目次
理学療法士・作業療法士は学術研究の考察に何を書けばいいの?
最近は学術研究に取り組む理学療法士・作業療法士も多いですね.
学会発表や論文投稿の際にけっこう時間がかかるのが考察の部分です.
考察って何を書けばよいのか迷ってしまいますし,案外難しいです.
学会発表なんかを聞いていると考察が考察になっていない発表もけっこうあります.
理学療法士・作業療法士は学術研究の考察に何を書けばいいのかについて考えてみたいと思います.
考察が考察になっていない
理学療法士・作業療法士の学会発表でよく見かけるのは考察が考察になっていないパターンです.
考察ですから自分の考えを述べる必要がありますが,まったく考えが含まれていない考察もけっこうあります.
例えばこんな研究の流れってありますよね?
目的
本研究ではAとBの関連性を明らかにすることを目的とした.
結果
AとBには有意な関連性を認めた.
考察
本研究結果からAはBと関連すると考えられた.
これってどうでしょうか?
考察が考察になっていませんよね?
ただ相関があったという事実を並べただけですよね.
これでは考察ではありません.
考察には何を書くの?
今回の例でいえば考察にはなぜAがBと関連するのかを記述する必要があります.
もちろんなぜ関連するのかといった部分はあくまで憶測の域を出ない場合も多いでしょうから,先行研究も参照しながらなぜAがBと関連するのかを理論的に説明することが重要となります.
ここが論拠のない考察となるといわゆる論理の飛躍として指摘を受けることになるでしょう.
文献からの裏付けが重要になるわけですね.
考察というのは結果の意味付け
考察というのは基本的には結果の意味付けをする項です
先行研究や運動学・解剖学・生理学といった基礎的な学問体系をベースとして今回の研究結果がなぜ起こったのかを考えることが重要です.
考察なのにまったく考えられていない考察って多いですからね.
考察を見れば臨床能力がわかる
研究スキルは高いのかもしれませんが臨床のスキルはどうなんだろうなんて理学療法士・作業療法士っていると思います.
研究発表の中の考察を見ればある程度,発表者の臨床のスキルを推し量ることができます.
もちろん論理の飛躍はNGですがこの考察が論理的に記述されていると論文を読んでいてもなんだかワクワクしますよね?
「どうして」を常に考える?
考察を記述する場合には,「どうして」を常に考えることが重要です.
「どうしてAがBに関連するのか?」,「AとCは関連しないのにどうしてAがBと関連するのか?」といったように子供が「どうして」と聞くように「どうして」を繰り返して考えていくことが重要です.
このどうしてを考えていくと研究発表としての質が向上することはもちろんですが,理学療法士・作業療法士としての臨床スキルが向上すること間違いなしです.
今回は理学療法士・作業療法士は学術研究の考察に何を書けばいいのかについて考えてみました.
皆様も研究発表の考察を記述する際の参考にしてみてください.