リハビリテーション部門でセラバンドを切り売りするのは法律上まずい

運動療法・物理療法
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リハビリテーション部門でセラバンドを切り売りするのは法律上まずい

理学療法士・作業療法士がクライアントにセラバンドを使って運動指導を行うことってけっこうあると思います.

セラバンドを貸し出したり,購入していただいてセルフエクササイズを行っていただくというケースも多いと思いますが,業者から購入したセラバンドを切り売りするのは実はいろいろと問題がありそうです.

今回はなぜリハビリテーション部門でセラバンドを切り売りするのが法律上まずいのかについて考えてみたいと思います.

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セラバンドは無償提供?販売?

皆様の施設でもセラバンドの提供に関してさまざまな運用をされていることともいます.

リハビリテーション部門で購入したセラバンドを無償で提供している病院や施設もあれば,m単位で切り売りしている医療機関や施設もあると思います.

無償としたいところですが,件数も増えるとけっこう高額なものですので,販売に切り替えたといった話もよく聞きます.

ただこの場合って料金設定をどのように行えばよいかが非常に難しいです.

また業者等から購入した物をクライアントに販売してよいのかといった疑問もあります.

例えば50mのものを1mに切って販売するのって本当に問題がないのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セラバンドを販売する際に留意すべき点

リハビリテーション部門でセラバンドを販売する際には次の2点に留意する必要があります.

①リハビリに必要とされる物品の費用について

②病院・診療所での販売行為について

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①リハビリに必要とされる物品の費用について

リハビリに必要とされる物品の費用に関して,疾患別リハビリテーション料の通則には,「リハビリテーションの費用は,特に規定する場合を除き,第1節の各区分の所定点数により算定する」と明記されております.

原則として疾患別リハビリテーションに関わる費用について,別に患者に負担することが認められていません.

セラバンドはともかくリハビリテーションを提供するにあたってさまざまな物品を使用するわけですが,これに対してクライアントに金銭的負担を発生させては問題なわけです.

テーピングを使うとかそういった場合も同じです.

あくまで疾患別リハビリテーション料に含まれている費用と考える必要があります.

特に定めが無い場合は患別リハビリテーションの一環で行われる材料についても請求できないわけです.

ただし医師が必要と認めて別に診療報酬に定められた処置については請求できる場合もあります.

ただセラバンドによる自主トレーニングのためにとなると,この医師が必要と認める範疇に含められるかどうかが微妙なところです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②病院・診療所での販売行為について

また病院・診療所では,患者が生活に必要とする衣類や杖等について,別の営利法人が病院の施設内にて販売している場面はありますが,病院や診療所は営利法人ではありませんので,物品の販売を自由に行うことができません.

別の法人が売店を開いて物品を売ったり,別の福祉用具の業者が病院や診療所内で福祉用具を販売するのはこれは問題無いわけですが,医療法によって医療機関の物販は制限を受けるといった点に注意が必要です.

また問題なのは,セラバンドの場合には切って売るといった点が問題となります.

切って売るとなると古物営業にひっかかってしまいます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セラバンドの販売は難しい

結論からいえば,やはりリハビリテーション部門でのセラバンドの販売は難しいということです.

形式としてはセラバンドを貸し出すといった運用や,100円均一等で購入していただくなどの方法が理想でしょうね.

どちらにしても面倒くさいことになりやすいので,リハビリ室内でお金のやりとりはやめておいた方がいいと思われます.

場合によっては,病院内の売店でセラバンド(切り売りは問題)を置いてもらうとかそういった方法も良いでしょうね.

無理がきくコンビニや売店を置いてある病院はテーピングやセラバンドは売店で販売といったケースが多いです.

ちなみにリハビリテーション部門で自助具を作成し,材料費のみをもらうというのも実際にはNGです.

これらの費用もリハビリテーション料に含まれると考える必要があります.

 

今回はなぜリハビリテーション部門でセラバンドを切り売りするのが法律上まずいのかについて考えてみました.

意外に落とし穴だったりするセラバンドやテーピングに関する費用の問題ですが,理学療法士・作業療法士にとっても機会が多いだけにリハビリテーション部門としてもきちんとしたルールを作っておきたいですね.

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