第57回理学療法士・作業療法士国家試験は不適切問題が多すぎた

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第57回理学療法士・作業療法士国家試験は不適切問題が多すぎた

先日,第57回理学療法士・作業療法士国家試験の合格発表が行われました.

合格率は80%前後でしたが,合格率以上に気になったのが不適切問題の多さです.

今回は第57回理学療法士・作業療法士国家試験は不適切問題が多すぎた件について考えてみたいと思います.

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不適切問題って何?

まず整理しておきたいのが不適切問題の定義です.

例えば解答を1つ選ぶべき問題なのに答えが2つ選べてしまうといったのが不適切問題です.

こういった場合にどういった対応がなされるかですが,「1のみが正解であったが2を選んだものも正解とする」「採点対象から除外する」というような対応がなされます.

また,問題として成立はしてもその内容が難しすぎる場合,「問題として適切であるが,必修問題として妥当でない」として,正解した受験生については採点対象に含め,不正解の受験生についてのみ採点対象から除外されるなど,さまざまな対応がなされます.

こうした問題は例年数問ほど生じますが,もちろん試験本番中に受験生が知ることはありません.

ここ最近の国家試験の傾向を見ると,例年5問前後の不適切問題がある場合が多いです.

 

 

 

 

 

 

 

第57回理学療法士・作業療法士国家試験不適切問題

第57回理学療法士・作業療法士国家試験不適切問題ですが,

理学療法士国家試験で12問

作業療法士国家試験で9問

と非常に多い結果でした.

理学療法士・作業療法士と合わせて15問というのは多すぎです.

点数にすると不適切問題が8点分もあるというのはどうなのでしょうか?

おそらく私が知る限り過去一番のレベルで不適切問題多かったということになります.

理学療法士の場合には不適切12問というのは6%が不適切問題だったということになります.

これは完全に問題作成者の不手際と言えるでしょう.

 

 

 

 

 

 

 

なぜ不適切問題が多かったのか?

第57回理学療法士・作業療法士国家試験ではなぜこんなにも不適切問題が多かったのでしょうか?

考えられることとしてはまずこれまでよりも傾向が大きく変わったといった点が挙げられます.

傾向の異なる問題を出題したものの,意味の取り方によっては回答が複数考えられる問題が多かったのが不適切問題が多かった原因と考えられます.

また実地問題での不適切問題が多かった点を考えると,時代とともに理学療法や作業療法におけるさまざまな問題というのがより複雑になってきているといった点も原因ではないかと考えられます.

 

 

 

 

 

 

 

 

不適切問題に助けられた受験者も

不適切問題の中でも本来1つのはずの解答が複数考えられる場合には,結果的に合格者は増えるはずです.

例えば出題者は「1」を選んだものを正解とするとしていたとします.

しかし実際には「2」も「3」も正解と判断できるので,1・2・3のいずれかを選んだ人をすべて正解としましょうということになります.

こういった問題が増えれば,解答速報で点数の届かなかった方の点数が積み増しされる可能性が出てきて,結果的に合格に達することになる場合があります.

一方で除外問題が増える場合には,非常に困ったことが起こります.

除外問題の対象となるのは解答を抽出できないような問題です.

このような問題はなかったものとして扱われますので,理学療法士・作業療法士国家試験の合計点の母数が減らされるわけです.

例えば280点満点が279点満点になるということになります.

仮に除外問題に指定された問題を解答者が出題者の用意した答えを選んでなかった場合,間違いが取り消されることになります.しかし同時に母数も減ってしまいますので恩恵は小さいと言えます.

除外問題が厄介な点は,解答者が出題者の用意した答えを選んでいた場合です.

合計点の母数が減る代わりに正解も取り消しになってしまいます.

何が言いたいのかといいますと不適切問題がたくさん抽出され,除外問題の恩恵を受けることになれば,ぎりぎり不合格点だった人も合格点にかろうじて乗る場合があるということです.

今回も結果的に合格点が164点になったため不適切問題に助けられた受験者も一定数いたということになります.

 

今回は第57回理学療法士・作業療法士国家試験は不適切問題が多すぎた件について考えてみたいと思います.

国家試験を受験された方,大変お疲れさまでした.

不適切問題のおかげでなんとか合格というかたもいらっしゃったのではないでしょうか?

来年以降はできるだけ不適切問題が少なくなるように取り組んでいただきたいものです.

 

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