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理学療法士・作業療法士の皆様はアンクルウェイトの正しい使用方法を知ってますか?
理学療法士・作業療法士であればクライアントに対して筋力トレーニングの指導を行う機会は多いと思います.
ただ最近は抗重力筋のトレーニング目的でアンクルウェイトでのウォーキングを進める理学療法士・作業療法士もいるということですからちょっと残念な感じです.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいアンクルウェイトの使用方法について解説させていただきます.
下肢筋のトレーニングにならないのは明らか
基本的にアンクルウェイトというのは足首に巻くためのものです.
足首に巻くわけですから,重量負荷というのは当然ながら足首から下にしかかかりません.
そのためアンクルウェイトを捲いても抗重力筋のトレーニングにはあまりならないのは当たり前の話です.
下腿三頭筋のトレーニングにはなり得るわけですが…
ウェイトを使用して抗重力筋のトレーニングを行うのであれば,殿部や大腿部に負荷を加えるために腰部より上にウェイトを装着する必要があるでしょう.
また腸腰筋やハムストリングス等,下肢を挙上する筋群のトレーニングを目的として使用するのであれば,これは効果が得られる可能性はあります.
重要なのは使用目的ということになると思います.
足の振りぬきをトレーニング
ではアンクルウェイトというのはそもそもどういった目的で使用するものなのでしょうか?
まずは足の振りぬきをトレーニングするためには有用です.
陸上競技では下肢の運動速度を向上させる必要がありますので,アンクルウェイトを使用することで下肢の振りぬき速度を向上させるといった目的でアンクルウェイトが使用されることは多いです.
有酸素運動の負荷として使用する
また筋力トレーニング目的ではなく,有酸素運動の運動負荷としてアンクルウェイトが用いられる場合もあります.
アンクルウェイトを使用することで単位時間当たりの運動量が増加しますので運動負荷を強くすることができるわけです.
アンクルウェイトを装着することで実質的には体重が増加したことになりますので,有酸素運動の強度を上げることができるわけです.
一般的には筋力トレーニング目的というよりは有酸素運動の運動負荷向上目的でアンクルウェイトが使用される場合がほとんどだと思います.
股関節・膝関節への力学的負荷が増加しない
アンクルウェイトを使用する利点として股関節・膝関節への力学的負荷が増加しないといった点も大きなポイントとなります.
足首に装着することになりますので,股関節・膝関節への力学的負荷を増加させることなく有酸素運動における運動負荷量を増加させることが可能になるわけです.
実質的にアンクルウェイトを装着することで体重が増加したことになり,有酸素運動の強度を増加させることができる一方で,股関節・膝関節への力学的負荷量が増えないというのはアンクルウェイトの魅力でしょうね.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいアンクルウェイトの使用方法について解説させていただきました.
アンクルウェイトを使用されている高齢者は比較的多いと思いますが,使用方法が誤っている方も少なくありません.
理学療法士・作業療法士は運動指導を行う機会は少なくないと思いますので,適切なアンクルウェイトの使用方法について知った上で指導を行いたいですね.