水を飲めばやせるって本当?

運動療法・物理療法
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 水を飲めばやせる? 

水を飲めば代謝が上がり,空腹も軽減されて痩せるなんて話を聞いたことがありませんか?

最近のマスメディアで報道されるダイエット(減量)法というのは偏った物が非常に多いです.

リンゴダイエットとかバナナダイエットとか○○だけを摂取して行うダイエット法はその多くが間違ったものです.

今回は水飲みダイエットについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 水を飲むとやせるのか? 

水を飲むとやせると思っている人は少なくありません.

芸能人をまねて,毎日2リットル以上の水を飲むのを日課にしている人も多いです.

水を飲むのは健康に悪いことではありませんが,水を飲むとやせたり代謝が上がるという話には,残念ながら科学的根拠はありません.

実は水を飲むとやせたり代謝が上がるどころか,食前や食事中の水分の大量摂取はダイエットには不適です.

一番重要なのは水を飲みすぎると咀嚼回数が減るといった点です.

咀嚼回数が減ると脂肪が燃えなくなってしまいます.

咀嚼すると歯の根の部分にある歯根膜が刺激され,頬の筋肉も動きます.

この2つの動きが信号で送られて脳を刺激し,ヒスタミンという物質が分泌されます.

このヒスタミンは,満腹中枢を刺激して食欲を抑制する指令を出す役割があります.

糖質摂取によって血糖値が上がったときにも食欲抑制の指令は出されますが,咀嚼刺激のほうが早く脳に届きますので,咀嚼回数を意識するほうが食べすぎを防止するには効果的です.

さらに過剰な水分摂取をすると,本来燃えるはずの脂肪も燃やせなくなってしまいます.

上述したヒスタミンには交感神経を介して内臓脂肪を刺激・分解する働きがあります.

簡単に言えば内臓脂肪を減少させる働きがあるわけです.

同様に唾液に含まれるホルモンにも脂肪燃焼効果があります.

成長ホルモンは脂肪燃焼の促進,筋肉や骨の強化,代謝コントロール効果など,ダイエット(減量)に有効な作用を持ちます.

一般的には年齢とともに成長ホルモンの分泌は減っていきますので,咀嚼しないとヒスタミンも分泌されず,年齢を重ねるほど唾液分泌量の重要さが増すというわけです.

 

 

 

 

 

 

 消化にとっても良くない 

大量に水分を摂取するのが勧められないのには他にも理由があります.

大量に水分を摂取すると,摂取した食物の消化にかかる時間や負担が増えてしまいます

唾液にはアミラーゼという消化を助ける酵素が含まれています.

唾液に含まれるアミラーゼはデンプンを消化しやすいマルトースという形に分解するのが仕事です.

しかしこの消化酵素は,噛まなければ分泌されませんので,消化に負担がかかってしまいます.

しかも食事中や食事前に水分をたくさんとると胃液などの消化酵素が薄まります.

そのため胃腸での消化に負担がかかり,ためこみ体質の要因となってしまいます.

 

 

 

 

 

 せっかくたくさん飲んでもムダに終わることも 

そもそも水分摂取の方法は飲みものを飲むことだけではありません.

われわれは,飲料・食事そしてエネルギー代謝で生じる代謝水の3つから摂取しています.

食事での水分摂取に着目すると,150gのごはんからはおよそ90ミリリットル,みそ汁1杯からはおよそ200ミリリットル弱の水分を摂取できます.

つまり1食のごはんとみそ汁だけで約300ミリリットルも水分がとれます.

さらに代謝水は1日300ミリリットルほどあり,多くの人が水やお茶やコーヒーからおよそ1.2リットル摂取できます.

したがって余分に水分を摂取しなくても,普通に生活するだけでも,すでに約2.5リットルもの水分がとれるわけです.

もちろん飲みものがだめというわけではありませんが,歯や唾液のパワーを有効活用しながら効率良く体を壊さないようにダイエットを行うことが重要です.

そのため水分を摂取することよりも,咀嚼を意識するほうがダイエットには効果的なのです.

 

 

 

 

 

 

 どのくらい噛めば良いのか? 

理想はひと口20~30回を目安に噛むことです.

10回以下では唾液があまり分泌されませんし,30回以上を目標にすると噛むこと必死になってしまい食事の楽しさを味わえなくなってしまいます.

咀嚼回数を考える上では,調理の方法も重要です.

調理の際に少し素材を大きくカットする,硬めにゆでる,少し硬い食材を加える,食感が異なるものを組み合わせるなど小さな工夫で,噛み応えがアップして,無理なく咀嚼回数を増やせるでしょう.

 

今回は水飲みダイエットについて考えてみました.

効果的だと思っているダイエットが実は逆効果だということもあります.

われわれ理学療法士も正しい知識を持った上でクライアントに適切な指導を行っていきたいものです.

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