気になる登録理学療法士制度とは?

認定・専門・登録理学療法士
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目次

 登録理学療法士プログラムの詳細が明らかに 

日本理学療法士協会第48回定時総会で,生涯学習制度をリニューアルし,新制度の運用が2021年4月より開始されることが発表されました.

生涯学習制度の変更に伴い,認定理学療法士受験者が増えておりますが,これまで新制度に関しては詳細が明らかにされておりませんでしたが,2019年7月26日に登録理学療法士制度の詳細が明らかにされました.

今回はこの登録理学療法士制度についてご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 登録理学療法士制度とは? 

特定の領域で高い専門的能力を備えたものに対する上位資格として認定理学療法士資格があります.

認定理学療法士資格についてはこれまでにもさまざまな記事でご紹介させていただきました.

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この登録理学療法士制度というのは,認定理学療法士までの水準にまでは達していないものの,日進月歩する基本的理学療法の広い領域を実践できる人材(ジェネラリ スト)として日々努力している会員を正当に日本理学療法士協会が評価し学習を支援するために誕生したのが登録理学療法士制度であります.

認定理学療法士は取得していないものの取得に向け生涯学習に取り組んでいる理学療法士であることを証明する資格であると考えることができます.

将来的にはこの登録理学療法士資格が,日本理学療法士協会として社会に保障する認定資格制度とも言えます.

 

この制度の持つさらに重要な意味は日本理学療法士協会として新制度開始時から国民を始め医療・保健・介護関係者や病院経営者などへ登録理学療法士に関する広報に注力する予定です.

理学療法 士の数的充足感が増す現状において,選ばれる理学療法士であるための条件として登録理学療法士資格の有無はクローズアップされるはずです.

これだけ理学療法士が増えたわけですから,ただただ遊んですごしている理学療法士と,休日を返上して研鑽している理学療法士とを差別化したい,事実上の免許更新制みたいな制度を日本理学療法士協会は作りたいわけです.

登録理学療法士の資格は5年での更新制を検討しており,実質的な免許更新制の意 味をも持つことになり得る制度を目指しています.

 

 

 

 

 登録理学療法士取得と更新の流れ 

 

これは登録理学療法士取得と更新の流れです.

日本理学療法士協会へ入会した理学療法士は,前期研修(座学33時間・実地研修48時間),後期研修(座学76.5時間・実地経験6,000時間程度)を履修することで「登録理学療法士」となります.

また「登録理学療法士」となった本会会員は,5年ごとの更新が必要となります.

この5年ごとの更新が必要であるといった点は現行の認定・専門理学療法士制度と同じですね.

今回の発表では詳細は記載されておりませんが,認定・専門理学療法士を取得している理学療法士は2021年以降,登録理学療法士を取得していることになります.

これだけ研修時間が長いですから今年度中に認定理学療法士資格の取得を目指す理学療法士が増えているわけです.

前期研修は無料ですが,後期修了は約10,000円~18,000円ほどの受講費でe-ラーニング・対面研修を通して学習を図るプログラムとなっております.

まず前期研修ですがこれはこれは現行の新人教育プログラムに近い内容だと考えていただくとイメージしやすいと思います.

前期研修ではこれに加えて実地研修が必要となります.

実地研修では自施設での受講と他施設への見学研修での受講が予定されておりますが,実地研修の詳細は明らかにされておりません.

これまでの流れを考えると,認定・専門理学療法士が在籍する施設は自施設での実地研修が可能といったような制度になることが予測されます.

前期研修を終えると研修理学療法士になれるようです.

後期研修はかなりの研修時間がとにかく長く,研修内容も幅広いといった印象です.

e-learningと対面研修といった研修形式+実地研修となっておりますが,対面研修についてはどこまでを都道府県理学療法士会主催で開催するのかは明らかではありません.

都道府県士会主催の研修会は他士会員の参加 も認めることで,相互支援関係を構築するとともに,質の面での切磋琢磨が期待されているようです.

都道府県士会の規模にもよりますが,会員の少ない都道府県士会ではすべての研修を開催することは難しいと思いますので,隣接する都道府県士会やブロック間で研修内容の調整も必要であると考えられます.

また研修会の参加人数が増加すれば,都道府県士会にとっては良質の研修会を提供することで財政基盤の構築になるといった狙いもあるようです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前期研修(研修理学療法士),後期研修(登録理学療法士)の到達目標 

今回の発表では研修理学療法士・登録理学療法士の到達目標についても明らかにされております.

研修理学療法士の目標は,「必要に応じて指導を求めながら基礎的(ベーシック)理学療法を実践できるレベル」とされております.

また登録理学療法士の目標は,「多様な領域で標準的(スタンダード)理学療法を臨床実践でき,学生や後輩を指導できるレベル」とされております.

 

 

 

 

 

今回は登録理学療法士制度についてご紹介させていただきました.

気になる現行の生涯学習制度からの読み替えや,資格の移行については2019年秋頃を目安に確定を目指す方針のようです.

今後も登録理学療法士制度から目が離せませんが,気になるのは他団体(公益財団法人 日本リウマチ財団)の公益財団法人 日本リウマチ財団登録理学療法士・作業療法士と資格名が同一になっている点です.

紛らわしいのでどうにかならないものでしょうか…

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