舌の位置を変えると発揮できる筋力が向上する?

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 舌の位置を変えると発揮できる筋力が向上する? 

大きな声を出しながら力を入れると強い力が発揮できることはよく知られております.

これはShout効果と呼ばれますが,科学的にも明らかにされており,トレーニングなどにも応用されております.

今回は舌をPalatine Spot(口蓋上部)に当てると,前歯や下歯に当てているときより筋のパフォーマンスが向上したという報告をご紹介させていただきます.

われわれが運動療法を行う場合にも利用できるので是非とも知っておきたいです.

 

 

 

 

 

 

 舌の位置で筋力が変わる 

舌の位置で筋力が変わる.

そんなのウソだよと思われるかもしれませんが,とある研究報告によると舌の位置で筋力が変わることが明らかにされております.

2014年に出たRosa di VicoらのThe acute effect of the tongue position in the mouth on knee isokinetic test performance: a highly surprising pilot studyという論文の中で舌の位置によって筋力が変化することが明らかにされております.

 

 

 

 

 

 

 研究の方法 

この研究では健常男性18名を対象として,舌の位置によって下肢筋のパフォーマンスが変わってくるかについて調査がなされております.

この調査ではテスト前にはアルコールまたはカフェイン含有飲料を24時間飲むことを控えており,4時間絶食させてテストにおける栄養の影響を軽減しております.

さらにこの研究の素晴らしいのは,歯科医によって通常の舌の位置のスクリーニングも受けております.

加えて日内変動の影響を除くために,同時刻にテストが行われており,研究方法としても非常に方法が詳細に規定されております.

筋力測定の前には,自転車エルゴメーターおよび動的ストレッチングがなされております.

筋力の測定には,BIODEX(等速性筋力測定装置)が用いられております.

BIODEXは主にスポーツ選手や運動器疾患のクライアントに古くから用いられる筋力測定機器の1つです.

この研究では,舌の位置を以下の3つに分けております.

 

・舌を前歯に押しつける(MID群)

 

・Palatine Spotと呼ばれる“スポット”に軽く触れる(UP群)

 

・舌を下歯に触れる(LOW群)

 

Palatine Spotは,論文の中ではThe palatine spot is a place in the mouth ceiling in correspondence of the palatine bone between the inter-dental papilla of the upper front teeth and the first fold of the palateと記されておりますが,前歯に当てた舌を上方へ滑らせていって,ゴツゴツしたところを経て,ストンと落ちるツルツルした窪み部分になります.

自分の舌を動かしてみるとよくわかると思います.

 

 

 

 

 

 

 研究結果 

結果ですが舌を前歯や下歯に当てるよりも,舌をスポットの当てている群のほうが筋のパフォーマンス(最大ピークトルク・最大ピークトルク)/体重単位,最大仕事量,平均ピークトルク,加速時間,減速時間などが大幅に改善されております.

つまりPalatine Spotに舌を当てた状態の方が,筋力が強くなっております.

また一般的に0.7以上あれば信頼性が高いと評価される級内相関係数(ICC)も0.952~0.987と再現性の高さも確認されております.

 

 

 

 

 

 

 なぜ筋力が上がるのか? 

Palatine Spotに舌を当てると発揮できる筋力が向上するのでしょうか?

これは推測にはなりますが,1つの要因として頚部の安定性が向上し,これが筋力向上に寄与するものと考えられます.

この論文では三叉神経などの影響があるのではないかと推察されております.

実は舌には頭部の動揺を軽減する役割があることが明らかにされております.

舌の表側の筋肉を使えば舌は上に持ち上がり,裏側の筋肉を使えば下に丸くなります.

舌が上あごを押しているときは,舌の表側の筋肉が収縮します.

そうするとオトガイ舌骨筋が働きます.

論文でいうPalatine Spotに舌を当てることでオトガイ舌骨筋が活動し,頭頚部が安定し,筋力が発揮しやすくなるのだと考えられます.

舌を口蓋上部に当てるだけなので危険性はほぼありませんし,一言伝えるだけでいいんですからお金もかかりません.

術後の疼痛や廃用症候群で筋力を十分に発揮できない場合にもこういった方法で強い力を発揮させることができれば大変有用です.

 

今回は舌をPalatine Spot(口蓋上部)に当てると,前歯や下歯に当てているときより筋のパフォーマンスが向上したという報告をご紹介させていただきました.

私自身も臨床でクライアントに活かしておりますが,クライアントの自覚的にも力が入りやすくなるといった方が多く,非常に有用です.

皆様も日々の臨床に役立てていただければと思います.

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