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理学療法士・作業療法士が「みる」場合には,「見る?」「観る?」「視る?」「診る?」「看る?」
理学療法士・作業療法士であればクライアントを評価・治療するうえで,「みる」といった行為を繰り返して行います.
この場合の「みる」って「見る?」「観る?」「視る?」「診る?」「看る?」どの「みる」に当てはまるのでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士の「みる」について考えてみたいと思います.
「見る」とは?
まず「見る」についてです.
「見る」というのは視覚によって,物の色や形,様子などを知覚することを指します.
その意味はかなり広く,調べる,眺める,診断する,経験する,世話をする,見学をするなど多岐に渡ります.
「見る」というのは基本的には外見が主体であり顔の表情,音は聞こえているか,目は見えているか痩せ型か肥満型かまた手足の有無など状態を眺める様子を表す言葉です.
基本的に「みる」という言葉を漢字表記にする場合はこの「見る」を使います.
その他の「観る」「視る」「診る」「看る」に関しては意味を強調したいときに使う言葉なので,「観る」「視る」「診る」「看る」を「見る」に置き換えて使うこともあります.
「観る」とは?
「観る」というのは観賞する,見物する,眺めることを指します.
基本的な意味は「見る」と同じですが,「観る」はそれを見て楽しんだり,じっくりと観察したりする際に使われます.
「テレビを見る」だと単に流し目で流れている番組をみているということになりますが,「テレビを観る」だと熱心にじっくりとみている様子が伝わります.
理学療法士・作業療法士の場合には姿勢・動作分析なんかは「観る」にあてはまるでしょう.
°のように歩行しているか,坐位・立位の姿勢はどうか,移乗動作はどのような方法で行っているかといった視点で「みる」場合には「観る」ということになります.
「視る」とは?
「視る」とは注意してみること,じっくりとみることを指します.
基本的な意味は「見る」と同じですが,「注視」「凝視」などの言葉でも使われているように「視る」はその中でも注意してみたり,じっくりと見るという際に使われます.
このような使い分けがされていますが,現在では一般的に「視る」ではなく「見る」と書くことの方が多く,上記の意味で使われることは少ないようです.
「診る」とは?
「診る」とは医師がクライアントの様子を調べて,その病状を診断することを指します.
「診る」は「診察」などの言葉でも使われているように,その人の病状や健康状態を調べる意味で使われる言葉です.
最近理学療法診断という言葉が出てきておりますが,理学療法士が狭義の意味で評価してアセスメントを行う場合には,この「診る」に該当します.
関節はどのくらい動くか,関節が動きにくい原因は何か考えるといったような場合には,「診る」を使用することになります.
「看る」とは?
「看る」というのは世話をすること,気を配ること,介抱することを指します.
「看る」は「看護」や「看病」の言葉でも使われていることを考えればおおよそ意味は理解できますね.
「看る」には世話をする意味合いが込められており,リハビリテーションも多くは「看る」仕事としてとらえることができます.
今回は理学療法士・作業療法士の「みる」について考えてみました.
理学療法士・作業療法士も「見る」「観る」「視る」「診る」「看る」といったさまざまな「みる」を使い分けながら仕事をしてくことが重要になるでしょうね.