目次
2022年度診療報酬改定でリハビリテーション実施計画書の基準が緩和される?
中央社会保険医療協議会は17日の総会で,2022年度の診療報酬改定に向けてリハビリテーションへの評価について議論がなされました.
リハビリテーション実施計画書と言えば理学療法士・作業療法士が作成する書類の代表的なもので,間接業務の多くの時間を取られる書類であります.
今回はこのリハビリテーション実施計画書の作成基準が緩和されるかもしれないといった話です.
リハビリテーション実施計画書作成のルール
まず確認ですがリハビリテーション実施計画書作成時には基本的なルールがあります.
これは理学療法士・作業療法士であれば皆様ご存じだと思います.
こういったルールですね.
今回指摘された事項
今回の中医協では以下のような指摘がなされました.
コロナ禍で書類作成のハードルがかなり上がった
コロナ禍に入ってからというものリハビリテーション実施計画書作成のハードルというのはかなり上がりましたよね.
特にコロナ禍で家族の面会や県外移動が制限される中で,ご本人が署名が困難な場合にいかにしてご家族に実施計画書の署名をいただくかというのは難しい問題でした.
郵送して,署名をいただくなんてケースもありました.
こうなると書類作成に際してかなり煩雑な手続きが必要となり,大変なご苦労をされた理学療法士・作業療法士の方も多かったのではないでしょうか?
リハの質を上げたいなら要件の緩和を
中医協で常に課題とされているのはリハビリテーションの質の向上です.
これまで国はリハビリテーションの質を向上させるといった名目でさまざまな書類作成を義務付けてきました.
しかしながらこういった書類の作成でリハビリテーションの質が向上するわけもありません.
評価項目が増えるということは結局は作成する書類が増えるだけです.
作成する書類が増えても,勤務先は取得単位数のノルマを変えることはありません.
結局のところ理学療法士・作業療法士は業務量が増え,多忙化し,働き方改革の影響もあって残業を減らすためには,クライアント1人あたりの対応時間を減らすということにもなりかねません.
今年度はリハビリテーションの実施時間に関する不正がマスコミ報道でも多く取り上げられました.
リハビリ関連の書類を増やすことがむしろリハビリテーションの質の低下を引き起こすということをそろそろ厚生労働省にも理解していただきたいものです.
今回はリハビリテーション実施計画書の作成基準が緩和されるかもしれないといったお話でした.
これからまだどうなるかわかりませんが,作成基準が緩和されることを祈りたいですね.