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学会あるある 素人質問で恐縮ですが…
理学療法士・作業療法士の皆様も学会でこんなフレーズを聞いたことありませんか?
「素人質問で恐縮ですが…」
あんなベテランっぽい理学療法士・作業療法士が「素人?」なんて思ってしまったご経験があるのではないでしょうか?
今回は学会における「素人質問で恐縮ですが…」といった表現について考えてみたいと思います.
「素人質問で恐縮ですが」の意味するところは?
「素人質問で恐縮ですが」といったフレーズは,主に学会などの発表・議論の場で使われる枕詞です.
字面通りの意味の場合もありますが,多くは本当に素人どころか大学教授やベテラン理学療法士・作業療法士が「新人理学療法士・作業療法士でも分かるような質問ですが」とマウントを取り,ミスや問題点を非常に遠まわしに指摘する場合が多いです.
そのためこの言葉が発せられた瞬間,発表者が凍り付いてしまう魔法の言葉でもあります.
素人の質問だから簡単に答えられる?
発表を経験したことのある理学療法士・作業療法士であれば緊張マックスのプレゼンテーションの場で,どんな質問であっても適切な回答をするというのは難易度が高いことだというのは実感されていると思います.
素人の質問だから簡単に答えられるなんてことはほとんどありません.
それどころかこの枕詞の後に続く質問は大体が発表者にクリティカルに刺さりやすいものであり,質疑応答を終えた理学療法士・作業療法士は大ダメージを受けて戦闘不能となっている場合もあります.
したがってこの枕詞を耳にしたらまずはしっかりと構えて戦闘態勢に入る必要があります.
理学療法士・作業療法士の学会発表における質問者ってやっぱりある程度の経験を持った理学療法士・作業療法士か大学・専門学校教員が多いので,発表者の理学療法士・作業療法士からすれば「いやあなた全然素人じゃないでしょ」とツッコみたくなるかもしれません.
質問者が謙遜している場合も
一方で質問者が謙遜して「素人質問で恐縮ですが」といったフレーズを用いていることもあります.
最近は理学療法士・作業療法士の研究もかなり分化しておりますので,領域によってはあまり知識がないといった場合も多いと思います.
いくら大学教授であっても,20年を超える理学療法士・作業療法士としての経験があってもある領域では全くの素人ということも十分にあり得るでしょう.
また全く素人でない場合であっても,謙遜の意味でこういった表現が用いられる場合もあります.
国際学会でも…
実はこういった「素人質問で恐縮ですが」といったフレーズは本邦のみならず国際学会でも多用されます.
「I think this is a stupid question but…」
「I’m not an expert…」
英語表現だとこんな枕詞が多用されます.
日本における慣習的なものということでもないようです.
今回は学会における「素人質問で恐縮ですが…」といった表現について考えてみました.
質問者が「素人質問で恐縮ですが…」といってきたらその意図を理解する必要がありますし,まずは簡単な質問が来るとは思わずに,戦闘態勢に入れるように構えましょう.