理学療法士・作業療法士がクライアントのモチベーションを高めるには?

脳卒中
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目次

理学療法士・作業療法士がクライアントのモチベーションを高めるには?

理学療法士・作業療法士にとってクライアントのリハビリテーションに対するモチベーションを向上させるのは1つの役割であり,重要なスキルの1つです.

ただモチベーションとかいうと主観的な話しか出てこないことが多いのも実際です.

今回は理学療法士・作業療法士がクライアントのモチベーションを高めるにはどうすればよいかといった点で参考になる研究論文をご紹介させていただきます.

A man standing triumphant on a beach in New Romney while looking out into the water

 

 

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

Front Neurol. 2020; 11: 553.

Published online 2020 Jun 10. doi: 10.3389/fneur.2020.00553

PMCID: PMC7297944

PMID: 32587572

Motivational Strategies for Stroke Rehabilitation: A Descriptive Cross-Sectional Study

Kazuaki Oyake,1 Makoto Suzuki,2 Yohei Otaka,3 and Satoshi Tanaka4,*

今回ご紹介する論文は2020年に掲載された論文です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の目的

The primary objective was to provide a list of effective motivational strategies based on consensus among rehabilitation experts, generated using the Delphi technique. The secondary objective was to identify the types of information that are important when selecting motivational strategies.

この研究では,デルファイ法を用いて作成されたリハビリテーションの専門家のコンセンサスに基づいて,モチベーションを向上させるための効果的な動機づけの戦略を明らかにすることを目的としております.

またモチベーションを向上させるための動機づけの戦略を選択する際に重要な情報の種類を特定することを第2の目的としております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究デザイン

研究デザインはデルファイ調査法となっております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究セッティング

On-site survey at academic conferences and web-based survey.

学会での実地調査・ウェブ調査を行っております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の対象

Rehabilitation experts (N=198) including physicians, physical therapists, occupational therapists, and speech-language-hearing therapists who had worked in stroke rehabilitation for at least 5 years.

脳卒中のリハビリテーションに5年以上従事したことのある医師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士を含むリハビリテーションの専門家198例を対象としております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

介入

介入は無し

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主要アウトカム測定

Panelists were asked to rate the effectiveness of motivational strategies and to rate the importance of different types of information using a 5-point Likert scale. Consensus was defined as having been reached for items with an interquartile range of 1 or less.

パネリストがモチベーションを向上させるための動機づけ戦略の有効性と,さまざまなタイプの情報の重要性を5 段階のリッカート尺度を用いて評価しております.

合意については,縦横比の範囲が1以下の項目について合意に達したと定義しております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

A total of 116 experts (58.6%) completed the third round of the Delphi survey. Consensus was reached on all of the 26 presented strategies. Seven strategies, such as control of task difficulty and goal setting, were considered to be very effective in increasing patient motivation. In addition, all 11 of the presented types of information regarding patient health status, environmental factors, and personal factors were deemed very important or important in determining which motivational strategies to use.

デルファイ法による第3ラウンドを完了したのは,合計 116 例の専門家(58.6%)でありました.

提示された 26 の戦略のすべてでコンセンサスが得られました.

タスクの難易度のコントロールや目標設定など7つの戦略は,クライアントのモチベーションを高めるのに非常に効果的であると考えられました.

さらにクライアントの健康状態,環境要因,個人的要因に関する11種類の情報のすべてが,モチベーションを高める戦略を決定する上で非常に重要または重要であると考えられました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

We generated a list of effective motivational strategies for stroke rehabilitation based on expert consensus. Our results suggest that experts consider a comprehensive range of patient information when choosing motivational strategies. These findings represent a group of consensus-based recommendations for increasing patient adherence to stroke rehabilitation programs, which may be beneficial to many medical professionals working in stroke rehabilitation.

この研究では専門家のコンセンサスに基づいて脳卒中リハビリテーションにおいてモチベーションを向上させるための効果的な動機づけ戦略のリストを作成しております.

研究の結果から考えると,専門家が動機づけ戦略を選択する場合には,包括的な範囲の患者情報を考慮していることが示唆されます.

今回得られた知見は脳卒中リハビリテーションプログラムへのクライアントのアドヒアランスを向上させるためのコンセンサスに基づく推奨事項をまとめたものであり,脳卒中リハビリテーションに携わる多くの医療専門家にとって有益なものであると思われます.

 

今回は理学療法士・作業療法士がクライアントのモチベーションを高めるにはどうすればよいかといった点で参考になる研究論文をご紹介させていただきました.

クライアントのモチベーションを向上させるためには,タスクの難易度やコントロールや目標設定に関する情報を扱うことが重要であると考えられます.

またクライアントの健康状態,環境要因,個人的要因に関する情報を用いてコミュニケーションを図ることもモチベーションを向上させる上で有益であると考えられます.

 

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