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2018年12月以降発売のリハビリテーション最新お勧め書籍8選
年末から年始にかけて理学療法・作業療法関連の書籍も多く出版されております.
今回は2018年12月から2019年1月に出版された書籍を中心にご紹介させていただきます.
筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版
世界的名著の原著第3版がようやく完訳されました.
運動器障害における運動・動作分析の「準拠の枠組み」となるべく,900以上のカラーイラストや表とともに理路整然とした記述で説かれている世界的名著の原著第3版の完訳版です.
キネシオロジーというととにかくイラストがわかりやすいのが特徴です.
第3版は最新の研究や知見に沿って全面的に改訂がなされており,中でも「股関節」の記述は充実した内容となっております.
さらに新章として「走行の身体運動学」が追加されております.
加えて各章末に掲載されたQRコードを読み取ることで関連サイトから動画の閲覧も可能となっております.
理学療法管理学
理学療法管理学を広く深く学べるまったく新しいテキストです.
理学療法士の急増により若くして管理職となった理学療法士も多いのではないでしょうか.
また理学療法士養成校においても,「理学療法管理学」が2020年4月から教授されることになりました.
このテキストは初学者でも広く深く学べるようにまとめられており,シラバス例や学習目標を掲載した学びやすい構成となっております.
基本知識だけでなく,臨床実務や疾患別理学療法におけるマネジメントについても解説した充実の内容となっております.
理学療法管理学とな何か,職業倫理,組織運営とマネジメント,職場管理,理学療法業務のマネジメント,教育・研究のマネジメント,諸制度とマネジメントの関わり,疾患別・病期別の理学療法マネジメント,生活期を支援する理学療法マネジメントなど,基礎から応用まで幅広い内容がわかりやすく紹介されております.
会話例とワークで学ぶ 理学療法コミュニケーション論
理学療法士のために”まとめられた,新しくわかりやすいコミュニケーション論テキストです.
理学療法士の視点でコミュニケーションに関してここまで書かれた書籍はとても貴重です.
会話例やプロセスレコードで実践例を提示して,具体的にわかりやすく解説されております.
学生同士,教員と学生,実習指導者と学生,患者・家族と理学療法士など,さまざまな場面に対応した会話例をもとに,コミュニケーションのポイントや実践方法が詳しく説明されております.
神経理学療法学
脳卒中の理学療法を中心に据えた「神経理学療法」のスタンダードテキストです
かなり古くからある書籍ではないかとお思いの方も多いと思いますが,執筆者が大きく変わり内容も一新されております.
理学療法士の養成校で多くの時間が割かれる「脳卒中の理学療法」を重点的に学べるよう編集された初版を引き継ぎ,神経理学療法の最前線の内容も盛り込んでリニューアルされたスタンダードテキストです.
今版からは実際の臨床場面を症例で学べる新たな編も加わり,座学でも実習でも使える教科書となっております.
人工膝関節全置換術の理学療法 明日の臨床を変えるArt & Science
膝関節と言えばこのお2人ですよね.
山田英司(岡山専門職大学設置準備室)先生と井野拓実(北海道科学大学保健医療学部)先生が編集を務められた一冊です.
今日の理学療法は効率化し,短期間での結果が求められておりますがが,理学療法士には動作の可否だけでなく,質的な機能向上を重視することなど,役割の再考が必要とされております.
この書籍は,重度膝OA唯一の根本治療として,益々施行数が増えていくとされるTKA術前・周術期・術後の理学療法技術が解説されております.
TKAにまつわる最新のエビデンスと臨床実践のためのポイントが紹介されており,より良い理学療法を提供するために必読の内容となっております.
膝関節運動療法の臨床技術
関東労災病院中央リハビリテーション部の今屋健先生が編集を務められた書籍です.
膝関節を専門とする理学療法士の著者により,運動療法の基礎から教科書には載っていない細かな治療のコツとピットフォールまでを紹介した臨床に即した一冊です.
前半の機能解剖と臨床的膝タイプの見極めの章では,日々の臨床の確固たる土台になる大切な知識が含まれており,後半のスペシャルテストと運動療法の章は,今屋先生が積み重ねてきた技術・技法のエッセンスであり,臨床結果として大きな治療効果・患者満足度を導くことができる情報が凝縮されております.
身体障害作業療法学1 骨関節・神経疾患編
身障分野で勤務する作業療法士にお勧めの一冊です.
骨折や関節リウマチ,脳卒中,脊髄損傷など,作業療法の対象としてよく出会う疾患を厳選し,丁寧に解説がなされております.
イラスト・写真も豊富で,これ一冊で現場に出ても困らない知識が身につきます.
また症例から学ぶケーススタディもついておりますのでより実践的な学びを得ることができます.
身体障害作業療法学2 内部疾患編
重要度が高まる内部疾患の作業療法が一冊に集約されております.
私が知る限り,作業療法の視点で内部障害疾患に関してここまで記述された一冊は無かった気がします.
内部障害のスペシャリストを目指す作業療法士の方は一読の価値ありです.
吸引などの基礎知識や,糖尿病,がんといった疾患に対する理解が,豊富なイラスト・写真でしっかり深まります.
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