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理学療法士・作業療法士の皆様の職場では休日の際の申し送りはどうされていますか?
最近は365日体制でリハビリテーションサービスを提供している医療機関も増えていると思いますので,自分が休暇を取得する際に理学療法士・作業療法士もクライアントの情報を他の理学療法士・作業療法士に申し送るという機会は多いと思います.
ここで問題となるのが何をどこまで申し送るかといった点です.
詳細な申し送りができれば安全管理の側面からも良いと思いますが,あまり申し送り作成に時間を取られるのも問題です.
今回は理学療法士・作業療法士が休暇を取得する際の申し送りについて考えてみたいと思います.
何をどこまで申し送るか?
理学療法士・作業療法士が申し送りを行う際に問題になるのが何をどこまで申し送るかといった点です.
筋力トレーニングとか歩行器での歩行練習とか具体的なプログラムの内容を申し送るのはもちろんですが,例えば筋力トレーニング1つをとってもどこまで内容を申し送るかは難しいところです.
歩行練習についてもどのくらいの距離をどのくらいの休息を挟みながらどのくらいの回数練習するのかというところが非常に難しいと思います.
これらを全て盛り込もうとすれば申し送りも膨大な長さとなってしまうでしょう.
申し送りを確認する立場としても大変ですよね.
個人的にはプログラムの目的を話して,目標を話してそこに向けた理学療法プログラムをお願いしますといった部分が一番重要な気もします.
目的にあった理学療法・作業療法であれば,代行任せでも問題無いのではないかといった話もあります.
申し送りではここはおさえておきたい
理学療法・作業療法プログラムの内容についてはゴールや目的を伝えた上で代行任せにしたとしても,必ず申し送りをしておきたいのがリスク管理の部分です.
起立性低血圧があるとか,急に脱力して転倒する可能性が高いとかそういった部分は必ず申し送っておく必要があるでしょう.
また重要なのはクライアントの性格です.
時間に几帳面な方であるとか,恐怖心の強い方であるとか,少し無理をしすぎてしまうキャラクターだとかそういった部分は必ず申し送りの中で伝えておく必要があるでしょう.
さらに時間帯も重要ですね.
場合によっては看護ケアと重ならないように時間帯の配慮が必要なこともあるでしょうし,糖尿病を合併していて空腹時の運動は避けた場合が良いこともあるでしょう.
詳細に申し送っても同じにはならない
結局のところ正確な申し送りを元に理学療法・作業療法を行ったとしても,元の担当の理学療法士や作業療法士と全く同じ介入を行うのは難しいのが実際です.
触り方とか力の加え方とかやっぱり理学療法士・作業療法士によっても違いがあります.
クライアントからすれば「人によってやり方が違う!」,「ちゃんと情報共有できているのか!」といったクレームも出そうですが,このあたりは理学療法・作業療法の特性上難しいのも実際です.
安全管理の視点
理学療法士・作業療法士が申し送りを行う時に安全管理の視点というのは非常に重要だと思います.
仮に代行で理学療法または作業療法を行った理学療法士・作業療法士がクライアントを転倒させてしまった場合を考えてみてください.
残念ながら転倒によって骨折に至った場合に,訴訟問題にまで発展したとします.
この際にどのような申し送りが行われていたかということが必ず問われると思います.
たった2行の申し送りで済ませていると医療事故が起こった場合には痛い目に合うでしょうね.
十分な情報共有が行われていなかったために,事故が起こったと判断されてしまうでしょう.
申し送りの量もそうですが何より安全管理の側面から申し送りがなされることが重要だと思います.
申し送りをみればその理学療法士・作業療法士のレベルがわかる
申し送りをみればある程度その理学療法士・作業療法士がどう考えてアプローチしているのかってわかっちゃいますよね.
残念ながらこの理学療法士・作業療法士はクライアントの病態を全く評価できてないし,何も考えてないななんて感じることもしばしばです.
そういった意味では申し送りを使って教育というのも可能でしょうし,申し送りを通じて先輩理学療法士・作業療法士に悩んでいることを共有するといった使い方も可能でしょう.
今回は理学療法士・作業療法士が休暇を取得する際の申し送りについて考えてみました.
理学療法士・作業療法士の皆様が職場の申し送りについて改めて考える機会になればうれしいです.
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