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学会・研修会参加は登録・認定・専門理学療法士更新の単位・ポイント稼ぎ?
日本理学療法士協会の新生涯学習制度がはじまってから約半年が経過しようとしています.
また感染拡大が続いている状況でありオンラインでの学会・研修会開催が多い状況が続いております.
こういったオンラインでの学会・研修会開催が増えていることもあって学会や研修会への参加が単なる単位・ポイント稼ぎになってしまっていることが多いのではないでしょうか?
これってどうなのでしょうか?
今回は学会・研修会参加は登録・認定・専門理学療法士更新の単位・ポイント稼ぎになってしまっている件について考えてみたいと思います.
単位・ポイントのために学会・研修会へ参加
これは完全に私の印象でしかありませんが新生涯学習制度になってから単位やポイント更新のための学会・研修会参加の方が増えていると思います.
登録理学療法士,認定理学療法士,専門理学療法士の更新のためには5年間で一定の単位とポイントを取得する必要があります.
特に今年度は制度が開始となった初年度もあり,ポイントや単位を取得しないといけないといった焦りからかポイント稼ぎに走る理学療法士も多い印象です.
コスパで参加する学会・研修会を選択する?
正直なところ登録理学療法士,認定理学療法士,専門理学療法士の更新のために必要な費用もばかになりません.
オンラインとはいえ研修費は必要ですので,積み重ねるとかなりの額になります.
特に複数の認定理学療法士,専門理学療法士資格を更新するためにはかなりのポイントを取得する必要がありますからね.
そうなると重要となるのがコストパフォーマンスです.
つまり〇円で〇ポイント取得できるかが重要となります.
学会や研修会の内容はおいておいて1000円で3ポイント取得できる研修会よりも1000円で10ポイント取得できる学会への参加を選択するといったような方が多くなってしまうのではないでしょうか?
分科学会は参加費もそれなりですが地方学会となると参加費も比較的安価でかつ時間数が長いので多くのポイントを取得できるといった場合が多いです.
学会が狙い目?
研修会では参加・受講を確認するために常に顔出しをさせるような研修会もあるようですが,学会の場合には基本的にはそういったところは少ないです.
聞きたい講演や演題だけを受講すれば学会の全ての時間を聴講したのと同じポイントが取得できます.
そのうえ,地方学会の場合には受講費も安いので,コスパだけを考えるのであれば地方学会が狙い目と言えるでしょう.
対面学会では200名の参加も無かったような地方学会に県外から多数の受講申し込みがあるといった怪奇現象がすでに起こっているわけです.
ポイント制の弊害
こういったポイント制というのは医師会や看護協会でも行われておりますし,日本理学療法士協会における従来の生涯学習制度でもこういったポイント制度で運用がなされてきました.
ただオンラインになってポイント制度の悪い面が加速している点も否めません.
特に登録理学療法士制度の場合には領域が重複すると単位にならないなどというわけのわからない縛りもあって,学びたいことを学ぶ,学ぶべき子をと学ぶ制度になっているとは言えないのが現在の生涯学習制度だと思います.
受講者は意思に反して受けざるを得ない研修会や学会に受身的に参加するということになると思いますので,学びの本質から考えるとどこまで意味があるのだろうかと思ってしまいます.
今回は学会・研修会参加は登録・認定・専門理学療法士更新の単位・ポイント稼ぎになってしまっている件について考えてみました.
ポイントや単位取得に焦る気持ちは理解できなくはないですが,理学療法士の皆様も学びの本質を見失うことの無いようにしたいですね.