Diaschisisって何?何て読むのと思ったらこの記事を読むべし

脳卒中
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Diaschisisって何?何て読むのと思ったらこの記事を読むべし

理学療法士・作業療法士が脳卒中症例のリハビリテーションに携わるうえでDiaschisisに関する理解は欠かせません.

Diaschisisという概念は比較的新しい概念ですが,まだあまり広く知られていない概念の1つでもあります.

今回は理学療法士・作業療法士であれば必ず知っておきたいDiaschisisについてご紹介させていただきます.

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Diaschisisとは?

まずDiaschisisですが「ダイアスキシス」と呼称します.

英語表記って学会とかで読み方間違えているとめちゃくちゃ恥ずかしいですから,まずはここはおさえておきたいですね.

Diaschisis(ダイアスキシス)は近年よく耳にする言葉ですが,意外と検索してもあまり出てこない用語でもあります.

このDiaschisisですが,日本語訳すると機能乖離あるいは遠隔性機能障害と翻訳されます.

脳卒中等の脳損傷後には病巣つまり直接的に損傷を受けた部位に限らず,その部位と線維連絡している部位にも血流低下を認め,結果として線維連絡のある遠隔部位にも機能障害が生じるわけですね.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Diaschisis(ダイアスキシス)の定義

Diaschisis(ダイアスキシス)は,Monakowによって以下のように定義されております.

 

局在性の脳損傷部位に隣接していないが,機能的に連結している領域の脳活動の抑制作用のこと

 

Diaschisis(ダイアスキシス)は,シナプス活動の局所性の減少であり,遠隔領域への求心性連絡が消失したために生じると想定されております.

そのため直接損傷された病巣だけでなく,その病巣と神経線維連絡している部位にも血流低下を認め,その部位の機能障害を生じます.

ちなみに機能障害の重症度に関しては病巣の大きさや障害部位に依存します.

 

 

 

 

 

 

 

 

線維連絡を考慮した上での遠隔部位への影響

線維連絡を考慮すると遠隔部位へ影響がおよびやすいパターンがあります.

まずは脳梗塞周囲の大脳皮質ですね.

例えば放線冠の脳梗塞であっても皮質レベルの機能障害が起こり,高次脳機能障害が出現するなんてことはけっこう頻繁にありますよね.

また場合によっては対側半球の大脳皮質に関連した機能障害が出現することもありますし,障害が対側小脳に及ぶ場合もあります.

高度な麻痺の残存する場合には,錐体路の直接的な損傷のみならず,Diaschisis(ダイアスキシス)による錐体路の障害が強いことも明らかにされております.

 

 

 

 

 

 

 

 

Diaschisis(ダイアスキシス)の種類

Diaschisis(ダイアスキシス)にも4つのタイプがあります.

 

diaschisis at rest

局所脳損傷が遠隔領域の代謝低下を引き起こす

 

functional diaschisis

損傷後に他部位との関連性が弱化する

 

connectional diaschisis

異なる脳領域間の結合の強さや方向が変化する

 

connectomal diaschisis

局所をつなぐ白質線維の低下・強化が起こる

 

 

今回は理学療法士・作業療法士であれば必ず知っておきたいDiaschisisについてご紹介させていただきました.

やはりこう考えると脳卒中例に対する理学療法・作業療法では,病巣のみの機能にとらわれず線維連絡を考慮する必要ありますね.

脳を3D でイメージできないとDiaschisis(ダイアスキシス)に伴う障害を理解するのは難しいでしょうね.

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