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2021年度上半期に発売されたお勧め理学療法関連書籍8選
2021年度も半分が終わりましたね.
2021年度に入ってからも理学療法関連の書籍が多く発売されております.
最近は発刊される理学療法関連の書籍も多いので,把握するのが大変です.
私も月1回は本屋で関連書籍をリサーチしております.
今回は2021年上半期発売の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきます.
こんなときどうする!? 整形外科術後リハビリテーションのすすめかた
整形外科領域のリハビリテーションを担うセラピストに馴染みの深い代表的な疾患について,術後のリハビリテーションにスポットを当てた一冊です.
各疾患についての機能解剖学的な知識や手術の方法を含め,術前評価から始まり,退院後のホームエクササイズに至るまで時系列に沿って多角的に解説されております.
また多くの理学療法士・作業療法士が持つ悩みをよくわかっている臨床経験豊富な執筆陣によって,臨床で誰しもが一度は遭遇するであろう“こんなときどうする!?”をピックアップされ,具体的な解決策が提示されております.
この書籍を読めば術後リハビリテーションの臨床場面で起こるどんなイレギュラーにももう慌てずにすみますね.
僕らはまだ、臨床研究論文の本当の読み方を知らない。論文をどう読んでどう考えるか
理学療法士・作業療法士の皆様もこんな経験ってありませんか?
どこまで論文を深く読めばいいのかわからない
人によって論文の読み方が違っていてどうすればいいのだろう
研究デザインや統計学の本を読んだけど実際の論文は読めない
統計解析の部分は飛ばしているけど何をしているか知りたい
理学療法士・作業療法士であれば誰もが一度はこのように思ったことがあるはずですよね.
実は「臨床研究論文の唯一の正しい読み方」というのはありません.
読み手がそれぞれののレベルで理解し,それぞれの立ち位置なりの読み方をしています.
「本当の読み方」という答えがないなかで,この書籍では「臨床研究論文を解釈するために,どこまで考えて読めばいいのか」の道筋が示されております.
バイアスの具体的な解釈,応用的な研究デザイン・統計解析の話は出てきません.
しかしながらこの書籍を読むことで断片的になりがちな知識が繋がり,臨床研究論文をどのように捉えればいいかが見えてきます.
Fasciaの評価と治療 解剖・動作・エコーで導くFasciaリリースの基本と臨床
近年,疼痛性疾患の治療ターゲットとしてfasciaが注目されております.
解剖学・動作分析・エコー技術を基にfasciaハイドロリリースを解説した初版はこの分野の定番書となりました.
今回,新たなエビデンス&臨床実践に基づき改訂.fasciaの基礎と臨床について,圧倒的な情報の質と量で一冊に集約されました.
単に局所治療を学ぶに止まらず,fasciaハイドロリリースの命名・歴史から,東洋医学との関連,fasciaに着目した病態の再考,評価,手技,Q&A,治療が上手くいかない場合の対応までわかります.
特に「手技」について大幅加筆され,難易度を示しつつ部位別に網羅されております.
また,「fascia理解のために特化した動画・カラー解剖図・表・エコー写真」は総数400点を超えます.
この一冊により,初学者であっても,あらゆる疼痛診療でハイドロリリースを安全・確実に実践できる.痛みに向き合う全ての臨床家の診療スキルが向上するものと思われます.
作業で紡ぐ上肢機能アプローチ―作業療法における行動変容を導く機能練習の考えかた
竹林先生が編集を務められた一冊です.
「作業に焦点を当てた上肢機能アプローチ」を行う必要性が謳われている昨今,この書籍は数多ある脳卒中後の上肢機能アプローチの手法を幅広く紹介するとともに,各々のアプローチに対するevidence based practice(EBP)についてまとめている.
アプローチが編集者の得意なアプローチに偏っていない点もこの書籍の良いところですね.
またこれらのアプローチの実際という観点から,EBPに根ざした多様な事例報告が収載されております.
エビデンスに基づいた対象者中心の作業療法を実現するための1冊となっております.
発売からAmazonのランキングでも上位をキープし続けていますね.
Excelで効率化! リハビリテーション自主トレーニング指導パットレ!Pro.
理学療法士・作業療法士の皆様も自主トレーニング指導を行う際にリーフレットを作成されることがあると思います.
ただ1例1例作成するのって時間もけっこうかかりますし大変ですよね.
この書籍では疾患や病態ごとに250種以上の自主トレが学べます.
しかもExcelをつかってパッと指導書を作成できるといったところがポイントです.
またこの書籍では疾患ごとに自主トレの詳細な内容を学習できるだけでなく,ケースを通して自主トレ指導の具体的な流れやポイントを学ぶことがdけいます.
この書籍には特典としてExcel を用いた指導書作成ツール「パットレ! Pro.」が付属します.
パットレ!Pro.を使用すれば,250 以上の自主トレ画像から,必要なものを選んでプリントアウトするだけでその場ですぐに多様な疾患・病態に対応した指導書が作成可能となります.
どの病院にも1冊置いておきたいようなレベルの書籍ですね.
変なアプリケーションをインストールする必要もありませんし,エクセルで簡単に作成できるといったところが嬉しいですね.
運動機能障害の理学療法 運動連鎖に基づく評価・治療
最近,相澤純也先生が編集を務められている運動器関連の書籍って多いですよね.
これまでの書籍も良書が多いんですよね。
今回は臨床で避けては通れない18疾患について,運動連鎖に着目した書籍です.
運動連鎖に着目した理学療法評価・治療方法が豊富な写真でわかりやすく解説されております.
いつ・何を・どのくらいやるかがわかる実践書となっております.
初学者はもちろんスキルアップを図る理学療法士・作業療法士にもおすすめの一冊となっております.
臨床家 諸君!! セラピスト達のための教化書
この書籍は「本来のセラピーとは? セラピストとしてどうあるべきか? 」を追求してきたカリスマ理学療法士がである山口光圀先生が若手セラピストのために書き下ろした初めての単著です.
笑いあり涙ありのエピソードが満載で, 臨床に立つ際の心構えをわかりやすい語り口調で示されております.
自身の経験・学術的基盤も織り交ぜながら, セラピストとして育つための教養, 先人が残した言葉, 自らを良い方向へ導くための視点・ヒントとなる素材が紹介されております.
臨床での困りごと解決のヒントとなる言葉が随所に散りばめられており, セラピーにかかわるすべての職種に向けて, セラピストとしての共通理念, 向かうべき方向性が示されております.
理学療法士・作業療法士としての働き方や心構えを考えるうえで,必ず読んでおきたい内容となっております.
数年前に山口光圀先生が執筆された「セラピストの動きの基本」の続編ともいえるべき一冊となっております.
福井勉先生が数年前に「悩めるセラピストへ」を出版され,けっこう話題となりましたが,この一冊も発売数日でかなりの部数が売れており既に話題になっておりますね.
動作練習 臨床活用講座 動作メカニズムの再獲得と統合
動作分析の書籍といえば理学療法士・作業療法士の皆様はどの書籍を頭に浮かべられますか?
おそらくここ数年で動作分析関連でもっとも売れている書籍が国際医療福祉大学の石井慎一郎先生が執筆された「動作分析 臨床活用講座―バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践」です.
この書籍は2013年9月に発行された書籍ですが,いまだにコンスタントに売れている書籍であり,多くの養成校で動作分析の教科書としても使用されている書籍です.
今回発刊された書籍「動作練習 臨床活用講座 動作メカニズムの再獲得と統合」はロングセラー『動作分析 臨床活用講座』の続編です.
評価を踏まえて,動作メカニズムの再獲得に向けた練習法を豊富な連続写真を用いて具体的に解説されております.
今回は2021年上半期発売の理学療法関連のお勧め書籍を紹介させていただきました.
下半期もどんな書籍が出るか楽しみですね.