フォームローラーによる介入が腓腹筋のスティフネスおよび足関節背屈可動域改善に有効?

足関節周囲外傷
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フォームローラーによる介入が腓腹筋のスティフネスおよび足関節背屈可動域改善に有効?

フォームローラーといえばスポーツ用品店やホームセンターなんかでもよく目にしますので,最近は使用する一般の方も多いツールの1つだと思います.

フォームローラーの使い方もさまざまですが,筋をセルフマッサージ(リリース等と表現する理学療法士・作業療法士もいます)するといった使い方も定番になってきました.

そんな中で今回はフォームローラーによる介入が腓腹筋のスティフネスおよび足関節背屈可動域改善に有効か否かを明らかにした研究論文をご紹介させていただきます.

persons feet on red and brown area rug

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

J Strength Cond Res. 2020 Oct 9. doi: 10.1519/JSC.0000000000003757. Online ahead of print.

Effects of 5-Week Foam Rolling Intervention on Range of Motion and Muscle Stiffness

Ryosuke Kiyono 1, Remi Onuma 2, Koki Yasaka 2, Shigeru Sato 1, Kaoru Yahata 1, Masatoshi Nakamura 1 2

今回ご紹介する論文は2020年に掲載されたばかりの新しい論文です.

 

 

 

 

 

 

 

研究の目的

In clinical and sports settings, foam rolling (FR) intervention is widely used to increase the range of motion (ROM). But, the chronic effects of FR on ROM and muscle stiffness are unclear. This study aimed to investigate the effects of 5-weeks FR intervention on dorsiflexion ROM (DFROM) and shear elastic modulus of the medial gastrocnemius (MG) muscle.

臨床やスポーツ現場では,フォームローラーは関節可動域改善を目的として広く使用されております.

しかしながらフォームローラーが関節可動域や筋のスティフネスに及ぼす効果は明らかにされておりません.

この研究では5週間にわたるフォームローラーによる介入が足関節背屈可動域および腓腹筋内側頭のせん断弾性率に及ぼす影響を明らかにすることを目的としております.

 

 

 

 

 

 

研究の対象

Accordingly, 30 healthy young adults were enrolled and randomly assigned to either the FR or control group with the former receiving 90 seconds of FR thrice per week over 5-weeks. Thereafter, DFROM, passive torque at DFROM, and shear elastic modulus of the MG during passive ankle dorsiflexion were assessed using a dynamometer and ultrasonography before and after 5-weeks.

研究の対象は30例の健常若年成人としております.

5週間にわたって週3回90秒のフォームローラーによる介入を行うフォームローラー群と対照群に無作為に割り付けております.

その後,5週間前と5週間後の他動的に足関節を背屈させた際の腓腹筋内側頭の受動トルクおよびせん断弾性率を評価しております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

Our results showed that the FR group exhibited a significant increase in DFROM (Δ = 11.7%, p < 0.05, effect size = 0.39), but no changes in passive torque at DFROM, and shear elastic modulus at 0° and 10° dorsiflexion. Moreover, significant correlations were observed between change in DFROM and change in passive torque at DFROM in the FR group (rs = 0.607; p = 0.016).

結果ですがフォームローラー群で有意に足関節背屈可動域に増加を認めておりますが,足関節他動背屈運動時の受動トルク,足関節背屈0°および足関節背屈10°におけるせん断弾性率には有意な変化は認めておりません.

さらにフォームローラー群では足関節背屈可動域の変化量と足関節他動背屈運動時の受動トルクの変化量に有意な相関を認めております.

 

 

 

 

 

 

研究の結論

These results suggested that FR was an effective method to increase DFROM given its ability to change passive torque at DFROM (stretch tolerance) without altering muscle stiffness.

今回の研究結果からフォームローラーは筋のスティフネスを変化させることなく,足関節背屈時の受動トルクを軽減できる,つまりストレッチトレランスを向上させることができると考えると,足関節背屈可動域改善に有効である可能性が示唆されます.

 

今回はフォームローラーによる介入が腓腹筋のスティフネスおよび足関節背屈可動域改善に有効か否かを明らかにした研究論文をご紹介させていただきました.

スティフネスに改善が得られていないにもかかわらず,背屈可動域に改善が得られたというのは興味深いですね.

この論文内ではストレッチトレランスの向上が機序として掲げられておりますが,フォームローラーによる運動はセルフエクササイズとしても行いやすいので自主トレーニング指導としても使えそうですね.

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