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半田連盟会長に「そこまで聞いて委員会」
日本理学療法士協会元会長で日本理学療法士連盟現会長の半田先生が2021年8月26日に株式会社geneの無料セミナーの中で「そこまで聞いて委員会」と題してお話をされました.
理学療法士業界の開業権はいつ得られるのか?,コロナが終息したのちの医療介護はどのような方向に進むのか?,ジェネラリストが取得しやすい認定理学療法士の分野は?認定・専門理学療法士に診療報酬上でのインセンティブはつくのか?,公務員理学療法士と民間理学療法士の生涯編集は今後どちらが多くなりそうか?,リハの均質化について今最も取り組むべき課題は?等の質問に回答されております.
理学療法士業界の開業権はいつ得られるのか?
会長時代にも開業権利に関してはかなり交渉をした
医療における開業権は医師・薬剤師・看護師にしか与えられていない
その他の針灸師やマッサージ師における開業権というのは医療類似行為
医療の中で開業権を得るのは現状では難しい(日本医師会・日本看護協会の反対は強い)
理学療法士が医療の中から飛び出せば開業権を得られる可能性はある
予防領域では医師の指示なく理学療法士が活動できるようになった
これは大きな変化だと思う
ヨーロッパ型のフリーアクセス開業権を得るためにはクライアントをきちんと守れるかどうかが重要
今の日本の教育では難しいのではないか?
フリーアクセスで開業するにはそれなりの責任も伴う
3年生専門学校の教育では難しい
国民的なコンセンサスも得られない
コロナが終息したのちの医療介護はどのような方向に進むのか?
コロナ禍において急性期の理学療法の弱さが目立った
ICU,高度急性期における理学療法,なかでも呼吸理学療法を再度考え直す必要がある
高齢者施設からの肺炎での入院が多い
高齢者施設における呼吸理学療法を強化する必要がある
急性期の中でまだ理学療法があてにされていないのではないかということが,今回のコロナ禍ではっきりした
日本の医療は縦割りなのでコロナ禍で逼迫している診療科や専門分野と時間を持て余している診療科や専門分野がある
コロナ禍のような緊急事態にはもう少し理学療法士も柔軟な働き方ができるような仕組みが必要
ジェネラリストが取得しやすい認定理学療法士の分野は?
ジェネラリストはどういった形で認定理学療法士を取得していけばよいのか?
新生涯学習システムを完成させるにあたってもジェネラリストの扱いについても検討したが,制度としては不十分なものとなった
協会の中でも様々な意見があった
ジェネラリストとしての理学療法士の生涯学習のあり方を十分に反映できていない点は反省点である
将来的に認定・専門理学療法士に診療報酬上でのインセンティブはつくのか?
目指すべきは診療報酬制度上のインセンティブの獲得
診療報酬上のインセンティブを獲得するためにはまだまだ時間が必要
認定・専門理学療法士の医療広告ガイドラインへの掲載にもかなりの時間と労力を要した
認定看護師と同様の診療報酬上のインセンティブを獲得するには,リハビリテーション医学会を巻き込んだ,医師を巻き込んで厚労省へ提言していくことが重要
公務員理学療法士と民間理学療法士の生涯年収は今後どちらが多くなりそうか?
理学療法士の数が足りない時代には民間,供給過多になった場合には公務員が有利
理学療法士の需給バランスによって大きく変化する
今後の需給バランスを考えると公務員?
いずれにしても需要を増やしていくことが重要
リハの均質化について今最も取り組むべき課題は?
医療であるにもかかわらず理学療法が標準化されていない
よく言えば理学療法士が自由に運動療法を選択できる
医療であれば標準化されるべき,科学として医療として考えたときに標準化されていないのは問題
最低の標準的なところを明確にすることが重要
今回は日本理学療法士協会元会長で日本理学療法士連盟現会長の半田先生が出演された「そこまで聞いて委員会」についてご紹介させていただきました.
今回もやっぱり面白い内容でしたね.