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理学療法士・作業療法士がよく相談を受ける病院食がまずい問題
理学療法士・作業療法士はクライアントに対してマンツーマンで一定の時間接することが多いのでクライアントからさまざまな悩みを相談されます.
身体的な接触を通じて比較的信頼関係を構築しやすい職種であると言えるでしょう.
クライアントの入院中の悩みの1つとして病院食が美味しくないといった相談って多くありませんか?
今回は理学療法士・作業療法士がよく相談を受ける病院食がまずい問題について考えてみたいと思います.
なぜ病院食は美味しくないのか?
なぜ病院食は美味しくないのでしょうか?
ここではクライアントが病院食が美味しくないと感じる原因を挙げてみたいと思います.
①味が薄い
病院食の味が薄い問題は入院を経験したことの無い理学療法士・作業療法士であっても耳にしたことが多いと思います.
病院食の塩分量は,厚生労働省が定めている食事摂取基準に準じていることが多く,1日8.0gがベースとなっております.
治療内容によっては,もっと塩分が少なく設定されている方もいらっしゃるでしょう.
また2015年から病院食におけるナトリウム(食塩相当量)について,高血圧予防の観点から男女とも値を低めに変更するように厚生労働省から通達が出されており,病院食は以前よりもさらに味が薄くなっている状況です.
基本的には以下のような食塩相当量が目安となります.
18歳以上男性:2010年版 9.0g/日未満 → 2015年版 8.0g/日未満
18歳以上女性:2010年版 7.5g/日未満 → 2015年版 7.0g/日未満
引用:厚生労働省〜「日本人の食事摂取基準」(2015年版)〜
8.0gの塩分はどの程度なのか?
それでは具体的に8.0gの塩分ってどのくらいの量になるのでしょうか?
分かりやすいところで言えばマクドナルドのてりやきマックバーガーの場合には,食塩相当量は2.1gに相当します.
またマクドナルドのマックフライポテトの場合には食塩相当量が1.1gに相当します.
昼食にてりやきマックバーガーとマックフライポテトを食せば朝と夜の塩分摂取量がかなり少なくなることは想像がつくと思います.
普段は一食でかなりの塩分を摂取していることがわかります.
外食はもちろんですが,自炊をしていても味の濃い食事を摂りがちなのです.
そんな濃い味付けに慣れている私たちが病院食を美味しいと感じるはずが無いわけです.
②おかずが少なくご飯が多い
理学療法士・作業療法士の皆様もクライアントからこんな話を耳にしたことがありませんか?
「ご飯が多いので半量にしてもらった」
個人差もありますが病院食ってお米の量がとにかく多いです.
味が薄く量が少ないおかずに対して,食べられるお米の量じゃ無いことが多いと思います.
③環境の問題
また病院食の場合には食事を食べる時の環境にも問題があります.
例えば大部屋の場合,隣に入院しているクライアントがオムツ交換が必要なお隣さんだったらどうでしょうか?
ポータブルトイレを使用して室内で排泄していたらどうでしょうか?
なんとなく食欲も失せてしまいますよね.
在院日数を短縮するためにまずい食事を出している?
場合によっては病院側が在院日数を短縮するために美味しくない食事を出しているのではないかなんて言い出すクライアントもいらっしゃいます.
そんなことはないのですが…
確かに食事って入院中の少ない楽しみの1つだと思いますが,それが美味しくないって絶望的ですよね…
栄養不良でリハビリも進まない?
最近はリハビリテーション栄養の概念が普及して,リハビリテーションを進めるうえで栄養管理が重要であることを知らない理学療法士・作業療法士はいないと思います.
十分に食事摂取ができないために運動負荷を加えることが難しいケースも少なくありませんし,本当にリハビリテーション専門職としては困ってしまいます.
理学療法士・作業療法士はどのように対処すべきか?
理学療法士・作業療法士がクライアントから食事の相談をされたらどうすればよいのでしょうか?
理学療法士・作業療法士の専門性を考えれば直接的に食事内容に関してどうこうすることは難しいですよね.
理学療法士・作業療法士がクライアントから食事の相談をされた場合には以下のような対策が考えられます.
栄養状態を評価
栄養状態に応じて運動負荷量を調節
看護師や主治医に提言
こんなところでしょうかね.
今回は理学療法士・作業療法士がよく相談を受ける病院食がまずい問題について考えてみました.
理学療法士・作業療法士としてクライアントから必ずといってよいほど受ける食事がまずい問題ですが,理学療法士・作業療法士としてどう対処すべきかを考える必要がありますね.