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歩くことを国民運動にしてはどうか?
生活習慣病も認知症もうつ病も歩くことで症状が改善するのであれば,どうしてもっと国が歩くことを勧めないのでしょうか?
厚生労働省は健康のための運動に関する指針をいくつか出してはおりますが,ほとんどが一般市民には知られていないのが現状ではないでしょうか?
本当に国民の健康を考えるのであれば,国がもっと強く歩くことを推進すれば良いと思いませんか?
今回はなぜ歩くことが国民運動にならないのかについて考えてみたいと思います.
なぜ健康に害があるとわかっているものを禁止しないのか?
例えばがんも脳卒中も心筋梗塞も認知症も喫煙が原因の1つであることは明らかです.
国民の健康を考えれば,喫煙を完全に禁止すべきだとも考えられますが,一方で喫煙すると健康を害しますと表向きは掲げながらも,喫煙が可能な法的な年齢を18歳に引き下げようといった動きもあります.
これはタバコから得られる税収を増やしたいといった目的のためです.
先進国の中でこれだけ公共の場で喫煙ができる場所が確保されている国も少ないわけですが,なぜ日本では健康に害があるとわかっているタバコが禁じられないのでしょうか?
税収以外にも病気や疾病に罹患する人が減ると医療を受ける人が減少するといった理由が考えられないでしょうか?
仮にもし日本国民全体が喫煙することをやめれば脳卒中はかなり少なくなるでしょう.
そうなると当然ながら理学療法士・作業療法士の仕事もなくなってしまうわけです.
これってどう考えればよいのでしょうか…
国は国民の健康よりも医師会や病院協会に遠慮して健康に害があるタバコを禁じないのではないとも考えられます.
歩くことが国民運動にならないのも同じではないでしょうか?
日本人は世界の製薬企業のかっこうの餌食
本来,日本は気後も穏やかで国土が狭く平野は限られているので歩きやすい国のはずです.
東京などは地下鉄や電車を乗り換えて意識的に歩けば,歩くことを生活に組み込みやすいはずです.
ところが歩かないことを前提に生活をしていることが多く,社会も国民が歩かないことを前提に仕組みを作り,病気になることを前提に介護施設や病院を増やしています.
日本の医療費40兆円のうち8.5兆円が薬剤にかかる費用です.
皆さんが担当されているクライアントの中にも10種類以上服薬をされている方って多くいませんか?
現代では製薬業界はどんどんグローバル化しておりその中で日本は外資系製薬企業にとって完全に狙われた市場になっているのです.
日本のように国民皆保険制度が整っていて,医療費に税金がつぎ込まれ,どんどんと薬を使ってくれる国というのは他にはないのです.
日本はかっこうのマーケットなわけです.
その上,マスメディアが健康番組を次々に放映し,こんな病気があります,こんな症状があったら早めに病院へとCMを打ち立て,医療費はかさむばかりです.
もう少しセルフケアを大切にするような仕組みや制度を作るべきだと思います.
セルフケアの方法としてもっとも単純に実践できて,かつ効果の大きいのが歩くということです.
今回はなぜ歩くことが国民運動にならないのかについて考えてみました.
もし歩くことが国民運動にならない理由が国家戦略であるとすればそれはそれで非常に悲しいですが,少なくともわれわれ理学療法士は歩くことの意義をクライアントや社会にもっと伝えていく必要があると思います.
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