大きな問題となっている子どもの肥満

運動療法・物理療法
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 大きな問題となっている子どもの肥満 

新聞やマスコミ報道でも最近耳にすることが多くなっているのが子供の肥満の問題です.

肥満症を合併した子供が年齢を重ねればどうなるかは明白ですし,最近では高血圧症や糖尿病を合併した子供まで出てきている状況です.

今回は今後理学療法士の新たな職域の1つになる可能性のある子どもの肥満について考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 貧困が肥満の子どもを作る? 

昔は日本人といえば肥満になりにくい人種として有名でした.

いつの間にこんなに肥満の子どもが増えたのでしょうか?

肥満になるにはいくつか原因がありますが,子どもが肥満になる場合には,悪い生活習慣の連鎖が大きな問題となります.

肥満になりやすい体質が遺伝子やすいというだけではなく,肥満になりやすい生活が連鎖してしまうといった点が大きな問題です.

特に所得が低い親の子どもほど肥満を合併している割合が高く,所得が高い親の子供ほど肥満を合併している割合が低いということは,肥満と貧困に明らかな関連があるわけです.

しかし貧困がどう肥満に結びつくのでしょうか?

ここには無知といった中間因子が介在していることが指摘されております.

つまり貧困な親ほど無知な親が多く,何が健康を害するかを知らないから結果的に肥満に結びついていくというわけです.

親が健康に対して無知であれば当然子供たちも同じような生活を引き継いでしまうわけです.

これは非常に怖いです.

 

 

 

 

 

 

 学校教育が重要 

親の教育を変えるのはなかなか難しいかもしれませんが,学校教育の中で健康教育が行われるべきです.

最近は少しずつ医師や看護師を中心とした医療従事者が小中学校で特別授業を行う機会が増えているようですが,子どもの将来を考えるとこういった教育がもう少し増えていくことが望まれます.

理学療法士もまた例えば不良姿勢や運動の重要性などについて小学校・中学校で教育を行う機会を勝ち取っても良いと思います.

われわれが増える子どもの肥満に対してできることは多くあるはずです.

小学校時代から健康に関する授業を作って,なぜ肥満がまずいのか,どういった原因で肥満になるのかを徹底的に教え込む必要があると思います.

これって国語・算数・社会・理科といった授業よりも大切じゃありませんか?

そんなことは家庭でというのが普通かもしれませんが,それができない家庭があるのであれば,義務教育の中できちんとした知識を持つ権利が子どもにもあるのではないでしょうか?

そこまでいかなくとも体育の中で歩くことの重要性を強調するような教育があっても良いと思いますし,そういったことが義務教育の中で当たり前に行われれば日本人の歩くことに関する意識も変わるのではないでしょうか?

日本の将来にかかわることですので,もう少し子どもの肥満問題に関してさまざまな分野からの介入が行われることを期待します.

 

今回は今後理学療法士の新たな職域の1つになる可能性のある子どもの肥満について考えてみました.

われわれにとっては歩くことの重要性というのは当たり前かもしれませんが,一般の知識のない方にとってはなぜ歩くことが重要なのかについてほとんど理解の無い方も多いわけです.

われわれもまた専門職としてさまざまな形で身体活動量を増やす意義,歩くことも意味を社会に拡げていく必要があるでしょう.

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