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両者がマスクをしていたら2m以内15分以上の接触でも濃厚接触にならない?
新型コロナウイルス感染第2波の影響を受けて,理学療法士・作業療法士の皆様方の施設でも様々な感染対策に取り組まれていることと思います.
この新型コロナウイルス感染に関連して「濃厚接触」という言葉を1日に何度も耳にすることとなりました.
以前は「濃厚接触」って…なにかもっと良い言葉はないのかといった印象を持っておりましたが,この「濃厚接触」といった言葉にも耳が慣れてしまいましたね.
濃厚接触という言葉を考える際に重要なのはその定義です.
実は何度か変わっている濃厚接触の定義ですが,今回は濃厚接触の定義について考えてみたいと思います.
現在のところのCOVID-19の濃厚接触の定義
現在のところのCOVID-19の濃厚接触の定義は以下の通りです.
しかしながらこのマスクやフェイスシールドの装着状況によっては濃厚接触の定義に該当しない場合があります.
まず仮に2m以内で15分以上接触していても,感染者がマスクをしており,接触者がマスクをしていれば濃厚接触にはなりません.
また感染者がマスクをしていない状況であっても,接触者がマスクとフェイスシールドの両方を装備していれば濃厚接触にはあたりません.
日本のCOVID-19の濃厚接触の定義はゆるすぎる?
実は韓国でMERSが広がった一因は密接接触の定義を絞ったことに原因があると言われております.
その後,米国を参考に2m以内の接触に広げることで収束につながったといった経緯もあります.
本当にマスク装着を濃厚接触ではないとすると,医療職の場合には15分以上接触しても基本的には濃厚接触にならないということになってしまいます.
理学療法士・作業療法士が濃厚接触になるのは昼食だけ?
現在のCOVID-19の定義に沿って考えると,理学療法士・作業療法士の場合は,クライアントにマスクをしてもらって自らもマスクをすれば濃厚接触にならないということになりますので,そうなると理学療法士・作業療法士の場合というのは基本的には自らはマスクをしている状況ですし,最近はクライアントにもマスクの装着を徹底している施設がほとんどですので,濃厚接触になる機会というのは非常に少ないと考えられます.
考えられるとすればマスクを外す食事の際に同僚と濃厚接触するといったケースくらいでしょうか?
濃厚接触者でなければ自宅待機だけ?
現在のところクラスター感染でも明らかにならない限りは,PCR検査を行うのは濃厚接触者に対してだけです.
例えば同僚が感染し8時間も一緒に過ごしていても,濃厚接触者とならず自宅待機だけっていうケースも多いようです.
こういった不安を受けて,現在は病院,高齢者施設,学校,会社,塾,ジム,居酒屋,カラオケ,接待を伴う飲食店などで濃厚接触者でない場合でも、同じフロアや建物にいた人は無料で受けられるようになりましたが,こう考えるとこの濃厚接触者の定義ってこれで良いのかななんて思ってしまいます.
小学校・中学校・高校・大学等で検査が進まない
結局のところ小学校・中学校・高校・大学等では基本的にマスクを装着しておりますので,2人以上の感染者が出ない限り,濃厚接触者の基準を満たさず,学校では検査が進まないというのも実際です.
20代~30代の若者の感染が目立っておりますが,子どもの感染者の報告が少ないのは,この濃厚接触者の定義そのものによるところが非常に大きいと考えられるでしょう.
今回は濃厚接触の定義について考えてみました.
以前にもお伝えいたしましたが理学療法・作業療法なんて濃厚接触の嵐ですが,現在の定義からすると濃厚接触に当たらないといった何かおかしな話です.
感染者が日々増加しており,医療者はまだまだ我慢を強いられる日が続きそうですが,皆様もくれぐれも感染予防を図りながら仕事に励まれてください.
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