間以内の範囲で行われた労働のことを指します.
非常に分かりにくい概念ですのでもう少しかみくだいてご説明いたします.
例えば9時から17時までの勤務で,休憩が1時間あるとします.
この場合は会社が定めた労働時間は7時間になります.
これは労働基準法に定められた労働時間(8時間)よりも1時間短い労働時間ということになります.
この場合に,19時まで残業したとすると,17時から18時までは法定内残業,18時から19時までは法定外残業ということになります.
法定外残業と法定内残業は何が違うのか?
簡単に言うと残業代の計算方法が異なります.
法定外残業の場合には労働基準法によって割増賃金の支払い義務が生じます.
計算式としては法定外残業の時間(時間)×1時間あたりの賃金(円)×割増賃金(1.25)となります.
この1.25(25%割増)が労働基準法で定められている割増賃金となります.
法定内残業では,どれだけ残業代を払ってくれるかは勤務している病院の労働契約や就業規則の規定によって決まります.
実際,病院によっては法定内残業と法定外残業が混在しており,法定内残業であっても法定外残業の計算をしている場合も多いと思います.
計算式としては法定内残業時間(時間)×就業規則等で定める1時間あたりの単価(円)となります.
1時間あたりの賃金はいくら?
上でお伝えしたように法定外残業の計算には1時間あたりの賃金が必要です.
この1時間当たりの賃金にも計算方法が存在します.
労働基準法では給料制(時間給・日給・週給等)によって計算が違いますが,理学療法士・作業療法士の場合は月給制が多いと思います.
1時間あたりの賃金の計算方法は月給制の場合には,その金額を月の所定労働時間数で割った金額(1年間における1ヶ月の平均所定労働時間数で割る)となります.
1月の平均所定労働時間=(365-年間所定休日)×1日の所定労働時間÷12
1時間あたりの賃金=月給÷1ヶ月の所定労働時間
こういった計算が必要となります.
わかりやすいように1月の労働日数を21日として計算してみます.
1時間あたりの賃金=月給÷(21×1日の所定労働時間)
こんな感じです.
残業代は何分刻みでつけられる!?
理学療法士・作業療法士が所属する施設によっても残業代を何分刻みでつけるかはさまざまだと思います.
この残業代ですが本当は何分刻みで付けられるのでしょうか?
理学療法士・作業療法士の所属する施設によって30分未満は切り捨てとして付けられないとしている所もありますが,基本的には残業30分刻みは違法です.
労働基準法には,使用者が労働時間を延長し,又は休日に労働させた場合,その時間又はその日の労働については,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならないと書かれております.
したがって労働基準法に定められている労働時間を超えての労働は全額支払わなければならないということです.
つまり理学療法士・作業療法士の所属する病院・施設側は残業代を1分刻みで支払うことになります.
しかし全ての労働者に対して1分刻みで残業代を計算するとなると想像しただけで大変です.
そのため労働基準法では例外規定を定めています.
時間外労働および休日労働,深夜労働の1ヶ月単位の合計について,1時間未満の端数がある場合は、30分未満を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げること.
つまり1ヶ月単位の残業時間において,1時間未満の端数がある場合には30分未満は切り捨て,30分以上は切り上げて計算しても良いということです.
この切り捨てや切り上げが行われている病院・施設も多いと思います.
ただここで重要なのは切り上げもあり得るという点です.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい残業代の計算方法についてご紹介させていただきました.
上述したように残業代は1分刻みで付けることができます.
しかし実際に1分刻みで付けている所は少ないと思います.
皆さんが一度はしたことがある残業についてきちんとした知識を持っておくと,理学療法士・作業療法士が現在勤務している病院で働いていく上ではもちろん,これから転職をしようと思っている人にとっても非常に重要です.
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