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理学療法士・作業療法士も知っておきたい医師や看護師が使用する「る」の略語
医療機関ならではの略語って多いですよね.
カンファレンスで医師や看護師が略語を使っていて,略語の意味が分からず話についていけないこともあるでしょう.
理学療法士・作業療法士も最低限の略語は把握しておきたいですね.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい医師や看護師が使用する「る」の略語についてご紹介させていただきます.
アポる→脳卒中
アポるとかアポったなんて表現されることが多いですが,これは脳血管障害すなわち脳卒中を発症したときに使用される略語です.この略語はapoplexyに由来するもので,apoplexy自体が脳卒中を意味する用語ですので比較的理解しやすいと思います.
デコる→心不全
デコったなんて耳にすると,デコレーションでもしたのかと思ってしまいますが,これは心不全に陥ったことを表す略語です.
このデコるはdecompensationという用語の略語になりますが,元々decompensationには代償不全という意味があります.
デコってるから利尿をなんて話を聞けば,心不全が増悪したとか,心不全を発症したということですね.
ラプる→破裂
ラプったなんて略語も耳にすることが多いですね.
ラプるというのはruptureの略語です.
血管が破裂して出血することを指します.
破裂を表すruptureが語源ですね.
「ラプる」,ラプった」と表現する以外にも,単に「ラプチャーした」と表現する場合もあります.
特に動脈瘤破裂に対して使うことが多いですね.
ネクる→壊死
整形外科領域で良く耳にするのが「ネクる」といった略語です.
「ネクる」というのはnecrosisの略語になります.
壊死をあらわすnecrosisが語源ですね.
糖尿病性の壊死であったり,大腿骨頭壊死であったりさまざまな病態に用いられることが多いですね.
タキる→頻脈
看護師さんが「タキった」なんて表現しているのは, tachycardiaのことです.
Tachycardiaというのは頻脈のことです.
タキったという表現を耳にしたら,心拍数に目を向けると心拍数が多くなっているのが確認できると思います.
ゼプる→敗血症
「ゼプる」とか「ゼプった」とか略語もよく聞きますよ根?
「セブる」と聞くとセブンイレブンにでも買い物に行くことを想像してしまいますが,これはsepsisの略語です.
英語読みでは「せぷしす」というので,なぜ濁点がつくのか不思議ですが,昔ながらのドイツ語万歳な医療従事者が「ぜぷしす」と発音しそれが広がったのでしょうか?
ベジる→植物状態
植物状態に陥ることをベジると表現することもあります.
ベジるというのはvegetationの略語です.
あまり聞きたくない表現ですね…
ステる→亡くなる
これもよく耳にしますね.
ステるというのはsterbenの略語で死亡することを指すドイツ語ですね.
ステったなんて表現されることが多いですが,これもあまり耳にしたくない略語の1つですね.
ワゴる→迷走神経反射
ワゴるというのは迷走神経反射を意味する用語です.
迷走神経反射を表すvagovagal reflex(vagal reflex)に由来ります.
迷走神経反射は痛みや緊張によって起こり,血圧低下・徐脈をきたす病態です.
迷走神経反射による血圧低下って急激に血圧が低下する場合が多くて,本当に焦ります.
デブる→壊死組織の除去
これは肥満を表す略語ではありません.
デブるというのはdebridementの略語です.
皮膚潰瘍や褥瘡等の壊死組織や細菌感染組織などを物理的に除去して,治癒を促進させるための主義であるデブリードマンの略語ですね。
デブリードマンを略してデブリと表現することも多いですね.
来週デブリしようか…みたいな使い方ですね.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい医師や看護師が使用する「る」の略語についてご紹介させていただきました.
知っているようで知らない略語もあったのではないでしょうか?
理学療法士・作業療法士も医師・看護師が使用する機会の多い「る」の略語について知っておくと,カンファレンス等でのクライアントの病態理解に役立ちそうですね.