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作業療法士の職域拡大 全国初 運転免許センター常勤募集
2020年8月3日から神奈川県警の運転免許センターで作業療法士が募集されることとなりました.
これは全国的にも初の試みで事実上,作業療法士の職域が拡大された形となります.
昨今は高齢者の自動車事故が社会問題となっているだけに作業療法士の専門性が生かされれば全国的に運転免許センターへ作業療法士が配置されるといった流れも夢ではありません.
今回は神奈川県警の運転免許センターで作業療法士が募集されることとなった件について考えてみたいと思います.
作業療法士常勤募集の経緯
各都道府県警察で作業療法士の職名単独での常勤募集は全国初となります.
神奈川県警は2018年に非常勤として作業療法士を採用しておりますが,今回はこれまでの仕事ぶりが評価され,常勤職員の募集が行われることになったようです.
つまり結果を残したことが評価されたというわけです.
この神奈川県警の採用によって作業療法士としての専門性が評価されれば全国的に運転免許センターへ作業療法士が配置されるといった流れも夢ではないと思います.
気になる募集要項・試験内容は?
募集要項には,作業療法士は運転免許センターにおいて,運転適性検査を活用した安全運転相談・支援、医療系知識を生かした助言・指導等に従事しますと明記されております.
第1次選考として教養考査,第二次選考として人物考査が行われ,その後採用となるようです.
公務員として必要な短大卒業程度の一般的知識(25問)及び知能(25問)についての筆記考査100点と,第2次選考として人物考査,人柄,性向等についての個別面接考査100点で試験が行われるようです.
気になる給与は?
気になる基本給ですが専門学校及び短大(いずれも3年制)卒業で約210,000円,大学卒業で218,000円となっております.
のほか一定の条件によって,住居手当,通勤手当,時間外勤務手当,期末・勤勉手当等が支給されるようです.
また養成校卒業後に職歴又は学歴のある場合には,一定の基準による加算も設けられているようです.
一般的な作業療法士の初任給というのは右肩下がりですので,初任給としては決して悪くない額ではないかと思います.
いかに専門性を生かせるか?
やっぱり作業療法士の専門性と言えば,高次脳機能障害であったり,認知症に関するところだと思います.
昨今の高齢者の自動車事故は社会問題となっておりますし,ここ最近は自動車運転に関する作業療法士の論文って非常に増えておりましたし,何より社会的な意義が大きいんですよね.
作業療法士の自動車運転に関する評価というのは,神経科学の専門性も活かせますし,作業療法士が行う自動車運転に関する助言や指導が外出に悩みを抱える方への一助になるといいですよね.
最終的に高齢者が自動車運転を取り上げられた場合に,どう生活していけばよいかを指導できるのも作業療法士だったりしますのでほんと作業療法士の専門性にマッチした仕事といった印象です.
また作業療法士が配置されることで主治医との連携なんかも期待されますね.
今回は神奈川県警の運転免許センターで作業療法士が募集されることとなった件について考えてみたいと思います.
今後ますますリハビリテーション業界の中も,高齢者運転に関して注目が高まりそうですね.
個人的には免許センターへの作業療法士の配置義務が課されるまでになることを期待しております.
そのためにも神奈川県警に配属される作業療法士がきちんとした成果をあげることが重要となりますね.
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