日本理学療法士協会の賠償責任保険が全く役に立たないことが明らかに

日本理学療法士協会の賠償責任保険が全く役に立たないことが明らかに

先日からSNSで盛り上がっている話題ですが，日本理学療法士協会の賠償責任保険が全く役に立たない可能性があります．

日本理学療法士協会の賠償責任保険といえば会員であれば誰もが賠償責任保険に強制加入していることになります．

この賠償責任保険に何となく安心感を持って仕事をされている理学療法士も多いと思いますが，実はこの責任賠償保険，割高なうえに賠償額が少なすぎてほとんど役に立たない可能性があります．

今回は日本理学療法士協会の賠償責任保険について考えてみたいと思います．

 

 

 

 

 

 

 

 

日本理学療法士協会入会へ加入するメリット

今回Twitterではじめに話題となったのは日本理学療法士協会入会のメリットです．

理学療法学の雑誌もいらない，研修会も参加しない方にとっては日本理学療法士協会入会のメリットは何なんだろうといった話題から，賠償責任保険に入会できるといった点が１つのメリットとして挙がったわけですが，いろいろと考えてみるとこの賠償責任保険（強制加入）が全く役に立たない保険である可能性が明るみになったわけです．

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理学療法士賠償責任保険（全員加入部分）

まずは日本理学療法士協会の理学療法士賠償責任保険についてです．

理学療法士賠償責任保険については協会員全員が強制加入しているものと，上乗せ補償プランの2種類があります．

全員加入部分については，協会員になった時点で自動的に加入することになりますので，個別の加入申込みは不要です．

そのため保険料の会員個人負担はありません．

個人負担が無いと言っても協会費として20,000円前後の会費を納めるわけですが…

補償内容ですが，身体賠償として1事故あたり300万円の補償が可能となっております．

保険対象者の条件ですが，基本的に在会会員であることが条件となります．

この場合，休会会員は対象外です．

入会手続中・復会申請中の場合には，年会費納入後，在会会員になってから対象となります．

また年会費を納入済みであることも条件となり，在会会員であっても未納者は対象外となります．

 

 

 

 

 

 

 

 

1事故につき300万円では話にならない

問題なのは理学療法士協会の理学療法士賠償責任保険の強制加入分については，補償が1事故につき300万までであるといった点です．

過去の医療事故の損害賠償額の判例を見ても300万以下というのはほとんどありません．

深刻な死亡事故を起こして責任ありとなれば賠償額は1億円以上というのが当たり前な状況を考えると，300万円というのはほとんど役に立たない可能性があります．

こんな役に立たない保険に加入させて，安心感を植え付けている協会も協会ですし，それに気付かない会員も会員です（私も含めて）

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別途3470円で補償を上乗せできる

ご存じの方も多いと思いますが，年間3470円を支払えば，補償を上乗せすることも可能です．

ちなみに私はこの上乗せ保障プランに加入しております．

上乗せ補償プランの場合には，理学療法業務中の身体障害１事故につき 9,700万円の補償が可能となります．

また財物損壊についても１事故につき 100万円，人格権侵害１事故およびについても100万円の補償が可能です．

さらに初期対応費用１事故につき500万円までついておりますので，安心ですね．

 

 

 

 

 

 

 

 

保険目的で協会加入は損？

仮に理学療法士賠償責任保険に加入することが一義的な目的で日本理学療法士協会に入会しているのであればこれは損でしかありません．

個人に対する賠償責任保険というのは民間の保険会社が出してるものがたくさんありますし，同じレベルの補償内容で5,000円/年で加入できるものもたくさんあります．

場合によっては職場で加入しているパターンもあるでしょう（職場へ確認が必要）．

そう考えると日本理学療法士協会に保険加入以外のメリットを感じないという方は退会または休会して，他の保険に入りなおした方が効率的ですね．

上乗せプランまで含めると年間25,000円を支払って保険に入っていることになりますからね…

こんな高い保険はありません．

 

今回は日本理学療法士協会の賠償責任保険について考えてみました．

私自身は保険加入以外の部分でもガイドラインや理学療法学の郵送，学会参加など部分に日本理学療法士協会に入会する意義を感じている人間ですので，25,000円を払いながら協会に入会し続ける予定ですが，保険だけが目的の理学療法士の方は大会や嗅回も含めて検討した方が良いでしょうね．