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ご存じの通り…勉強不足でお恥ずかしいのですが…といった前置きは不要?
理学療法士・作業療法士が学会やメール等で謙遜するために使用することが多いのが,ご存じの通り…勉強不足でお恥ずかしいのですが…といった前置きです.
ご存じのとおりというのは,皆様が知っているようなことを改めて説明して申し訳ございませんといった思いが込められていることが多いですし,勉強不足でお恥ずかしいのですがという前置きもこんなことを聞いて申し訳ございませんといった思いがこめられていることが多いでしょう.
ただ謙遜や相手を気遣って使用したこういった前置きが実は相手を嫌な気持ちにさせている可能性もあります.
今回はご存じの通り…勉強不足でお恥ずかしいのですが…といった前置きは不要であるといったお話です.
ご存じの通り…
「ご存じかと思いますが…」
「ご存じの通り…」
理学療法士・作業療法士もよく使用するフレーズだと思います.
ただこう言われてしまうと,知っているのが常識前提なので,もし知らなくても知らないとは言いにくくなってしまいます.
知っていることが当たり前なのかと思ってしまうわけですね.
わからないことを人前で質問するのは恥ずかしいと感じる理学療法士・作業療法士も多いので,知らない=とても恥ずかしいと言われているように解釈しがちです.
そのためわかってもいないのにますますわかったフリをするようになってしまって,齟齬が生じることもあります.
「ご存知の通り…」という用語は「すでに知っているのに,あえてお話するのは気が引けますが…」のような気持ちからかもしれませんし,「他の人は知らなくてもあなたはいろいろよく知っている人です」と持ち上げているのかもしれません.
あるいは特に意図せず何気なく使っているかもしれません.
しかしながら相手が知らない情報の場合には,知らないとは言えなくなるというその場の環境を作ってしまいます.
あなたにとって知っていることが当たり前でも,相手にとって恥ずかしく嫌な気持ちにさせる場合もあるので,そう考えてみるとあまり用いるのは賢明ではないかもしれませんね.
勉強不足でお恥ずかしいのですが…
「勉強不足でお恥ずかしいのですが…」
「不勉強でお恥ずかしい話なのですが…」
これも理学療法士・作業療法士が質問をする場合なんかによく用いられます.
一対一の場合は,自分を卑下して自分を少し落とすことで,相手を立てた姿勢になり対人応対もうまくいきやすいものです.
しかしながらこれが学会のようにその場に複数の理学療法士・作業療法士がいるような環境では,他の理学療法士・作業療法士の気持ちを不快にさせる場合があります.
「勉強不足でお恥ずかしいのですが…」と伝えた瞬間,(同様に知らない)他の理学療法士・作業療法士も恥ずかしい理学療法士・作業療法士だと感じてしまうかもしれません.
今回はご存じの通り…勉強不足でお恥ずかしいのですが…といった前置きは不要であるといったお話でした.
おそらく口癖のように使用されていることの多いフレーズかもしれませんが,使用することでマイナスな印象を与えてしまう可能性もあります.
理学療法士・作業療法士の皆様もご存じの通り…勉強不足でお恥ずかしいのですが…といったフレーズを意味もなく使わないようにしましょう.
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