理学療法士・作業療法士も転倒の定義を見直そう

介護予防
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理学療法士・作業療法士も転倒の定義を見直そう

理学療法士・作業療法士であれば転倒がきっかけで骨折を受傷されたクライアントを担当する機会は多いと思います.

場合によっては転倒を予防する目的で運動指導を行うことも多いですね.

ここで問題となるのが転倒の定義です.

この転倒の定義が理学療法士・作業療法士の間でまだまだ統一されていないのも現状です.

今回は理学療法士・作業療法士も転倒の定義を見直そうといったお話です.

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転倒による社会経済効果

わが国の高齢化は25%を超え,超高齢社会を迎えております.

超高齢社会においては,理学療法士・作業療法士にとって「転倒」というのは避けては通れない重要な問題です.

医療費も年々増加するなか,健康寿命の延伸は理学療法士・作業療法士にとっても喫緊の課題であると考えられますが,転倒もこの医療費に多大なる影響を及ぼしており,1兆円を超える医療費が転倒に関連するものであることが示されております.

そのため医療や介護に要する費用を削減する上でも,理学療法士・作業療法士として転倒を予防することは非常に重要です.

 

 

 

 

 

 

 

 

転倒の定義

転倒は世界共通の現象であります.

日本に特有の現象ではありませんよね.

ここで主要な転倒の定義を以下にご紹介いたします.

 

Kellogg International Work Groupにより提唱された定義

まずはKellogg International Work Groupにより提唱された定義をご紹介させていただきます.

 

他人による外力,意識消失,脳卒中などにより突然発症した麻痺,てんかん発作によることなく,不注意によって,人が同一平面あるいはより低い平面へ倒れること

「Unintentionally coming to the ground or some lower level and other than as a consequence of sustaining a violent blow, loss of consciousness, sudden onset of paralysis as in stroke or an epileptic seizure」(Gibson MJ・Andres RO・Isaacs B,et al,1987)

 

FICST(Frailty and Injuries:Cooperative Studies of Intervention Techniques)研究において使われた定義

次にFICST(Frailty and Injuries:Cooperative Studies of Intervention Techniques)研究において使われた定義です.

転倒といえばFICST(Frailty and Injuries:Cooperative Studies of Intervention Techniques)研究といってよいくらい有名な研究ですね.

FICST(Frailty and Injuries:Cooperative Studies of Intervention Techniques)研究では以下のように転倒の定義がなされております.

「家具や壁などの構造物は除いて,意図せずに地面や床などの低地に倒れ込んだ場合」

「Unintentionally coming to rest on ground, floor, or other lower level:excludes coming to rest against furniture, wall, or other structure.」(Buchner DM,1993)

 

 

 

 

 

 

 

 

転倒の定義もさまざま

とりあえず定義をご紹介しましたが研究によってさまざまです.

臨床で理学療法士・作業療法士がインシデントレポートを書く時にどこからが転倒事故かって難しいですよね.

手が床に着いたらアウトなんて考え方もありますが,上述した転倒の定義を見ると身体の一部分とは記載されておりません.

ただ研究者によっては手や膝が床に着いたら転倒とカウントしている場合もあります.

FICSITでは転びそうになったが転ばずに済んだことをNear Falls,転んで骨折や脱臼,捻挫などの怪我をした場合をInjurious Fallsと定義していますが,こういった視点も重要ですね.

転倒の定義もさまざまで,失神による転倒を除外しているものもあれば,失神による転倒を含めているものもあります.

失神による転倒を除くというのは医学的判断を伴いますので,そういった点では後者のほうが簡便であり,国内では失神による転倒も含めた定義が用いられウことが多いですね.

 

今回は理学療法士・作業療法士も転倒の定義を見直そうといったお話でした.

論文や書籍を読むときには,理学療法士・作業療法士も転倒という用語がどのように定義されて用いられているものかを考慮する必要がありそうですね.

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