目次
大殿筋・中殿筋を効率的に活動させるために役立つ筋電図データ紹介
理学療法士・作業療法士が大殿筋・中殿筋を収縮させる目的でトレーニングを行う機会は多いと思います.
どのようなエクササイズが効率的に大殿筋・中殿筋を収縮させることができるかというのはこれまであまり明確にされてきませんでした.
今回は複数の論文から導き出された大殿筋・中殿筋を効率的に活動させるために役立つ筋電図データを紹介させていただきます.
これは大殿筋・中殿筋を段階的に強化する上での指標として非常に有用だと思います.
今回ご紹介する論文
Review Physiother Theory Pract. 2012 May;28(4):257-68. doi: 10.3109/09593985.2011.604981. Epub 2011 Oct 18.
A literature review of studies evaluating gluteus maximus and gluteus medius activation during rehabilitation exercises
Michael P Reiman 1, Lori A Bolgla, Janice K Loudon
Affiliations expand
PMID: 22007858 DOI: 10.3109/09593985.2011.604981
研究の概要
Recently, clinicians have focused much attention on the importance of hip strength for the rehabilitation of not only patients with low back pain but also lower extremity pathology. Properly designing a rehabilitation program for the gluteal muscles requires careful consideration of biomechanical principles, such as length of the external moment arm, gravity, and subject positioning. Understanding the anatomy and function of these muscles also is essential. Electromyography (EMG) provides a useful means to determine muscle activation levels during specific exercises. Descriptions of specific exercises, as they relate to the gluteal muscles, are described. The specific performance of these exercises, the reliability of such EMG measures, and descriptive figures are also detailed. Of utmost importance to practicing clinicians is the interpretation of such data and how it can be best used in exercise prescription when formulating a treatment plan.
近年,腰痛患者のみならず,下肢疾患を有するクライアントのリハビリテーションにおける股関節周囲筋力の重要性が臨床家の間で注目されております.
殿筋群のリハビリテーションプログラムを適切に設計するためには,外部モーメントアームの長さ,重力,被験者の体位などの生体力学的な原理を十分に考慮する必要があります.
またこれらの筋の解剖および機能を理解することも不可欠です.
筋電図(EMG)は,特定の運動中の筋肉の活性化レベルを決定するための有用な手段となります.
大殿筋の筋活動
このグラフで見ると大殿筋で筋活動が高いエクササイズは上から順に
段差昇降(前方)
片脚デッドリフト
片脚スクワット
ウォールスクワット
段差昇降(後方)
ということになります.
中殿筋の筋活動
中殿筋の場合は上から順に
サイドブリッジ
片脚スクワット
片脚デッドリフト
ペルビックドロップ
側臥位での股関節外転
といった順位となっております.
今回は複数の論文から導き出された大殿筋・中殿筋を効率的に活動させるために役立つ筋電図データを紹介させていただきました.
具体的なエクササイズでどの程度の筋活動が得られるのかというのは理学療法士・作業療法士がエクササイズを選択する上で非常に重要ですよね.
この論文は複数の論文で得られた結果から筋活動が統合されており非常に参考になる結果ですね.
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