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理学療法士・作業療法士も注意したい論理の飛躍
最近は積極的に学会発表をしたり論文執筆をする理学療法士・作業療法士も増えていますね.
理学療法士・作業療法士の学会発表や論文で多いのが論理の飛躍です.
結果から結論付けることが難しいような考察をしている理学療法士・作業療法士も多いですよね.
今回は理学療法士・作業療法士も注意したい論理の飛躍について考えてみたいと思います.
N=1の一般化
理学療法士・作業療法士の場合には学会発表で症例報告をすることって多いと思います.
また症例報告を論文として取りまとめるということも少なくありません.
症例報告というのは理学療法士・作業療法士にとっては自身の臨床の過程を振り返るうえでも大きな意味があるわけですが,一方で結果の一般化には注意が必要です.
症例報告の結果というのはあくまでその症例だけで起こった事象です.
そのためその症例報告の結果が他の症例に当てはまるかどうかはわかりません.
理学療法士・作業療法士の場合にはN=1をあまりにも一般化したような発表が多く,1例だけだとそこまで言えませんよといった発表は多いです.
キャリアバイアス
理学療法士・作業療法士の場合にはなんとなく経験年数が上の人が言っていることが正しいなんて風潮があります.
また技師長や主任が言っていることが正しいみたいな風潮もありますよね.
ただ社会的地位や経験年数で意見を妄信してしまうのは危険です.
上司が言っていることでも科学的には間違っているなんてことは大いにありますし,経験年数なんて何の参考にもなりません.
学会や論文で議論する際にはそれぞれの社会的地位や経験年数といった立場を忘れることが肝要です.
キャリアバイアスほど無駄なものはありません.
多数派エビデンス
これも多いですね.
主張数の多さで正しさを判断するパターンです.
日本は民主主義国家なので特にこの多数派エビデンスの傾向が強いです.
ただみんなが言っているから正しいといった考え方は危険です.
○○手技にどっぷりつかった職場ではいまだに痙縮に対して筋力トレーニングを行わないなんていう昭和のやり方が継続されていることが多いでしょう.
多数派エビデンスは宗教的思想への入り口だったりもしますので,主張数の多さで正しさを判断するのはやめた方が良いです.
一般論の妄信
理学療法士・作業療法士の業界ではこれもとても多いです.
昔からこう言われていてよくわからないけど当たり前になってしまっていることってたくさんあります.
そのため数年でパラダイムがガラッと変わるなんてこともけっこうあります.
長下肢装具療法なんかがその一例だと思います.
証明もされていないことが教科書にも記述されていたりして正しいとされているわけです.
教科書に書いてあることはすべて正しいなんて考えるのはやめた方が良いですね.
証明されていることと証明されていないことがあることを知っておいた方が良いでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士も注意したい論理の飛躍について考えてみました.
理学療法士・作業療法士の皆様も論理の飛躍には注意しましょう.