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理学療法士は改善可能なものと改善困難なものをきちんと区別すべき
理学療法士って何でも自分の徒手療法で改善できるなんて考えている方って多いですよね?
「治せなかったら治療者として失格」なんて考え方をされる理学療法士が多いのも実際です.
ただ実際には医学的に考えて改善困難な障害が存在するのも事実です.
今回は理学療法士は改善可能なものと改善困難なものをきちんと区別すべきだというお話です.
改善困難な病態を見極めることが重要
理学療法士が行う運動療法や徒手療法は万能ではありません.
場合によっては運動療法や徒手療法が適応にならない場合もありますし,運動療法が禁忌の場合だってあります.
むしろ運動療法や徒手療法で改善する障害なんていうのは全体から見ればほんの一部です.
何でもかんでも運動療法や徒手療法で治せないのは理学療法士の責任なんて考えるのは危険です.
癒着をはがす●●リリースなんて言うのは良い例です.
理学療法士が言うところのリリースで改善する病態というのは真の癒着ではないことがほとんどでしょう.
研修会等では…
研修会等ではどこかのお偉い理学療法士が誇張してセミナーを行っていることが多いですよね
治せないと負け,君らの職場の先輩理学療法士はだめだねなんてことを堂々と話す講師も多いですよね.
これってよくもわからない新人理学療法士だったら勘違いしちゃいますよね.
運動療法や徒手療法で何でも改善できるみたいな発言をする講師がいたらまず疑った方がよいです.
そんな簡単な話ではありません.
研修会の講師も商売ですからやっぱり誇張して参加者をひきつけるような戦略を取らざるを得ないのでしょう.
テレビCMでやってるサプリメントの広告といっしょですよね.
治らないのはクライアントのせいとあきらめるのも問題
一方で改善する病態か改善が困難な病態かを適切に判断することもせずに,何でもかんでも改善しないのをクライアントのせいにしてしまっている理学療法士も少なくありません.
これもまた大きな問題です.
適切な評価,アセスメントをおろそかにして,ハナから認知症があるからとか高齢だからといった理由で投げ出しているケースです.
これははいただけません.
理学療法の分野では治るものと治らないものが曖昧なこと多い
ただ理学療法分野の場合には改善する病態と改善しない病態とが曖昧なのも実際です.
結局理学療法士個々人の差が出るのってこの中間的な対象層だと思うんですよね.
誰がやったって良くなるクライアントもいますし,誰がやったって良くならないクライアントが実際だと思います.
この中間的な部分,つまり有能な理学療法士が対峙すれば改善する症例をきちんと改善させることが重要だと思います.
今回は理学療法士は改善可能なものと改善困難なものをきちんと区別すべきだというお話でした.
改善可能な病態かどうかを見極めたうえで場合によっては適切な代償手段を構築するために支援するというのも理学療法士の役割でしょうね.
結局は病態をうまく見極められるかどうかが勝負となりそうですね.