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在宅分野では医療分野よりも理学療法士・作業療法士の不正請求が横行しやすい?
先日,京都府の医療機関でリハビリテーション実施時間の不正で減給処分となったニュースをご紹介させていただきました.
最近は医療機関では監視カメラシステムを導入しているところが多いですし,他者の目も多いので,こういった不正が内部告発によって明らかになるケースは今後も増えてくると思います.
一方で訪問リハビリテーションなどの在宅分野はどうでしょうか?
今回は在宅分野では医療分野よりも理学療法士・作業療法士の不正請求が横行しやすいのではないかといったお話です.
内部告発によって発覚?
先日の京都府の医療機関でリハビリテーション実施時間の不正については,リハビリテーション部門内からの内部告発によって不正が発覚した可能性が高いですよね.
リハビリテーション室で一緒に仕事をしていれば,明らかにリハビリテーション実施時間が取得単位数に比べて短いことはわかりますし,それが蔓延してしまっているような職場も少なくないのではないかと思います.
組織的に実施時間を短縮させて,超過勤務を発生させることなく取得単位数の増加を求める職場すら存在しますから本当に怖いです.
1人当たりのクライアントのリハビリテーションの実施時間を測定しなくても,21単位取得しているにもかかわらず,15時には仕事が終わっているなんて状態であれば,不正請求を行っていることは明白です.
時間の計算が合いませんからね.
在宅では不正が発覚しにくい?
訪問リハビリテーションの場合には,医療機関や施設と違って第3者の目がありませんので,不正請求が横行しやすいと思います.
例えば独居の認知症例の場合には,既定の時間よりも実施時間が短くても不信感を抱かれることもありませんし,カルテの記載時間よりも遅く始めて早く終わるパターンが横行しやすいのではないでしょうか?
不正が行われていても不正が発覚しにくいのも実際だと思います.
ただ訪問リハビリテーションの場合にも,移動時間を考慮しても明らかに勤務時間と取得単位数の計算が合わないなんてケースは容易に不正を見破ることが可能でしょう.
GPSによる時間管理も必要
在宅分野での不正請求を減らすためには,GPSを使った時間管理なんてのも1つの方法ですよね.
GPSを使用すれば,少なくとも既定の時間は利用者様のお宅へ居たという事実だけは残ります.
もちろんやっていることがなんちゃってリハビリだったり,お宅へ居てもただ一緒になってテレビを見ているだけというケースも無くはないわけですが…
こうなるとやはり在宅分野というのは医療機関に比較しても,理学療法士・作業療法士の質やモラルが問われますね.
もちろんそういった不正行為をはたらく理学療法士・作業療法士というのはほんの一握りで多くの理学療法士・作業療法士がクライアントのために誠意をもって対応をされていると思いますが,先日のニュースもそうですが,少しでもこういった不正行為を理学療法士・作業療法士が出てくると,他職種や国民からは理学療法士・作業療法士ってそういう集団なんだって捉えられ方をされることが多いですからね.
今回は在宅分野では医療分野よりも理学療法士・作業療法士の不正請求が横行しやすいのではないかといったお話でした.
ここ数年医療機関でのカルテの虚偽記載やリハビリテーション実施時間の不正などさまざまなニュースが報道されておりますが,在宅分野ではこれまでに不正に関するニュースは少ないのが現状です.
一方で不正請求が横行しやすいのも在宅分野だと思います.
いつ誰に見られているか分かりませんので,当たり前のことを当たり前に行いましょう.