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9単位/日×1か月のリハ実施でどのくらいのリハビリテーション料がかかるか知っていますか?
理学療法士・作業療法士の皆様はクライアントのリハビリテーション料について考えたことがありますか?
特に回復期リハビリテーション病棟で9単位脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)を算定している場合には,365日体制でリハビリテーションサービスを提供するとかなりの料金になります.
脳血管障害の場合には,科学的にもdose dependent,つまりはリハビリテーションの量が日常生活動作の改善に関連するデータが多く示されており,診療報酬上も1日3時間のリハビリテーションサービスの提供が認められております.
でも1日3時間のリハビリテーションサービスを1カ月提供するとどのくらいの料金になるのでしょうか?
今回は9単位/日×1か月のリハ実施でどのくらいのリハビリテーション料がかかるかについて考えてみたいと思います.
医療保険では9単位/日×1か月のリハ実施でどのくらいのリハビリテーション料がかかる?
一般的な回復期リハビリテーション病棟の主要対象疾患である脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(算定日数 180 日 点数:245点)を9単位/日×1か月算定するとどのくらいの金額になるのでしょうか?
ここでは加算等は除いて考えてみますが,
2450円×9単位×30日で計算すると,661,500円となります.
脳血管疾患等リハビリテーション料で考えると保険内でも,1日3時間(9単位),30日間実施していれば,1カ月で66万円以上かかるというわけです.
これってすごい金額ですよね?
基本的には税金で賄われる
ではクライアントは66万円のリハビリテーション料に加え,回復期リハビリテーション病棟への入院料も支払う必要があるのでしょうか?
基本的には,収入にもよりますが高額療養制度を利用すれば入院料も含めて11万円以上の医療費を支払わずに済むことがほとんどです.
ということは66万円のリハビリテーション料のうち,50万円以上は税金で賄われるというわけです.
回復期リハビリテーション病院に勤務されている方はこの50万円に回復期リハビリテーション病棟の病床をかけ合わせてみるとよいと思います.
例えば100床規模の回復期リハビリテーション病棟であれば,50万円×100床,つまり5000万円もの税金が毎月使われるというわけです.
医療費が高いといわれるわけですよね.
保険外では?
今の話はあくまで保険内で考えた場合です.
では保険外ではどのようになるのでしょうか?
保険外では設定も様々ですが,保険内のサービスと同様かもう少し上乗せした運用をしている自費リハサービス施設が多いと思います.
大手の自費リハビリテーションサービスでも通常1日3時間のところを1日2時間,30日間実施すれば,同じぐらいの料金設定となります.
保険外のサービスの場合には,1日2時間×30日のリハビリテーションサービスで月66万円を自費で支払うということになります.
これはかなりの金額ですよね…
保険内外に関わらずリハビリテーションは非常に高価なサービス
こう考えると保険内外に関わらずリハビリテーションは非常に高価なサービスだと考えることができます.
月に60万円を超えるサービスってかなり高価なサービスですよね.
ライザップが高いなんて言われますが,リハビリテーション料の方がよっぽど高いです.
これだけ高額なサービスですから,理学療法士・作業療法士は料金に負けない質を担保する必要がありますよね.
なんちゃってリハビリテーションに月50万円もの税金を使っていたらそれは問題でしょう.
コスト意識を持ち,大きな対価に見合う介入効果を担保するために努力する必要があるでしょうね.
月に60万で結果が出ないと詐欺では?
月に60万円もかかるリハビリテーション料ですが,実際には結果が出ようと出まいと60万円なんですよね.
ライザップは結果にコミットしますが,リハビリテーションは結果にコミットしません.
結局のところ理学療法士・作業療法士って医療保険制度に守られているんですよね.
結果が出なくても詐欺にはならないわけです.
ぬるま湯につかっているようなものですよね.
ただ自費リハだとそうはいきませんよね.
結果が出ないとサービス利用者も減ってしまいますからね.
こう考えると保険内のサービスって何となく必死さが足りない気もしますね.
今回は9単位/日×1か月のリハ実施でどのくらいのリハビリテーション料がかかるかについて考えてみました.
改めて理学療法士・作業療法士は制度に守られているなと感じるわけです.
理学療法士・作業療法士も月60万円を意識してプロフェッショナルとして最良のサービスを提供できるように努めたいものです.