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理学療法士・作業療法士が働きながら大学院に通うのは何が大変か?
最近は大学院に進学する理学療法士・作業療法士が増えています.
大学院へ進学して自分を磨くことには私は意味があると考えておりますが,実際に大学院に進学するとなると大変なことも多いです.
今回は理学療法士・作業療法士が大学院へ進学するのは何が大変かを考えてみたいと思います.
身体的負担 時間に余裕がない
まず1つ目は時間的余裕のなさです.
修了要件を満たすだけの単位の取得が必要になりますが,それなりに時間もかかります.
日中の理学療法士・作業療法士としての仕事を終えてから大学へ移動して授業を受け,ゼミのある日は,夜遅くまでほかのゼミ生や教授,教員の方々と自分の研究についてプレゼンを行ってディスカッションをします.
夜帰宅して翌日朝には出勤という過酷な日々を過ごすことになります.
仕事が休みの日であっても,学会発表の準備や論文作成と自分の余暇の時間が取れなくなることが多いでしょう.
金銭的負担 学費がそれなりにかかる
2つ目は金銭面の問題です.
国公立大学院でも年間80万円程度,私立大学院にもなると100万円以上の学費がかかってしまいます.
もちろん所属する病院や施設から補助が出るなんてことはマレでしょう.
理学療法士・作業療法士の給料を考えると,この学費をどこから捻出するかというのが大きな問題となることが多いでしょう.
精神的負担 職場のスタッフに負担をかけてしまう
3つ目は理学療法士・作業療法士としての仕事面の問題です.
大学院の授業に出席するために残業できない日があったり,昼間に授業がある日は仕事を休む必要があります.
そのため職場のスタッフにも負担をかけてしまうことになります.
場合によっては担当するクライアントに迷惑がかかってしまうこともあるでしょう.
こうなると身体的・金銭的な負担に加えて精神的な負担も大きくなります.
仕事と大学院を両立するためには?
では理学療法士・作業療法士が仕事と大学院進学を両立するためにはどうすればよいでしょうか?
仕事と大学院を両立させるためには,以下の3つが必要だと思います.
動機を明確に
なぜ自分が大学院に進学したいのかといった動機を明確にすることが大事です.
軽い気持ちでなんとなく進学するといった心構えでは上記の負担が大きすぎるからです.
しっかりとした動機や目的があれば上述したような負担を乗り越えて,モチベーションを維持することができるでしょう.
事前面談を実施する
また重要なのが事前面談で大学院生活のイメージをすることです.
必ず出願する前に,入学後の研究などについて,あらかじめ指導を受けようとする研究領域の教授や教員と直接会って相談しましょう.大学院に入学後,自分が学びたいと思っていることと,指導教員が研究していることがマッチしているのかを確認することで,入学後の研究計画をよりスムーズに進めることができます.
もし指導教員と研究領域が合わなかった場合でも,より適切な指導教員を紹介してもらうなどの相談に応じてくださる場合もあります.
大学院の学費や授業の形態,カリキュラムを確認
また費用面の確認も必須です.
場合によっては奨学金の貸与も必要でしょう.
さらに大学院よっては通信制の大学院もあります.
最近は1年で修士課程を終えることができる大学院もあります.
コロナ禍に入ってから授業の一部をweb上で行っていたり,e-learningで単位を取得できる講義を採用している大学も増えましたので,このあたりをうまく活用できれば移動時間を短縮でき,身体的な負担を軽減することが出来ます.
職場との調整
一番重要なのは職場との調整です.
働きながら大学院に通う場合には,職場と条件を交渉してから入学に向けたアクションを起こすことが勧められます.
残業ができなかったり,時間的余裕のなさから職場の周りのスタッフに負担をかけてしまうことは少なからずあります.
職場内である程度の立場にあれば問題無いことも多いですが,若い理学療法士・作業療法士であれば必ず上司へ事前に相談しておいた方が周囲のサポートを得やすくなるでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士が大学院へ進学するのは何が大変かを考えてみました.
仕事と大学院の両立というのは簡単なことではありませんが,せっかく進学するのであれば全力で仕事と学業の両立を楽しみたいですよね.